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東京慈恵会医科大学/2012年度

東京慈恵会医科大学 2012年 数学 第1問解答・解説

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1問題

東京慈恵会医科大学2012年度第1問

解答は別紙の解答用紙に記入しなさい。 次の問いに答えよ。問い(1)~(3)については,□にあてはまる適切な数値を解答欄に記入せよ。

(1) xx の2次不等式 6x2−(16a+7)x+(2a+1)(5a+2)<06x^2-(16a+7)x+(2a+1)(5a+2)<0

をみたす整数 xx が10個となるように,正の整数 aa の値を定めると a=(ア)a=\boxed{(\text{ア})} である。

(2) 三角形 ABC において,AB=2\mathrm{AB}=\sqrt{2},BC=2\mathrm{BC}=2,CA=3\mathrm{CA}=\sqrt{3} とし,外心を OO とする。このとき,AO→=sAB→+tAC→\overrightarrow{\mathrm{AO}}=s\overrightarrow{\mathrm{AB}}+t\overrightarrow{\mathrm{AC}} をみたす実数 s,ts,t の値は s=(イ)s=\boxed{(\text{イ})},

t=(ウ)t=\boxed{(\text{ウ})} である。

(3) 袋 A には赤玉2個と白玉1個,袋 B には赤玉1個と白玉2個が入っている。袋 A から玉を2個取り出して袋 B に入れ,よくかき混ぜて,袋 B から玉を2個取り出して袋 A に入れる。このとき,袋 A に入っている白玉の個数を XX とすると,X=0X=0 となる確率は (エ)\boxed{(\text{エ})} であり,X=2X=2 となる確率は (オ)\boxed{(\text{オ})} である。

(4) 関数 f(x)=∣x3∣f(x)=\left|x^3\right| が x=0x=0 で微分可能であるかどうか調べよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

二次式の判別式と根を用いて整数の区間を数え、辺の長さを内積に直して外心の位置ベクトルを決定する。玉の移動は最初の抽出結果で場合分けし、各場合の組合せを数える。最後に微分係数の定義から左右の差商を調べる。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (ア) 15,()\space{}15,\quad (イ) 923,(\displaystyle )\space{}\frac{9}{23},\quad (ウ) 1023,(\displaystyle )\space{}\frac{10}{23},\quad (エ) 115,(\displaystyle )\space{}\frac{1}{15},\quad (オ) 25;\displaystyle )\space{}\frac{2}{5};
    (4) x=0(4)\space{}x=0で微分可能であり f′(0)=0.f'(0)=0.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 左辺を二次式として解の公式を用いる。判別式は (16a+7)2−24(2a+1)(5a+2)=(4a+1)2(16a+7)^2-24(2a+1)(5a+2)=(4a+1)^2 であるから、二つの解は (16a+7)−(4a+1)12=a+12,(16a+7)+(4a+1)12=5a+23\displaystyle \frac{(16a+7)-(4a+1)}{12}=a+\frac12,\qquad \frac{(16a+7)+(4a+1)}{12}=\frac{5a+2}{3} である。したがって不等式を満たす整数は a+12<x<5a+23\displaystyle a+\frac12<x<\frac{5a+2}{3} を満たす整数である。左端より大きい最小の整数は a+1a+1、右端より小さい整数の個数は ⌈5a+23⌉−(a+1)=⌈5a+23⌉−a−1\displaystyle \left\lceil\frac{5a+2}{3}\right\rceil-(a+1)=\left\lceil\frac{5a+2}{3}\right\rceil-a-1 となる。これが10だから a+10<5a+23≦a+11\displaystyle a+10<\frac{5a+2}{3}\le a+11 であり、これを解くと 14<a≦312\displaystyle 14<a\le\frac{31}{2} となる。aa は正の整数なので a=15a=15 である。右端が整数の場合にも不等号が厳密であることを、上の天井関数で反映している。

