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慶應義塾大学/2025年度/前期

慶應義塾大学 2025年 数学 第I問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2025年度第I問

以下の設問(5)に答え,文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。

(1) 確率変数 ZZ が標準正規分布 N(0,1)N(0,1) に従うとき,0≦Z≦u0\leq Z\leq u となる確率を p(u)p(u) で表す。いくつかの uu の値に対する p(u)p(u) の値を以下の表にまとめた。

u0.671.001.641.802.002.50p(u)0.24860.34130.44950.46410.47720.4938\begin{array}{c|cccccc}u&0.67&1.00&1.64&1.80&2.00&2.50\\\hline p(u)&0.2486&0.3413&0.4495&0.4641&0.4772&0.4938\end{array}

この表を用いて,身長の分布について考察してみよう。

ある年の高校3年生女子の身長は,平均 158158 cm,標準偏差 55 cm の正規分布に従うと仮定する。この年の高校3年生女子の中で,身長が 153153 cm 以上 170.5170.5 cm 以下の生徒は約 あ\boxed{\text{あ}} % いる。この年の高校3年生女子の中で,身長が低い方から 2.52.5 % の中に入る生徒の身長は い\boxed{\text{い}} cm 以下である。ただし,空欄(あ)には小数第1位を四捨五入して,整数値を入れ,空欄(い)には当てはまる最も大きい整数値を入れなさい。

(2) 連続型確率変数 XX のとりうる値の範囲が 1≦X≦e1\leq X\leq e であり,その確率密度関数が f(x)=rxlog⁡x(1≦x≦e)f(x)=rx\log x\quad (1\leq x\leq e) で与えられている。ただし,rr は定数であり,ee は自然対数の底である。このとき,r=うr=\boxed{\text{う}} である。

(3) lim⁡n→∞1n∑k=1nsin⁡3(kπ2n)=え\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}\frac{1}{n}\sum\limits _{k=1}^{n}\sin^3\left(\frac{k\pi}{2n}\right)=\boxed{\text{え}} である。

(4) ii を虚数単位とし,方程式 z3=12(1+3i)z^3=12(1+\sqrt{3}i) の異なる3つの解を α,β,γ\alpha,\beta,\gamma とする。複素数平面上の3点 A(α),B(β),C(γ)A(\alpha), B(\beta), C(\gamma) を頂点とする △ABC\triangle ABC の面積を 3s3^s と表すと,s=おs=\boxed{\text{お}} である。ただし,空欄(お)には分数を入れなさい。

(5) a,b,c,da,b,c,d を整数とし,c≠0c\neq0 または d≠0d\neq0 とする。2\sqrt{2} が無理数であることを用いて,以下の4条件

a≧0,b≧0,a2+bc2+d=22,ad+bc=18\displaystyle a\geq0, \quad b\geq0, \quad \frac{a\sqrt{2}+b}{c\sqrt{2}+d}=2\sqrt{2}, \quad ad+bc=18

を満たす組 (a,b,c,d)(a,b,c,d) をすべて求めなさい。ただし,答えだけでなく思考過程も書きなさい。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

正規分布を標準化し,密度の規格化,リーマン和から定積分への移行,複素数の極形式,√2の無理性による係数比較を順に用いる。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) あ=84, =84,\space{} い=148;=148;\quad (2) う=4e2+1;\displaystyle =\frac{4}{e^2+1};\quad (3) え=43π;\displaystyle =\frac{4}{3\pi};\quad (4) お=136;\displaystyle =\frac{13}{6};\quad (5) (a,b,c,d)=(6,0,0,3),(2,8,2,1).\space{}(a,b,c,d)=(6,0,0,3),(2,8,2,1).

