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東京慈恵会医科大学/2012年度

東京慈恵会医科大学 2012年 数学 第3問解答・解説

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1問題

東京慈恵会医科大学2012年度第3問

解答は別紙の解答用紙に記入しなさい。 nn を3以上の整数とする。xyzxyz 空間の平面 z=0z=0 上に,1辺の長さが4の正 nn 角形 PP があり,PP の外接円の中心を GG とおく。半径1の球 BB の中心が PP の辺に沿って1周するとき,BB が通過してできる立体を KnK_n とする。このとき,次の問いに答えよ。

(1) PP の隣り合う2つの頂点 P1,P2P_1,P_2 をとる。GG から辺 P1P2P_1P_2 に下ろした垂線と P1P2P_1P_2 との交点を QQ とするとき,GQ>1GQ>1 となることを示せ。

(2) (i) KnK_n を平面 z=t(−1≦t≦1)z=t\quad (-1\leq t\leq 1) で切ったときの断面積 S(t)S(t) を tt と nn を用いて表せ。

(ii) KnK_n の体積 V(n)V(n) を nn を用いて表せ。

(3) GG を通り,平面 z=0z=0 に垂直な直線を ℓ\ell とする。KnK_n を ℓ\ell のまわりに1回転させてできる立体の体積 W(n)W(n) を nn を用いて表せ。

(4) lim⁡n→∞V(n)W(n)\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}\frac{V(n)}{W(n)} を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

正多角形の外側平行拡張と内側平行移動多角形の差として断面積を導く。断面を積分して体積を得た後、回転断面は中心軸を含まない円環となることを確認し、円環の断面積を高さで積分する。最後に両体積をnで割って極限を比較する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) GQ=2cot⁡πn≧23>1;\displaystyle (1)\space{}GQ=2\cot\frac{\pi}{n}\ge\frac{2}{\sqrt3}>1;
    (2)(i) S(t)=8n1−t2+(π−ntan⁡πn)(1−t2);\displaystyle (2)(i)\space{}S(t)=8n\sqrt{1-t^2}+\left(\pi-n\tan\frac{\pi}{n}\right)(1-t^2);
    (2)(ii) V(n)=4πn+43(π−ntan⁡πn);\displaystyle (2)(ii)\space{}V(n)=4\pi n+\frac43\left(\pi-n\tan\frac{\pi}{n}\right);
    (3) W(n)=8π+2π2cot⁡π2n;\displaystyle (3)\space{}W(n)=8\pi+2\pi^2\cot\frac{\pi}{2n};
    (4) lim⁡n→∞V(n)W(n)=1.\displaystyle (4)\space{}\lim\limits _{n\to\infty}\frac{V(n)}{W(n)}=1.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) QQ は正 nn 角形の一辺の中点であり、P1Q=2P_1Q=2 である。θ=πn\displaystyle \theta=\frac{\pi}{n} とおくと、直角三角形 GP1QGP_1Q で ∠P1GQ=θ\angle P_1GQ=\theta だから GQ=P1Qtan⁡θ=2cot⁡θ.\displaystyle GQ=\frac{P_1Q}{\tan\theta}=2\cot\theta. n≧3n\ge3 より 0<θ≦π3\displaystyle 0<\theta\le\frac{\pi}{3}。この範囲で tan⁡θ≦tan⁡π3=3\displaystyle \tan\theta\le\tan\frac{\pi}{3}=\sqrt3 なので GQ≧23>1.\displaystyle GQ\ge\frac{2}{\sqrt3}>1.

(2)(i) θ=πn\displaystyle \theta=\frac{\pi}{n}、ρ=1−t2\rho=\sqrt{1-t^2} とおく。高さ z=tz=t で半径1の球を切ると、中心から水平距離 ρ\rho 以内の円板となる。したがって断面は、正 nn 角形の周上を中心が動くときの半径 ρ\rho の円板の和である。(1)より内接円半径 d=2cot⁡θ>1≧ρd=2\cot\theta>1\ge\rho なので、内側の空隙が残る。

