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岩手医科大学/2021年度/一般 一般

岩手医科大学 2021年 数学 第2問解答・解説

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1問題

岩手医科大学2021年度第2問

長さ l (>0)l\,(>0) の線分を nn 等分(ただし n≧3n\geq3)して折り曲げ,正 nn 角形 Pl,nP_{l,n} を作り,その面積を Sl,nS_{l,n} とする。また,Pl,nP_{l,n} の内接円(すべての辺に接する円)の半径を rl,nr_{l,n} とする。

このとき,次の問い(問1~4)に答えよ。

問1 r6,8=ア(イ+ウ)エ ⁣\displaystyle r_{6,8}=\frac{\boxed{\text{ア}}\left(\sqrt{\boxed{\text{イ}}}+\boxed{\text{ウ}}\right)}{\boxed{\text{エ}}\!} である。

問2 S6,8=オ(カ+キ)ク\displaystyle S_{6,8}=\frac{\boxed{\text{オ}}\left(\sqrt{\boxed{\text{カ}}}+\boxed{\text{キ}}\right)}{\boxed{\text{ク}}} である。

問3 lim⁡n→∞S6,n=ケコ\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}S_{6,n}=\frac{\boxed{\text{ケ}}}{\boxed{\text{コ}}} である。ただし,コ\boxed{\text{コ}} には以下の選択肢の中から適切なものを一つ選んで答えよ。

選択肢:① π3\text{① }\sqrt[3]{\pi},② π\text{② }\sqrt{\pi},③ π\text{③ }\pi,④ π2\text{④ }\pi^{2},⑤ π3\text{⑤ }\pi^{3},⑥ ππ\text{⑥ }\pi^{\pi}。

問4 aa を定数として S=lim⁡n→∞na(Sl,2n−Sl,n)\displaystyle S=\lim\limits _{n\to\infty}n^{a}\left(S_{l,2n}-S_{l,n}\right) とおく。SS が0でない値に収束するとき a=サa=\boxed{\text{サ}} である。また,このとき S=19\displaystyle S=\frac{1}{9} となるのは l=シスセ\displaystyle l=\frac{\boxed{\text{シ}}}{\boxed{\text{ス}}\boxed{\text{セ}}} のときである。ただし,セ\boxed{\text{セ}} には問3と同じ選択肢の中から適切なものを一つ選んで答えよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

中心から各辺に垂線を下ろして三角比から半径と面積の一般式を作る。問3は三角関数の基本極限で処理し、問4は補助関数の極限を導関数と定積分から直接導いて差の係数を求める。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 問1 r6,8=3(2+1)8(\displaystyle r_{6,8}=\frac{3(\sqrt{2}+1)}{8}\quad(ア=3,=3,イ=2,=2,ウ=1,=1,エ=8)/=8)\quad/\quad 問2 S6,8=9(2+1)8(\displaystyle S_{6,8}=\frac{9(\sqrt{2}+1)}{8}\quad(オ=9,=9,カ=2,=2,キ=1,=1,ク=8)/=8)\quad/\quad 問3 9π(\displaystyle \frac{9}{\pi}\quad(ケ=9,=9,コ==③)/)\quad/\quad 問4 a=2, l=43π(\displaystyle a=2,\space{}l=\frac{4}{3\sqrt{\pi}}\quad(サ=2,=2,シ=4,=4,ス=3,=3,セ==②)

4解答

解答を見る途中式つきの解答

正nn角形の一辺の長さをs=l/ns=l/nとする。中心から一辺に垂線を下ろすと、中心角の半分がπ/n\pi/n、垂線の足から頂点までの長さがs/2s/2、垂線の長さがrl,nr_{l,n}である。したがってtan⁡(π/n)=(s/2)/rl,n\tan(\pi/n)=(s/2)/r_{l,n}より、rl,n=l2ncot⁡πn.\displaystyle r_{l,n}=\frac{l}{2n}\cot\frac{\pi}{n}.また、正nn角形は底辺ss、高さrl,nr_{l,n}の三角形nn個に分けられるので、Sl,n=n⋅srl,n2=lrl,n2=l24ncot⁡πn.\displaystyle S_{l,n}=n\cdot\frac{sr_{l,n}}{2}=\frac{l r_{l,n}}{2}=\frac{l^2}{4n}\cot\frac{\pi}{n}.

