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愛媛大学/2021年度/前期

愛媛大学 2021年 数学 第4問解答・解説

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1問題

愛媛大学2021年度第4問

令和3年度 数学。

4(教育学部(「数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数B」受験者),理学部,医学部,工学部工学科理型入試(社会デザインコースを除く))。

以下の問いに答えよ。

(1) 不定積分 ∫x1+x2 dx\displaystyle \int\frac{x}{\sqrt{1+x^2}}\,dx を求めよ。

(2) 定積分 ∫1e(3x2+2x)log⁡x dx\displaystyle \int_1^e(3x^2+2x)\log x\,dx を求めよ。

(3) 2つの曲線 y=cos⁡πx2, y=x2−1\displaystyle y=\cos\frac{\pi x}{2},\ y=x^2-1 で囲まれた部分の面積を求めよ。

(4) ii を虚数単位とし,α=cos⁡π14+isin⁡π14\displaystyle \alpha=\cos\frac{\pi}{14}+i\sin\frac{\pi}{14} とする。k=1,2,3,…,27k=1,2,3,\ldots,27 のうち,(αk)8=1(\alpha^k)^8=1 となる kk をすべて求めよ。

(5) 100未満の正の整数全体の集合を全体集合 UU とし,A={n∣n∈U, nは3で割ると1余る整数},B={n∣n∈U, nは偶数}A=\{n\mid n\in U,\ n\text{は3で割ると1余る整数}\},\qquad B=\{n\mid n\in U,\ n\text{は偶数}\}とする。このとき,集合 A∪B‾A\cup\overline{B} の要素の個数を求めよ。ただし,B‾\overline{B} は UU に関する BB の補集合とする。

(6) 1辺の長さが1の正方形 ABCDABCD がある。頂点 A,B,C,DA,B,C,D を移動する点 PP は,1回の移動で,今いる頂点から他の3つの頂点のいずれかへ移動する。ただし,距離が 2\sqrt{2} 離れた頂点へ移動する確率は 15\displaystyle \frac{1}{5} で,他の2つの頂点へ移動する確率はそれぞれ 25\displaystyle \frac{2}{5} である。点 PP が頂点 AA を出発するとき,3回の移動でちょうど AA に戻る確率を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

6題いずれも独立に解いた。(1)は置換積分、(2)は3x^2+2xがx^3+x^2の導関数であることを利用した部分積分、(3)は交点x=±1での偶関数対称性を用いた定積分による面積計算、(4)はαをe^{iπ/14}と表しド・モアブルの定理と合同条件で(α^k)^8=1となるkを決定、(5)は3で割った余りと偶奇による分類・包除原理(および余事象による検算)、(6)は出発点Aからの位置を「A・隣接2頂点・対角頂点」の3クラスに集約した確率漸化式で3回移動後の復帰確率を求めた。各小問とも代入・別解・数値近似による検算を行った。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) ∫x1+x2 dx=1+x2+C\displaystyle (1)\space{}\int\frac{x}{\sqrt{1+x^2}}\,dx=\sqrt{1+x^2}+C
    (2) ∫1e(3x2+2x)log⁡x dx=23e3+12e2+56\displaystyle (2)\space{}\int_1^e(3x^2+2x)\log x\,dx=\frac{2}{3}e^3+\frac{1}{2}e^2+\frac{5}{6}
    (3) 4π+43\displaystyle (3)\space{}\frac{4}{\pi}+\frac{4}{3}
    (4) k=7,14,21(4)\space{}k=7,14,21
    (5) n(A∪B‾)=66(5)\space{}n(A\cup\overline{B})=66
    (6) 24125\displaystyle (6)\space{}\frac{24}{125}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) u=1+x2u=1+x^2 とおくと du=2x dxdu=2x\,dx であるから ∫x1+x2 dx=∫12u du=u+C=1+x2+C\displaystyle \int\frac{x}{\sqrt{1+x^2}}\,dx=\int\frac{1}{2\sqrt{u}}\,du=\sqrt{u}+C=\sqrt{1+x^2}+C (CCは積分定数)。実際 ddx1+x2=x1+x2\displaystyle \dfrac{d}{dx}\sqrt{1+x^2}=\dfrac{x}{\sqrt{1+x^2}} となり検算できる。

