〔4〕A(四面体と重心) (1) ∠AOB=∠BOC=∠COA=90∘ であるから,O を原点とし,OA,OB,OC の方向を互いに直交する座標軸にとって A=(a,0,0),B=(0,b,0),C=(0,0,c)(a,b,c>0) とおける。三角形 ABC の重心は G=(3a,3b,3c) である。 GO=(−3a,−3b,−3c),GA=(32a,−3b,−3c) GB=(−3a,32b,−3c),GC=(−3a,−3b,32c) であるから,∠OGA=90∘すなわちGO⋅GA=0 より −92a2+9b2+9c2=0 すなわち b2+c2=2a2⋯(i) 同様に ∠OGB=90∘すなわちa2+c2=2b2⋯(ii),∠OGC=90∘すなわちa2+b2=2c2⋯(iii) (i)−(ii) より b2−a2=2a2−2b2,すなわち 3b2=3a2 で a,b>0 から a=b。これを(i)に代入すると b2+c2=2b2 より c=b。よって(i)(ii)(iii)がすべて成り立つならば a=b=c が必要である。 逆に a=b=c ならば(i)(ii)(iii)はいずれも 2a2=2a2 となり成立するから,条件は十分でもある。 (検算:a=b=c=k のとき G=(3k,3k,3k),GO⋅GA=−92k2+9k2+9k2=0 となり,対称性から他の2つも同様に0である。) よって,求める条件は a=b=c である。 (2) OA=α, OB=β, OC=γ(互いに直交し ∣α∣=a,∣β∣=b,∣γ∣=c)とおく。D は BC を 1:2 に内分するから OD=32β+31γ 点 P は直線 AD 上の A 以外の点だから,実数 t=0 を用いて OP=α+t(OD−α)=(1−t)α+32tβ+3tγ と表せる(t=0 が P=A に対応するので除く)。三角形 APQ の重心が G であることから OQ=3OG−OA−OP=(α+β+γ)−α−OP=(t−1)α+(1−32t)β+(1−3t)γ α,β,γ は互いに直交するから ∣OQ∣2=(t−1)2a2+(1−32t)2b2+(1−3t)2c2=:f(t) は t の2次関数で,t2 の係数 a2+94b2+9c2=99a2+4b2+c2>0 より下に凸である。f′(t)=0 を解くと,頂点は t∗=9a2+4b2+c23(3a2+2b2+c2) であり,a,b,c>0 より分子・分母がともに正なので t∗>0,特に t∗=0 であるから,この最小値は「P=A」の制約のもとでも実際に達成される。 頂点での最小値を平方完成(または f(t∗)=C−4AB2,A=99a2+4b2+c2, B=−92(9a2+6b2+3c2), C=a2+b2+c2)により計算すると f(t∗)=a2+b2+c2−9a2+4b2+c2(3a2+2b2+c2)2=9a2+4b2+c2(a2+b2+c2)(9a2+4b2+c2)−(3a2+2b2+c2)2 分子を展開すると 9a4+13a2b2+10a2c2+4b4+5b2c2+c4−(9a4+12a2b2+6a2c2+4b4+4b2c2+c4)=a2b2+4a2c2+b2c2 となるから f(t∗)=9a2+4b2+c2a2b2+4a2c2+b2c2 (検算:a=b=c=1 とすると t∗=143⋅6=79 で,OQ=(72,71,74),∣OQ∣2=494+1+16=73。一方 9+4+11+4+1=146=73 となり一致する。) よって,線分 OQ の長さの最小値は 9a2+4b2+c2a2b2+4a2c2+b2c2 である。 〔4〕B(複素数平面上の直線と放物線) (1) z=t+ai(t は実数全体)とすると z2=t2−a2+2ati w=z2=X+Yi(X,Yは実数)とおくと X=t2−a2, Y=2at。0<a<1 より a=0 だから t=2aY とでき,これを X の式へ代入すると X=4a2Y2−a2 すなわち Y2=4a2(X+a2) t が実数全体を動くとき Y=2at も実数全体を動く(各実数 Y に対応する t はただ一つ)ので,この等式を満たす点 (X,Y) は過不足なくすべて実現される。