問1ではl=6,n=8l=6,n=8とする。半角の公式からtan⁡π8=sin⁡(π/4)1+cos⁡(π/4)=2/21+2/2=2−1,cot⁡π8=2+1.\displaystyle \tan\frac{\pi}{8}=\frac{\sin(\pi/4)}{1+\cos(\pi/4)}=\frac{\sqrt{2}/2}{1+\sqrt{2}/2}=\sqrt{2}-1,\qquad \cot\frac{\pi}{8}=\sqrt{2}+1.よってr6,8=616(2+1)=3(2+1)8.\displaystyle r_{6,8}=\frac{6}{16}(\sqrt{2}+1)=\frac{3(\sqrt{2}+1)}{8}.問2はS6,8=lr6,8/2=3r6,8S_{6,8}=l r_{6,8}/2=3r_{6,8}よりS6,8=9(2+1)8.\displaystyle S_{6,8}=\frac{9(\sqrt{2}+1)}{8}.

問3でx=π/nx=\pi/nとおくと、S6,n=9ncot⁡x=9πxcot⁡x=9πcos⁡xsin⁡x/x.\displaystyle S_{6,n}=\frac{9}{n}\cot x=\frac{9}{\pi}x\cot x=\frac{9}{\pi}\frac{\cos x}{\sin x/x}.三角関数の基本極限sin⁡x/x→1\sin x/x\to1とcos⁡x→1\cos x\to1からxcot⁡x→1x\cot x\to1。したがってlim⁡n→∞S6,n=9π,\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}S_{6,n}=\frac{9}{\pi},ゆえにケ=9\text{ケ}=9、選択肢は③である。

問4のため、h(x)=xcot⁡xh(x)=x\cot x、g(x)=(1−h(x))/x2g(x)=(1-h(x))/x^2とおく。x>0x>0について1−xcot⁡x=sin⁡x−xcos⁡xsin⁡x.\displaystyle 1-x\cot x=\frac{\sin x-x\cos x}{\sin x}.ここでddt(sin⁡t−tcos⁡t)=tsin⁡t\displaystyle \frac{d}{dt}(\sin t-t\cos t)=t\sin tかつsin⁡0−0cos⁡0=0\sin 0-0\cos 0=0なので、sin⁡x−xcos⁡x=∫0xtsin⁡t dt=∫0xt2sin⁡tt dt.\displaystyle \sin x-x\cos x=\int_0^x t\sin t\,dt=\int_0^x t^2\frac{\sin t}{t}\,dt.基本極限sin⁡t/t→1\sin t/t\to1により、この積分をx3x^3で割った極限は1x3∫0xt2 dt\displaystyle \frac{1}{x^3}\int_0^x t^2\,dtの極限と同じく1/31/3である(sin⁡t/t\sin t/tを1にいくらでも近く上下から挟み、積分して評価できる)。またsin⁡x/x→1\sin x/x\to1だから、lim⁡x→0+g(x)=lim⁡x→0+(sin⁡x−xcos⁡x)/x3sin⁡x/x=13.\displaystyle \lim\limits _{x\to0+}g(x)=\lim\limits _{x\to0+}\frac{(\sin x-x\cos x)/x^3}{\sin x/x}=\frac13.一般式にx=π/nx=\pi/nを代入するとSl,n=l24πh(x)\displaystyle S_{l,n}=\frac{l^2}{4\pi}h(x)である。h(x)=1−x2g(x)h(x)=1-x^2g(x)を使えばh(x/2)−h(x)x2=g(x)−14g(x/2)⟶13−112=14.\displaystyle \frac{h(x/2)-h(x)}{x^2}=g(x)-\frac14g(x/2)\longrightarrow\frac13-\frac1{12}=\frac14.従ってlim⁡n→∞n2(Sl,2n−Sl,n)=l24π⋅π2⋅14=l2π16>0.\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}n^2(S_{l,2n}-S_{l,n})=\frac{l^2}{4\pi}\cdot\pi^2\cdot\frac14=\frac{l^2\pi}{16}>0.ゆえにna(Sl,2n−Sl,n)=na−2{n2(Sl,2n−Sl,n)}n^a(S_{l,2n}-S_{l,n})=n^{a-2}\{n^2(S_{l,2n}-S_{l,n})\}は、a<2a<2なら0に、a>2a>2なら正の無限大に向かう。0でない有限値に収束するのはa=2a=2の場合に限る。このときS=l2π/16S=l^2\pi/16なので、S=1/9S=1/9を満たすl>0l>0はl=43π.\displaystyle l=\frac{4}{3\sqrt{\pi}}.

最後に、問2の面積はlrl,n/2l r_{l,n}/2からも3r6,8=9(2+1)/83r_{6,8}=9(\sqrt{2}+1)/8と一致する。また問4の極限係数l2π/16l^2\pi/16は正で、選んだa=2a=2の収束値の符号とも一致する。

この問題で使う考え方

  • 三角比と相互関係
  • 三角比による面積
  • 半角の公式
  • 数列の極限
  • 関数の極限
  • 三角関数の微分
  • 不定積分・定積分の性質

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