(2) ddx(x3+x2)=3x2+2x\displaystyle \dfrac{d}{dx}(x^3+x^2)=3x^2+2x であるから,部分積分により ∫1e(3x2+2x)log⁡x dx=[(x3+x2)log⁡x]1e−∫1e(x2+x) dx.\displaystyle \int_1^e(3x^2+2x)\log x\,dx=\Bigl[(x^3+x^2)\log x\Bigr]_1^e-\int_1^e(x^2+x)\,dx. 第1項は,log⁡e=1\log e=1,log⁡1=0\log 1=0 より (e3+e2)⋅1−2⋅0=e3+e2(e^3+e^2)\cdot1-2\cdot0=e^3+e^2。 第2項は ∫1e(x2+x) dx=[x33+x22]1e=(e33+e22)−(13+12)=e33+e22−56.\displaystyle \int_1^e(x^2+x)\,dx=\left[\frac{x^3}{3}+\frac{x^2}{2}\right]_1^e=\left(\frac{e^3}{3}+\frac{e^2}{2}\right)-\left(\frac13+\frac12\right)=\frac{e^3}{3}+\frac{e^2}{2}-\frac56. したがって ∫1e(3x2+2x)log⁡x dx=(e3+e2)−(e33+e22−56)=23e3+12e2+56=4e3+3e2+56.\displaystyle \int_1^e(3x^2+2x)\log x\,dx=(e^3+e^2)-\left(\frac{e^3}{3}+\frac{e^2}{2}-\frac56\right)=\frac{2}{3}e^3+\frac12e^2+\frac56=\frac{4e^3+3e^2+5}{6}. 数値検算:この値は約 17.9217.92 であり,被積分関数を粗く数値積分した近似値(約 17.9∼18.017.9\sim18.0)と整合する。

(3) y=cos⁡πx2\displaystyle y=\cos\dfrac{\pi x}{2} と y=x2−1y=x^2-1 の交点を求める。両辺とも偶関数であるから,まず x=1x=1 を調べると,cos⁡π2=0\displaystyle \cos\dfrac{\pi}{2}=0,12−1=01^2-1=0 で一致し,対称性より x=−1x=-1 でも一致する。区間 −1≦x≦1-1\le x\le1 では,例えば x=0x=0 のとき cos⁡0=1>−1=02−1\cos0=1>-1=0^2-1 であるから,この区間で cos⁡πx2≧x2−1\displaystyle \cos\frac{\pi x}{2}\ge x^2-1 が成り立ち,x=±1x=\pm1 でのみ等号となる。したがって囲まれた面積は S=∫−11(cos⁡πx2−x2+1)dx.\displaystyle S=\int_{-1}^{1}\left(\cos\frac{\pi x}{2}-x^2+1\right)dx. 被積分関数は偶関数なので S=2∫01(cos⁡πx2−x2+1)dx=2([2πsin⁡πx2]01+[−x33+x]01)=2(2π+23)=4π+43.\displaystyle S=2\int_0^1\left(\cos\frac{\pi x}{2}-x^2+1\right)dx=2\left(\left[\frac{2}{\pi}\sin\frac{\pi x}{2}\right]_0^1+\left[-\frac{x^3}{3}+x\right]_0^1\right)=2\left(\frac{2}{\pi}+\frac23\right)=\frac{4}{\pi}+\frac43. 数値では S≈1.273+1.333=2.607S\approx1.273+1.333=2.607 となり,粗いSimpson近似(約2.612.61)と一致する。

(4) α=cos⁡π14+isin⁡π14=eiπ/14\displaystyle \alpha=\cos\dfrac{\pi}{14}+i\sin\dfrac{\pi}{14}=e^{i\pi/14} であるからド・モアブルの定理により (αk)8=α8k=cos⁡8kπ14+isin⁡8kπ14=cos⁡4kπ7+isin⁡4kπ7.\displaystyle (\alpha^k)^8=\alpha^{8k}=\cos\frac{8k\pi}{14}+i\sin\frac{8k\pi}{14}=\cos\frac{4k\pi}{7}+i\sin\frac{4k\pi}{7}. これが 11 となるのは 4kπ7\displaystyle \dfrac{4k\pi}{7} が 2π2\pi の整数倍となるとき,すなわちある整数 nn に対して 4k7=2n すなわち 2k=7n\displaystyle \frac{4k}{7}=2n\ \text{すなわち}\ 2k=7n が成り立つときである。77は奇数で gcd⁡(2,7)=1\gcd(2,7)=1 なので,これは 7∣k7\mid k と同値である(このとき n=2k/7n=2k/7 は自動的に整数になる)。k=1,2,…,27k=1,2,\ldots,27 のうち 77の倍数は k=7, 14, 21k=7,\ 14,\ 21 の3個である(次の倍数 2828 は範囲外)。検算:k=7k=7 のとき 8k=56=2⋅288k=56=2\cdot28,k=14k=14 のとき 8k=112=4⋅288k=112=4\cdot28,k=21k=21 のとき 8k=168=6⋅288k=168=6\cdot28 となり,いずれも α8k=(α28)2,4,6=1\alpha^{8k}=(\alpha^{28})^{2,4,6}=1(α28=ei2π=1\alpha^{28}=e^{i2\pi}=1)で確認できる。