すなわち軌跡は放物線 Y2=4a2(X+a2) の全体である。これは Y2=4a2{X−(−a2)} の形であるから,頂点 (−a2,0),軸は実軸(X軸),焦点までの距離 p=a2 をもつ,X の正方向に開く放物線であり,焦点は (−a2+a2,0)=(0,0)(原点),準線は X=−a2−a2=−2a2 である。 (検算:t=0 のとき z=ai, z2=−a2,すなわち (X,Y)=(−a2,0) は頂点で,方程式に Y=0 を代入した X=−a2 と一致する。t=1 のとき z=1+ai, z2=(1−a2)+2ai,すなわち (X,Y)=(1−a2,2a) を方程式に代入すると Y2=4a2,4a2(X+a2)=4a2(1−a2+a2)=4a2 で一致する。) よって,軌跡は頂点 (−a2,0),焦点が原点 (0,0),準線 X=−2a2 で,実軸を軸として正方向(右)に開く放物線 Y2=4a2(X+a2)である。 (2) 直線 ℓ:y=a(点 (t,a),t は実数)を原点中心に角 θ回転すると,点 (t,a) は (tcosθ−asinθ, tsinθ+acosθ) に移る。ℓ の方程式 0⋅x+1⋅y=a の法線ベクトル (0,1) を角 θ 回転すると (−sinθ,cosθ) になるから,回転後の直線 m の方程式は m: −xsinθ+ycosθ=a である(cosθ=0 の場合も含め,t を消去して直接導ける式と一致する)。 以下,s=sinθ, c=cosθ(c2=1−s2)とし,m と(1)の放物線 y2=4a2(x+a2)(表記の混同を避けるため実部・虚部を改めて x,y とする)との共有点の個数を調べる。 (i) c=0(s=±1)のとき:m は縦線 x=−sa=−as である。放物線に代入すると y2=4a2(−as+a2)=4a3(a−s) 0<a<1 より,s=1 のとき a−s=a−1<0 で実数解なし(0個)。s=−1 のとき a−s=a+1>0 で y=±2aa(a+1)(2個)。 (ii) c=0, s=0(θ=0,π)のとき:m:y=acosθ=±a で,これは ℓ 自身またはその像であり,放物線に代入すると a2=4a2(x+a2) ならば x=41−a2 の1つの x だけが定まる(放物線の軸に平行な横線は放物線とちょうど1点で交わる)。よって1個。 (iii) c=0, s=0(0<∣s∣<1, s=0)のとき:m から y=ca+xs とし,放物線に代入して (a+xs)2=4a2c2(x+a2) ならば s2x2+(2as−4a2c2)x+(a2−4a4c2)=0(∗) s=0 だからこれは真の2次方程式で,判別式は D=(2as−4a2c2)2−4s2(a2−4a4c2) 展開して c2=1−s2 を用いると(B2=4a2s2+16a4c4−16a3sc2,4AC=4a2s2−16a4s2c2 より) D=16a4c4−16a3sc2+16a4s2c2=16a3c2{a(c2+s2)−s}=16a3c2(a−s) a>0, c2>0 だから D の符号は a−s の符号と一致する: s<aならばD>0(異なる2実解),s=aならばD=0(重解),s>aならばD<0(実解なし) (∗)の各実数解 x に対し y=ca+xs が一意に定まるので,共有点の個数は実数解の個数と一致する。 (検算:a=21, s=0.8>a のとき,c2=0.36,B=2⋅0.5⋅0.8−4⋅0.25⋅0.36=0.44,C=0.25−4⋅0.0625⋅0.36=0.16,D=0.442−4⋅0.64⋅0.16=0.1936−0.4096=−0.216<0 となり,公式 D=16a3c2(a−s)=16⋅0.125⋅0.36⋅(−0.3)=−0.216 と一致し,共有点なしという結論も一致する。) (i)(ii)(iii)をまとめると,交点の個数は次のように場合分けされる: ⎩⎨⎧0 個1 個(接する)2 個1 個(a<sinθ≦1)(sinθ=a)(0<sinθ<a または −1≦sinθ<0)(sinθ=0) (sinθ=0 は2次方程式の最高次係数が0になる特異点で,直線 m が放物線の軸に平行になるために解が1個だけ有限にとどまる例外的な場合である。) 