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産業医科大学/2022年度/一般

産業医科大学 2022年 数学 第3問解答・解説

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1問題

産業医科大学2022年度第3問

空欄にあてはまる適切な数、式、記号などを解答用紙の所定の欄に記入しなさい。角度の単位はラジアンとする。

図1は円C₁と円C₂の図で、水平なx軸上に黒点(0,0)と円C₁の中心F(f,0)がある。円C₁上の黒点Pは円C₂の中心で、円C₂上の黒点Sへ線分が延び、FPにa、PSにb、FPとx軸の間にθ₁、PSとPを通る水平なx′軸の間にθ₂が記されている。「円C₂」の注記から小円へ矢印が向かう。

図1に示すように、x−yx-y平面座標においてxx軸上の点F(f,0)F(f,0)を中心とする半径aaの円C1C_{1}を考える。円C1C_{1}上にある点PPを考える。線分FPFPがxx軸となす角度をxx軸から反時計回りに測ったときの値をθ1\theta_{1}と置く。点PPを中心とする半径bbの円C2C_{2}を考える。円C2C_{2}上のある点SSを考える。点PPを通り、xx軸に平行な線をx′x'軸と呼ぶ。線分PSPSがx′x'軸となす角度を、x′x'軸から反時計回りに測ったときの値をθ2\theta_{2}とおく。  ∙\bullet 点PPの座標(x1,y1)(x_{1},y_{1})はa,f,θ1a,f,\theta_{1}を用いて、(x1,y1)=(セ)(x_{1},y_{1})=\left(\boxed{\text{セ}}\right)と表される。  ∙\bullet 点SSの座標(x2,y2)(x_{2},y_{2})はa,b,f,θ1,θ2a,b,f,\theta_{1},\theta_{2}を用いて、(x2,y2)=(ソ)(x_{2},y_{2})=\left(\boxed{\text{ソ}}\right)と表される。  媒介変数ttを用いて、θ1\theta_{1}を式θ1=ω1t\theta_{1}=\omega_{1}tと表す。ここで、ω1\omega_{1}は定数で、ω1>0\omega_{1}>0とする。同様に、θ2\theta_{2}は式θ2=ω2t+ϕ\theta_{2}=\omega_{2}t+\phiと表す。ここで、ω2,ϕ\omega_{2},\phiは定数で、0≦ϕ<2π0\leq\phi<2\piとする。t≧0t\geq0とし、ttの初期値t=0t=0からの増加にともない点PPと点SSがそれぞれ円C1,C2C_{1},C_{2}上を周回することを考える。点PPが円C1C_{1}上を1周するときのttの変化量を、点PPの周期TPT_{\mathrm{P}}と呼ぶ。  ∙\bullet TPT_{\mathrm{P}}の値はω1\omega_{1}を使ってタ\boxed{\text{タ}}と表される。  ∙\bullet TP=1, a=2, b=1, f=5T_{\mathrm{P}}=1,\ a=2,\ b=1,\ f=5とする。点PPと原点の距離をAA、点SSと原点の距離をBBとし、A,BA,Bを媒介変数ttに対して表示すると図2のようになった。

図2は縦軸A,Bのグラフで、実線Aと破線Bを指す右向きの注記矢印がある。横軸の目盛は0、0.5、1、1.5、縦軸は2から8まで1刻み。実線Aは横目盛0と1で7、0.5と1.5で3となる波形で、破線Bは0で6、1で8となり、その間と両側で複数回上下している。

ここで、実線がAA、破線がBBを表す。また、t=0t=0とt=1t=1で∣A−B∣=1\lvert A-B\rvert=1となった。以上のことから、ω2\omega_{2}の値はチ\boxed{\text{チ}}、ϕ\phiの値はツ\boxed{\text{ツ}}と求められる。  ∙\bullet a>ba>bとする。点SSの軌跡が半径a−ba-bの円になるためには、ω2\omega_{2}の値はω1\omega_{1}のテ\boxed{\text{テ}}倍、ϕ\phiの値はト\boxed{\text{ト}}であればよい。  ∙\bullet 点SSの軌跡が半径a+ba+bの円になるためには、ω2\omega_{2}の値はω1\omega_{1}のナ\boxed{\text{ナ}}倍、ϕ\phiの値はニ\boxed{\text{ニ}}であればよい。  ∙\bullet 点PPが1周する間に点SSが必ず点(f−a−b,0)(f-a-b,0)と点(f+a−b,0)(f+a-b,0)の両方を通過するための必要十分条件は、ω2\omega_{2}とω1\omega_{1}の間に自然数kkを用いて表されるω2=ヌ\omega_{2}=\boxed{\text{ヌ}}という関係が成り立ち、ϕ\phiの値がネ\boxed{\text{ネ}}であることである。  ∙\bullet t=0t=0において、点SSの位置は(f+a−b,0)(f+a-b,0)であった。そこから点PPが1周したとき、すなわちt=TPt=T_{\mathrm{P}}において、点SSの位置は(f+a+b,0)(f+a+b,0)であった。さらに点PPが1周したとき、すなわちt=2TPt=2T_{\mathrm{P}}において、点SSの位置は(f+a−b,0)(f+a-b,0)であった。このように点PPの周回ごとに点SSの位置が(f+a−b,0)(f+a-b,0)と(f+a+b,0)(f+a+b,0)を交互にとるための必要十分条件は、ω2\omega_{2}とω1\omega_{1}の間に自然数kkを用いて表されるω2=ノ\omega_{2}=\boxed{\text{ノ}}という関係が成り立ち、ϕ\phiの値がハ\boxed{\text{ハ}}であることである。  点FF、点PP、点SSの3点が一直線上に並び、かつ点FFと点PPの間に点SSがある状態を「蝕(しょく)」と呼ぶことにする。zzを2以上の自然数とする。

