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浜松医科大学/2026年度/前期

浜松医科大学 2026年 数学 第2問解答・解説

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1問題

浜松医科大学2026年度第2問

以下の枠で囲まれた問題に対する答案Aの中に誤りがあれば,誤りを指摘し,正しい答案になるように修正しなさい。

【問題】 nn を自然数とし,はじめに nn 個の素数 p1, p2, …, pnp_1,\ p_2,\ \ldots,\ p_n を決めておく。このとき,整数を係数とする次数が1以上の多項式 f(x)f(x) をどのように選んでも,それぞれの f(x)f(x) に対して整数 kk が存在して,f(k)f(k) は素因数分解が可能であるが,p1, p2, …, pnp_1,\ p_2,\ \ldots,\ p_n のみを用いて素因数分解することはできないことを証明せよ。ただし,整数が素因数分解が可能とは,その整数が1個以上の素数の積または1個以上の素数の積の (−1)(-1) 倍として表すことができることを意味する。

【答案A】 f(x)f(x) の定数項は f(0)f(0) であるから,仮定より f(0)f(0) は整数である。よって,整数 kk として k=p1p2⋯pnf(0)k=p_1p_2\cdots p_nf(0) をとり,f(x)f(x) に x=kx=k を代入すれば,再び仮定より,f(k)f(k) は整数であるから素因数分解が可能である。一方,ある整数 aa を用いて f(k)=f(p1p2⋯pnf(0))=f(0)(ap1p2⋯pn+1)f(k)=f(p_1p_2\cdots p_nf(0))=f(0)(ap_1p_2\cdots p_n+1) と表すことができるが,ap1p2⋯pn+1ap_1p_2\cdots p_n+1 はどの pi (1≦i≦n)p_i\ (1\leq i\leq n) でも割り切れないから,f(k)f(k) は p1, p2, …, pnp_1,\ p_2,\ \ldots,\ p_n のみを用いて素因数分解することはできない。(答案終了)

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 採用答案A077の訂正版をVERIFIEDとする。非零のA=f(c)A=f(c)を取り、k=c+APmk=c+APmに対してf(k)=A(1+Pmg(k))f(k)=A(1+Pm g(k))とする。mを十分大きくすると∣f(k)∣>∣A∣|f(k)|>|A|となり、商Qは∣Q∣>1|Q|>1かつ各pip_iを法として1なので、Qの素因数に指定外の素数が必ず含まれる。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

答案Aでは、f(k)f(k)が整数であることから、 直ちに素因数分解可能と結論しているが、定義上0,1,−10,1,-1は素因数分解可能ではない。

また、f(0)=0f(0)=0の場合、答案Aの選び方ではk=0k=0となりf(k)=0f(k)=0である。

したがって、f(k)f(k)の絶対値を11より大きくする条件が必要である。

そこでf(x)f(x)の次数をddとする。f(x)f(x)は零多項式ではないから、その整数の根は高々dd個である。よってf(c)≠0f(c)\ne 0となる整数ccを選べる。A=f(c)A=f(c)、P=p1p2⋯pnP=p_1p_2\cdots p_nとおくと、AP≠0AP\ne 0である。

多項式の因数定理により、ある整数係数多項式g(x)g(x)を用いてf(x)−f(c)=(x−c)g(x)f(x)-f(c)=(x-c)g(x)と表せる。正整数mmに対しk=c+APmk=c+APmとおけば、 f(k)=A+(k−c)g(k)=A+APmg(k)=A(1+Pmg(k)).f(k)=A+(k-c)g(k)=A+APm g(k)=A\bigl(1+Pm g(k)\bigr). ここでmmを大きくすると∣k∣→∞|k|\to\inftyであり、ffは次数が1以上の多項式だから∣f(k)∣→∞|f(k)|\to\infty。したがって、∣f(k)∣>∣A∣|f(k)|>|A|となる正整数mmを選べる。このときQ=1+Pmg(k)Q=1+Pm g(k)とおけば∣Q∣=∣f(k)∣/∣A∣>1|Q|=|f(k)|/|A|>1である。また、各i=1,2,…,ni=1,2,\ldots,nについてQ≡1(modpi)Q\equiv 1\pmod{p_i}だから、pip_iはいずれもQQを割り切らない。∣Q∣>1|Q|>1よりQQは素因数をもち、その素因数はp1,…,pnp_1,\ldots,p_nのいずれとも異なる。

さらに∣f(k)∣>∣A∣≧1|f(k)|>|A|\ge 1だから∣f(k)∣>1|f(k)|>1であり、f(k)f(k)は定義どおり素因数分解可能である。一方、f(k)=AQf(k)=AQなのでQQの素因数はf(k)f(k)を割り切る。したがってf(k)f(k)はp1,p2,…,pnp_1,p_2,\ldots,p_nのみを用いて素因数分解することはできない。以上で示された。

この問題で使う考え方

  • 剰余・因数定理
  • 約数・倍数

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