(5) U={1,2,…,99}U=\{1,2,\ldots,99\},∣U∣=99|U|=99。 B‾\overline{B}(奇数)の個数は 5050。 A={n∈U∣n≡1(mod3)}A=\{n\in U\mid n\equiv1\pmod3\} は n=1,4,7,…,97n=1,4,7,\ldots,97 で個数は 97−13+1=33\displaystyle \dfrac{97-1}{3}+1=33。 A∩B‾A\cap\overline{B}(33で割ると11余り,かつ奇数)を数える。n=3m+1n=3m+1(m=0,1,…,32m=0,1,\ldots,32)が奇数となるのは 3m3m が偶数,すなわち mm が偶数のときで,m=0,2,4,…,32m=0,2,4,\ldots,32 の 1717個。よって ∣A∩B‾∣=17|A\cap\overline{B}|=17。 包除原理より n(A∪B‾)=n(A)+n(B‾)−n(A∩B‾)=33+50−17=66.n(A\cup\overline{B})=n(A)+n(\overline{B})-n(A\cap\overline{B})=33+50-17=66. 検算(余事象で確認):A∪B‾A\cup\overline{B} の補集合は「偶数かつ 33で割って11余らない数」である。偶数 (4949個) のうち 33で割って11余るもの(n=3m+1n=3m+1 が偶数,mmが奇数,m=1,3,…,31m=1,3,\ldots,31 の 1616個)を除くと 49−16=3349-16=33個。よって n(A∪B‾)=99−33=66n(A\cup\overline{B})=99-33=66 となり一致する。

(6) 正方形 ABCDABCD の頂点を,隣接(距離11)は確率25\displaystyle \dfrac25ずつ,対角(距離2\sqrt2)は確率15\displaystyle \dfrac15で移動する。出発点 AA に対し,各時点の位置を「AA」「隣接頂点(BBまたはDD)」「対角頂点(CC)」の3タイプに分類し,nn回移動後にそれぞれにいる確率を xn, ynx_n,\ y_n(B,DB,Dの確率の合計),znz_n とする。AAから隣接頂点への移動確率は25\displaystyle \frac25(各頂点ごと),対角頂点からの移動では,対角頂点にいる状態から見てAAは対角にあたるので確率15\displaystyle \frac15,隣接頂点にいる状態(例えばBB)から見てAAは隣接にあたるので確率25\displaystyle \frac25。したがって漸化式は xn+1=25yn+15zn,zn+1=15xn+25yn,yn+1=1−xn+1−zn+1.\displaystyle x_{n+1}=\frac25y_n+\frac15z_n,\qquad z_{n+1}=\frac15x_n+\frac25y_n,\qquad y_{n+1}=1-x_{n+1}-z_{n+1}. 初期値 x0=1, y0=0, z0=0x_0=1,\ y_0=0,\ z_0=0 から x1=0,y1=45,z1=15.\displaystyle x_1=0,\quad y_1=\frac45,\quad z_1=\frac15. x2=25⋅45+15⋅15=825+125=925,z2=15⋅0+25⋅45=825,y2=1−925−825=825.\displaystyle x_2=\frac25\cdot\frac45+\frac15\cdot\frac15=\frac{8}{25}+\frac{1}{25}=\frac{9}{25},\qquad z_2=\frac15\cdot0+\frac25\cdot\frac45=\frac{8}{25},\qquad y_2=1-\frac{9}{25}-\frac{8}{25}=\frac{8}{25}. x3=25⋅825+15⋅825=16125+8125=24125.\displaystyle x_3=\frac25\cdot\frac{8}{25}+\frac15\cdot\frac{8}{25}=\frac{16}{125}+\frac{8}{125}=\frac{24}{125}. したがって,3回の移動でちょうど AA に戻る確率は 24125\displaystyle \dfrac{24}{125} である。検算:各頂点ごとの確率(B,DB,Dはそれぞれ y2/2=4/25y_2/2=4/25)を用いて直接計算しても P(A→A(3回後))=P2(B)⋅25+P2(D)⋅25+P2(C)⋅15=425⋅25+425⋅25+825⋅15=8125+8125+8125=24125\displaystyle P(A\to A\text{(3回後)})=P_2(B)\cdot\frac25+P_2(D)\cdot\frac25+P_2(C)\cdot\frac15=\frac{4}{25}\cdot\frac25+\frac{4}{25}\cdot\frac25+\frac{8}{25}\cdot\frac15=\frac{8}{125}+\frac{8}{125}+\frac{8}{125}=\frac{24}{125} となり一致する。

この問題で使う考え方

  • 置換積分法
  • 部分積分法
  • 三角・指数・対数関数等の積分
  • 曲線で囲まれた面積
  • 複素数平面
  • 複素数の極形式
  • ド・モアブルの定理
  • 集合と包含

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