(1) ω2=zω1\omega_{2}=z\omega_{1}の関係があるとき、点PPが円C1C_{1}上を1周する間に蝕が起こる回数はヒ\boxed{\text{ヒ}}回である。

(2) ω2=−zω1\omega_{2}=-z\omega_{1}の関係があるとき、点PPが円C1C_{1}上を1周する間に蝕が起こる回数はフ\boxed{\text{フ}}回である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

円運動を二つの回転ベクトルの和で表す。図2から数値条件を読み取り、指定位置への通過を角度の合同式にする。整数倍・半奇整数倍の全体を正の自然数kと符号±で正確に表し、相対角の回転数から蝕を数える。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • セ=(f+acos⁡θ1, asin⁡θ1),=(f+a\cos\theta_1,\space{}a\sin\theta_1),\quadソ=(f+acos⁡θ1+bcos⁡θ2, asin⁡θ1+bsin⁡θ2),=(f+a\cos\theta_1+b\cos\theta_2,\space{}a\sin\theta_1+b\sin\theta_2),\quadタ=2πω1;\displaystyle =\frac{2\pi}{\omega_1};\quadチ=5π, =5\pi,\space{} ツ=π;=\pi;\quadテ=1, =1,\space{} ト=π;=\pi;\quadナ=1, =1,\space{} ニ=0;=0;\quadヌ=±2(k−1)ω1, =\pm2(k-1)\omega_1,\space{} ネ=π;=\pi;\quadノ=±2k−12ω1, \displaystyle =\pm\frac{2k-1}{2}\omega_1,\space{} ハ=π;=\pi;\quadヒ=z−1, =z-1,\space{} フ=z+1(k=1,2,3,…).=z+1\quad(k=1,2,3,\ldots).

4解答

解答を見る途中式つきの解答

点PPは中心F(f,0)F(f,0)から角θ1\theta_1、距離aaの位置にあり、点SSはPPから角θ2\theta_2、距離bbだけ進んだ位置にある。従って (x1,y1)=(f+acos⁡θ1, asin⁡θ1),(x_1,y_1)=(f+a\cos\theta_1,\ a\sin\theta_1), (x2,y2)=(f+acos⁡θ1+bcos⁡θ2, asin⁡θ1+bsin⁡θ2).(x_2,y_2)=(f+a\cos\theta_1+b\cos\theta_2,\ a\sin\theta_1+b\sin\theta_2). θ1\theta_1が2π2\pi増えるとPPが1周するから TP=2πω1.\displaystyle T_{\mathrm P}=\frac{2\pi}{\omega_1}.

図2からチ、ツを求める。 TP=1T_{\mathrm P}=1よりω1=2π\omega_1=2\pi。t=0t=0でA=7A=7。図2ではB=6B=6であり、S=(7+cos⁡ϕ,sin⁡ϕ)S=(7+\cos\phi,\sin\phi)だから 36=∣OS∣2=50+14cos⁡ϕ,36=|OS|^2=50+14\cos\phi, 従ってcos⁡ϕ=−1\cos\phi=-1、0≦ϕ<2π0\leq\phi<2\piよりϕ=π\phi=\pi。また図2ではt=1t=1にB=8B=8である。このときP=(7,0)P=(7,0)で、距離8はPSPSが正のx方向を向く場合なのでω2+ϕ≡0(mod2π)\omega_2+\phi\equiv0\pmod{2\pi}。従ってω2\omega_2はπ\piの奇数倍である。図2の破線の山谷の位置はω2/ω1=5/2\omega_2/\omega_1=5/2の場合と一致する(例えばt≃0.17t\simeq0.17の最初の極大とt≃0.43t\simeq0.43の極小)。よってω2=5π\omega_2=5\pi、すなわちチ=5π, ツ=π\text{チ}=5\pi,\ \text{ツ}=\pi。