〔4〕C(正方形へのボールの落下と確率) (1) f(x)=x(a−x)=ax−x2 とおく。f は x=0,a を根にもつ上に凸な放物線で,最大値は x=2a で f(2a)=4a2 である。0<a≦2 より 4a2≦1 だから,f(x) は0≦x≦1 の範囲でつねに 1 以下であり,y≦1 の制約は当たりの条件に影響しない。よって「当たり」の領域は,0≦x≦1 の各断面で 0≦y≦max(f(x),0) であり,正方形の面積が 1 なので当たる確率はこの面積そのものに等しい: P(a)=∫01max(f(x),0)dx 0<a≦1のとき:0≦x≦aでf(x)≧0,a<x≦1でf(x)<0(a≦1より根x=aが区間内にある)から P(a)=∫0a(ax−x2)dx=[2ax2−3x3]0a=2a3−3a3=6a3 1<a≦2のとき:根 x=a は 1 より大きいから,0≦x≦1 の範囲全体でf(x)≧0(x=1でf(1)=a−1≧0も含む)となり P(a)=∫01(ax−x2)dx=[2ax2−3x3]01=2a−31 (検算:a=1 で両式とも 61 となり連続に接続する。また a=2 で P=1−31=32<1 で確率として妥当である。) よって P(a)=⎩⎨⎧6a32a−31(0<a≦1)(1<a≦2) (2) 1回目 a=21(0<a≦1の枝): P1=6(1/2)3=61/8=481 2回目 a=23(1<a≦2の枝): P2=23/2−31=43−31=129−124=125 2回中ちょうど1回だけ当たる確率は,独立な試行として P1(1−P2)+(1−P1)P2=481⋅127+4847⋅125=5767+576235=576242=288121 (検算:121=112, 288=25⋅32 で公約数がなく既約。数値でも P1≈0.0208, P2≈0.4167 から,ちょうど1回の確率は P2 にごく近い値になるはずで,288121≈0.4201 は妥当な大きさである。) よって,求める確率は 288121 である。 (3) a の値を固定して 3 回落とすときの当たる確率を p=P(a)((1)の式)とする。各回独立で当たりの確率は共通に p である。 「少なくとも1回当たる確率が 2719 以上」は 1−(1−p)3≧2719 すなわち (1−p)3≦278 すなわち 1−p≦32 すなわち p≧31 (0≦1−p≦1 の範囲で x↦x3 は単調増加だから同値変形できる。) 「当たりの数の期待値が 23 以下」は,3回の独立試行での当たり回数の期待値が 3p であるから 3p≦23 すなわち p≦21 以上より,条件は 31≦p≦21 である。 0<a≦1(p=6a3)のとき:31≦6a3≦21すなわち2≦a3≦3すなわち32≦a≦33。32≈1.26>1 であるから,この範囲は 0<a≦1 の範囲とまったく交わらず,解なし。 1<a≦2(p=2a−31)のとき: 31≦2a−31≦21 左側:2a≧32すなわちa≧34。右側:2a≦65すなわちa≦35。よって 34≦a≦35 で,これは 1<a≦2 に完全に含まれる(34>1, 35<2)。 (検算:a=34 のとき p=32−31=31,少なくとも1回の確率は 1−(32)3=1−278=2719 とちょうど一致する。a=35 のとき p=65−31=21,期待値は 3⋅21=23 とちょうど一致する。両端点とも不等号が「以上」「以下」なので範囲に含まれる。) よって,求める a の値の範囲は 34≦a≦35 である。
選択B(1)の放物線の概形。実線の頂点は(−a2,0)、焦点は原点O、破線は準線X=−2a2。