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)  身長をHHとし,標準化した確率変数をZ=(H−158)/5Z=(H-158)/5とする。すると,153≦H≦170.5153\leq H\leq170.5は−1≦Z≦2.5-1\leq Z\leq2.5に対応する。標準正規分布の対称性から,この確率は p(1)+p(2.5)=0.3413+0.4938=0.8351p(1)+p(2.5)=0.3413+0.4938=0.8351 であり,百分率では約83.51%83.51\%である。小数第1位を四捨五入すると,空欄(あ)は8484となる。  低い方から2.5%2.5\%の境界をhhとすると,P(Z≦(h−158)/5)=0.025P(Z\leq(h-158)/5)=0.025である。表より p(1.8)=0.4641<0.475<0.4772=p(2)p(1.8)=0.4641<0.475<0.4772=p(2) なので,−2<(h−158)/5<−1.8-2<(h-158)/5<-1.8,すなわち148<h<149148<h<149である。したがって,境界以下に入る最大の整数身長は空欄(い)の148148である。  (2)  確率密度関数の全区間での積分は11である。部分積分により ∫xlog⁡x dx=x22log⁡x−x24\displaystyle \int x\log x\,dx=\frac{x^2}{2}\log x-\frac{x^2}{4} だから, 1=∫1erxlog⁡x dx=r[x22log⁡x−x24]1e=re2+14.\displaystyle 1=\int_1^e r x\log x\,dx=r\left[\frac{x^2}{2}\log x-\frac{x^2}{4}\right]_1^e=r\frac{e^2+1}{4}. よって,空欄(う)はr=4e2+1\displaystyle r=\frac{4}{e^2+1}である。  (3)  f(x)=sin⁡3(πx/2)f(x)=\sin^3(\pi x/2)は0≦x≦10\le x\le1で連続なので,右端を用いたリーマン和の極限は定積分に等しい。置換t=πx/2t=\pi x/2を用いると lim⁡n→∞1n∑k=1nsin⁡3(kπ2n)=∫01sin⁡3(πx2) dx=2π∫0π/2sin⁡3t dt=2π∫0π/2sin⁡t(1−cos⁡2t) dt=2π(1−13)=43π.\displaystyle \begin{aligned} \lim\limits _{n\to\infty}\frac1n\sum\limits _{k=1}^n\sin^3\left(\frac{k\pi}{2n}\right) &=\int_0^1\sin^3\left(\frac{\pi x}{2}\right)\,dx\\ &=\frac2\pi\int_0^{\pi/2}\sin^3t\,dt\\ &=\frac2\pi\int_0^{\pi/2}\sin t(1-\cos^2t)\,dt =\frac2\pi\left(1-\frac13\right)=\frac4{3\pi}. \end{aligned} したがって,空欄(え)は43π\displaystyle \frac4{3\pi}である。  (4)  12(1+3i)=24(cos⁡(π/3)+isin⁡(π/3))12(1+\sqrt3i)=24(\cos(\pi/3)+i\sin(\pi/3))と表せるので,三乗根は 241/3(cos⁡(π9+2kπ3)+isin⁡(π9+2kπ3))(k=0,1,2)\displaystyle 24^{1/3}\left(\cos\left(\frac\pi9+\frac{2k\pi}3\right)+i\sin\left(\frac\pi9+\frac{2k\pi}3\right)\right)\quad(k=0,1,2) である。複素数平面でこれらは原点からの距離がR=241/3R=24^{1/3}で,偏角の差が2π/32\pi/3の3点である。余弦定理により各辺の長さℓ\ellは ℓ2=R2+R2−2R2cos⁡(2π/3)=3R2\ell^2=R^2+R^2-2R^2\cos(2\pi/3)=3R^2 となるので,三角形は正三角形である。その面積は 34ℓ2=334R2=334 242/3=334 4⋅32/3=313/6.\displaystyle \frac{\sqrt3}{4}\ell^2=\frac{3\sqrt3}{4}R^2=\frac{3\sqrt3}{4}\,24^{2/3} =\frac{3\sqrt3}{4}\,4\cdot3^{2/3}=3^{13/6}. よって,空欄(お)は136\displaystyle \frac{13}{6}である。  (5)  分母が0でないので両辺にc2+dc\sqrt2+dを掛けると a2+b=4c+2d2,(a−2d)2=4c−ba\sqrt2+b=4c+2d\sqrt2,\qquad (a-2d)\sqrt2=4c-b を得る。右辺は有理数であり,2\sqrt2は無理数なので,a−2d=0a-2d=0かつ4c−b=04c-b=0である。したがってa=2d, b=4ca=2d,\ b=4c。これをad+bc=18ad+bc=18に代入すると 2d2+4c2=18,d2+2c2=9.2d^2+4c^2=18,\qquad d^2+2c^2=9. またa,b≧0a,b\geq0からd,c≧0d,c\geq0であり,2c2≦92c^2\leq9よりc=0,1,2c=0,1,2だけを調べればよい。c=0c=0ならd=3d=3,c=1c=1ならd2=7d^2=7となり整数解はなく,c=2c=2ならd=1d=1である。よって候補は (a,b,c,d)=(6,0,0,3), (2,8,2,1).(a,b,c,d)=(6,0,0,3),\ (2,8,2,1). 前者の分母は33,後者の分母は22+12\sqrt2+1でいずれも0でない。また各組は元の比とad+bc=18ad+bc=18を満たす。したがってこの2組がすべてである。

この問題で使う考え方

  • 対偶・背理法による証明
  • 実数と無理数
  • 三角比による面積
  • 三角関数の相互関係
  • 三角・指数・対数関数等の積分
  • 関数の極限
  • 不定積分・定積分の性質
  • 部分積分法

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