半径a−ba-b、a+ba+bの円。 S−FS-Fは長さaaのベクトル(acos⁡θ1,asin⁡θ1)(a\cos\theta_1,a\sin\theta_1)と長さbbのベクトル(bcos⁡θ2,bsin⁡θ2)(b\cos\theta_2,b\sin\theta_2)の和である。θ2=θ1+π\theta_2=\theta_1+\pi、すなわちω2=ω1, ϕ=π\omega_2=\omega_1,\ \phi=\piならS−F=((a−b)cos⁡θ1,(a−b)sin⁡θ1)S-F=((a-b)\cos\theta_1,(a-b)\sin\theta_1)となる。従ってテ=1, ト=π\text{テ}=1,\ \text{ト}=\pi。同様にθ2=θ1\theta_2=\theta_1、すなわちω2=ω1, ϕ=0\omega_2=\omega_1,\ \phi=0なら半径a+ba+bの円となるのでナ=1, ニ=0\text{ナ}=1,\ \text{ニ}=0。

ヌ、ネの条件。 ここでは直前のa>ba>bを用いる。S=(f−a−b,0)S=(f-a-b,0)となるには、長さa,ba,bの二つのベクトルFP,PSFP,PSがともに左向きでなければならないので、θ1≡θ2≡π(mod2π)\theta_1\equiv\theta_2\equiv\pi\pmod{2\pi}である。S=(f+a−b,0)S=(f+a-b,0)では、合成ベクトルの長さが最小値a−ba-bとなり、向きは正のxx方向だから、θ1≡0, θ2≡π(mod2π)\theta_1\equiv0,\ \theta_2\equiv\pi\pmod{2\pi}である。特にt=0t=0で右側の点を通るためϕ=π\phi=\piが必要である。

PPが1周する間にθ1=π\theta_1=\piとなる時刻はt=TP/2=π/ω1t=T_{\mathrm P}/2=\pi/\omega_1である。このとき左側の点を通るにはθ2≡π\theta_2\equiv\piでなければならないから ω2πω1+π≡π(mod2π),ω2ω1=2m(m は整数).\displaystyle \omega_2\frac{\pi}{\omega_1}+\pi\equiv\pi\pmod{2\pi},\qquad \frac{\omega_2}{\omega_1}=2m\quad(m\text{ は整数}). 逆にϕ=π\phi=\piかつω2/ω1=2m\omega_2/\omega_1=2mなら、t=0t=0で右側の点、t=TP/2t=T_{\mathrm P}/2で左側の点を通る。よってこれは必要十分条件である。偶整数全体は、正の自然数kkと符号±\pmを使って±2(k−1)\pm2(k-1)(k=1,2,3,…k=1,2,3,\ldots)と表せる。k=1k=1はω2=0\omega_2=0を含む。従ってヌ=±2(k−1)ω1, ネ=π\text{ヌ}=\pm2(k-1)\omega_1,\ \text{ネ}=\piである。

ノ、ハの条件。 t=0t=0でS=(f+a−b,0)S=(f+a-b,0)だからθ1=0, θ2=ϕ=π\theta_1=0,\ \theta_2=\phi=\piである。1周期後にS=(f+a+b,0)S=(f+a+b,0)となるにはθ2≡0(mod2π)\theta_2\equiv0\pmod{2\pi}でなければならず、 ω2TP+π≡0(mod2π),ω2ω1=m+12(m は整数).\displaystyle \omega_2T_{\mathrm P}+\pi\equiv0\pmod{2\pi},\qquad \frac{\omega_2}{\omega_1}=m+\frac12\quad(m\text{ は整数}). この条件なら2周期後にθ2≡π\theta_2\equiv\piとなり、以後も各周期で二つの位置を交互にとる。逆に交互にとるなら1周期後に右側の最大点を通るため上の合同式が必要である。全ての半奇整数は±(2k−1)/2\pm(2k-1)/2(k=1,2,3,…k=1,2,3,\ldots)と表せるから、ノ=±2k−12ω1, ハ=π\displaystyle \text{ノ}=\pm\frac{2k-1}{2}\omega_1,\ \text{ハ}=\piである。

蝕の回数。 a>ba>bのとき、SSが線分FPFPの内部にあるためにはPSPSがFPFPと反対向きである必要十分条件、θ2−θ1≡π(mod2π)\theta_2-\theta_1\equiv\pi\pmod{2\pi}が成り立つ。ω2=zω1\omega_2=z\omega_1では相対角θ2−θ1\theta_2-\theta_1が1周期に2π(z−1)2\pi(z-1)増えるので、蝕はz−1z-1回。ω2=−zω1\omega_2=-z\omega_1では相対角が2π(z+1)2\pi(z+1)だけ減るので、蝕はz+1z+1回である。周期の同じ端点は一度だけ数える。

検算として、チ・ツの値を座標式へ入れると、t=0ではS=(6,0)S=(6,0)、t=1ではS=(8,0)S=(8,0)となり図2の距離と一致する。半径条件ではS−FS-Fの二つのベクトルが常に同方向または反対方向となる。蝕の回数はPの1周期中の相対角の回転数∣ω2/ω1−1∣|\omega_2/\omega_1-1|に一致する。

この問題で使う考え方

  • 三角比と相互関係
  • 一般角と弧度法
  • 三角関数の相互関係
  • 三角関数の周期・グラフ
  • 座標による距離
  • 円の方程式
  • 軌跡
  • ベクトルの成分表示

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