正 nn 角形そのものの面積を AA、周長を 4n4n とする。周の外側へ距離 ρ\rho まで広げた図形の面積は、辺に沿う長方形の面積 4nρ4n\rho と、頂点での円弧部分(中心角の合計は 2π2\pi)を足して A+4nρ+πρ2A+4n\rho+\pi\rho^2 である。一方、各辺を内側へ ρ\rho だけ平行移動した正 nn 角形の内接円半径は d−ρd-\rho、辺の半分は (d−ρ)tan⁡θ(d-\rho)\tan\theta だから、その面積は n(d−ρ)2tan⁡θ=A−4nρ+nρ2tan⁡θ.n(d-\rho)^2\tan\theta=A-4n\rho+n\rho^2\tan\theta. 断面は外側に広げた図形からこの内側の図形を除いたものなので、 S(t)=8nρ+(π−ntan⁡θ)ρ2=8n1−t2+(π−ntan⁡πn)(1−t2)(−1≦t≦1).\displaystyle S(t)=8n\rho+(\pi-n\tan\theta)\rho^2 =8n\sqrt{1-t^2}+\left(\pi-n\tan\frac{\pi}{n}\right)(1-t^2) \quad(-1\le t\le1). t=±1t=\pm1 では ρ=0\rho=0 となり、式も断面積0を与える。

(2)(ii) 断面積を高さについて積分する。∫−111−t2 dt\displaystyle \int_{-1}^{1}\sqrt{1-t^2}\,dt は半径1の半円の面積 π2\displaystyle \frac{\pi}{2}、また ∫−11(1−t2) dt=43\displaystyle \int_{-1}^{1}(1-t^2)\,dt=\frac43 だから V(n)=∫−11S(t) dt=8n⋅π2+(π−ntan⁡πn)43=4πn+43(π−ntan⁡πn).\displaystyle V(n)=\int_{-1}^{1}S(t)\,dt=8n\cdot\frac{\pi}{2}+\left(\pi-n\tan\frac{\pi}{n}\right)\frac43 =4\pi n+\frac43\left(\pi-n\tan\frac{\pi}{n}\right).

(3) 正 nn 角形の外接円半径を RR、内接円半径を dd とする。θ=πn\displaystyle \theta=\frac{\pi}{n} とすれば R=2csc⁡θ,d=2cot⁡θ,R2−d2=4.R=2\csc\theta,\qquad d=2\cot\theta,\qquad R^2-d^2=4. 高さ z=tz=t の断面は、中心 GG からの距離が最小 d−ρd-\rho、最大 R+ρR+\rho の範囲を連続に占める。最小値は辺の中点方向に距離 ρ\rho だけ近づいた点で、最大値は頂点から外向きに距離 ρ\rho だけ進んだ点で得られる。(1)により d−ρ>0d-\rho>0 である。この断面を ℓ\ell のまわりに回すと、内半径 d−ρd-\rho、外半径 R+ρR+\rho の円環となる。よって W(n)=π∫−11{(R+ρ)2−(d−ρ)2} dt=π∫−11{R2−d2+2(R+d)1−t2} dt=π(8+π(R+d)).\displaystyle \begin{aligned} W(n)&=\pi\int_{-1}^{1}\{(R+\rho)^2-(d-\rho)^2\}\,dt\\ &=\pi\int_{-1}^{1}\{R^2-d^2+2(R+d)\sqrt{1-t^2}\}\,dt\\ &=\pi\left(8+\pi(R+d)\right). \end{aligned} ここで R+d=2(csc⁡θ+cot⁡θ)=2cot⁡θ2\displaystyle R+d=2(\csc\theta+\cot\theta)=2\cot\frac{\theta}{2} を用いると W(n)=8π+2π2cot⁡π2n.\displaystyle W(n)=8\pi+2\pi^2\cot\frac{\pi}{2n}.

(4) まず V(n)n=4π+4π3n−43tan⁡πn⟶4π.\displaystyle \frac{V(n)}{n}=4\pi+\frac{4\pi}{3n}-\frac43\tan\frac{\pi}{n}\longrightarrow4\pi. また u=π2n\displaystyle u=\frac{\pi}{2n} とおくと、u→0u\to0 で ucot⁡u=cos⁡usin⁡u/u→1\displaystyle u\cot u=\frac{\cos u}{\sin u/u}\to1 だから W(n)n=8πn+2π2ncot⁡π2n=8πn+4πucot⁡u⟶4π.\displaystyle \frac{W(n)}{n}=\frac{8\pi}{n}+\frac{2\pi^2}{n}\cot\frac{\pi}{2n} =\frac{8\pi}{n}+4\pi u\cot u\longrightarrow4\pi. 分母側の極限は 4π≠04\pi\ne0 であるため、比の極限は lim⁡n→∞V(n)W(n)=4π4π=1.\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}\frac{V(n)}{W(n)}=\frac{4\pi}{4\pi}=1. 断面の積分式からそれぞれ V(n)/nV(n)/n、W(n)/nW(n)/n の極限が一致することも直接確かめた。

この問題で使う考え方

  • 三角比と相互関係
  • 三角比による面積
  • 不定積分・定積分の性質
  • 定積分による体積
  • 関数の極限

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