(2) u⃗=AB→\vec{u}=\overrightarrow{\mathrm{AB}}、v⃗=AC→\vec{v}=\overrightarrow{\mathrm{AC}} とおく。辺の長さより u⃗⋅v⃗=AB2+AC2−BC22=2+3−42=12.\displaystyle \vec{u}\cdot\vec{v}=\frac{\mathrm{AB}^2+\mathrm{AC}^2-\mathrm{BC}^2}{2}=\frac{2+3-4}{2}=\frac12. また AO→=su⃗+tv⃗\overrightarrow{\mathrm{AO}}=s\vec{u}+t\vec{v} とする。外心なので OA=OB=OC\mathrm{OA}=\mathrm{OB}=\mathrm{OC} である。BO→=AO→−u⃗\overrightarrow{\mathrm{BO}}=\overrightarrow{\mathrm{AO}}-\vec{u} より ∣BO→∣2=∣AO→∣2\lvert\overrightarrow{\mathrm{BO}}\rvert^2=\lvert\overrightarrow{\mathrm{AO}}\rvert^2 を展開すると 2AO→⋅u⃗=∣u⃗∣2=22\overrightarrow{\mathrm{AO}}\cdot\vec{u}=\lvert\vec{u}\rvert^2=2 となる。同様に 2AO→⋅v⃗=∣v⃗∣2=32\overrightarrow{\mathrm{AO}}\cdot\vec{v}=\lvert\vec{v}\rvert^2=3 である。これらに su⃗+tv⃗s\vec{u}+t\vec{v} を代入して 2s+12t=1,12s+3t=32.\displaystyle 2s+\frac12t=1,\qquad \frac12s+3t=\frac32. 第一式から t=2−4st=2-4s。第二式に代入すると s+6(2−4s)=3s+6(2-4s)=3、すなわち −23s=−9-23s=-9 だから s=923\displaystyle s=\frac9{23}、t=2−4⋅923=1023\displaystyle t=2-4\cdot\frac9{23}=\frac{10}{23} である。両値を連立式に代入するとそれぞれ左辺は 11、32\displaystyle \frac32 となり、条件を満たすことも確かめられる。

(3) 最初に袋Aから取り出す2個が赤赤となる確率は (22)/(32)=1/3\displaystyle \binom22/\binom32=1/3、赤白となる確率は (21)(11)/(32)=2/3\displaystyle \binom21\binom11/\binom32=2/3 である。

赤赤を移した場合、袋Aには白玉が1個残り、袋Bは赤3個・白2個となる。袋Bから赤1個・白1個を戻す確率は (31)(21)/(52)=6/10=3/5\displaystyle \binom31\binom21/\binom52=6/10=3/5 だから、この場合に X=2X=2 となる確率は 1/3⋅3/5=1/51/3\cdot3/5=1/5 である。

赤白を移した場合、袋Aには白玉が残らず、袋Bは赤2個・白3個となる。この場合に X=0X=0 となるには赤2個を戻せばよいので、その確率は 2/3⋅(22)/(52)=1/15\displaystyle 2/3\cdot\binom22/\binom52=1/15 である。また X=2X=2 となるには白2個を戻せばよく、その確率は 2/3⋅(32)/(52)=1/5\displaystyle 2/3\cdot\binom32/\binom52=1/5 である。したがって P(X=0)=115,P(X=2)=15+15=25.\displaystyle P(X=0)=\frac1{15},\qquad P(X=2)=\frac15+\frac15=\frac25. 検算として、赤赤移動の場合の戻す2個の組合せは赤赤3通り、赤白6通り、白白1通りで計10通り、赤白移動の場合は赤赤1通り、赤白6通り、白白3通りで計10通りであり、各場合の確率分母が (52)=10\displaystyle \binom52=10 と一致する。

(4) f(0)=0f(0)=0 である。h>0h>0 なら ∣h3∣=h3\lvert h^3\rvert=h^3、h<0h<0 なら ∣h3∣=−h3\lvert h^3\rvert=-h^3 だから、差商は f(h)−f(0)h=∣h3∣h={h2(h>0),−h2(h<0).\displaystyle \frac{f(h)-f(0)}{h}=\frac{|h^3|}{h}=\begin{cases}h^2&(h>0),\\-h^2&(h<0).\end{cases} 左右どちらから近づけても極限は0である。よって ff は x=0x=0 で微分可能であり、f′(0)=0f'(0)=0。差商を実際に評価して確かめた結果、左右の微分係数がともに0で一致している。

この問題で使う考え方

  • 二次不等式とグラフ
  • 位置ベクトル
  • ベクトルの内積
  • ベクトルによる図形の考察
  • 組合せ
  • 確率の基本法則
  • 条件付き確率
  • 微分係数と導関数

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