九州大学/2003年度/前期
九州大学 2003年 数学 第3問解答・解説
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1問題
(配点 点)この問題の解答は,解答紙 の定められた場所に記入しなさい。
〔問題〕座標平面上で, 座標と 座標がともに整数である点を格子点と呼ぶ。格子点を頂点とし,辺の長さが である正方形(周は含まない)を単位正方形と呼ぶことにする。 を自然数とし,領域 を考え,その面積を とする。 と を,それぞれ に含まれる格子点の個数および単位正方形の個数とする。
(1) グラフ と交わる単位正方形の個数は であることを示せ。
(2) 不等式 を示せ。また,面積 を求めよ。
(3) 極限値 を求めよ。
まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。
2答え
答えを見る自分の答えと照らし合わせる
- (1) グラフと交わる単位正方形は 個。 (2) 。 (3) 。
数式が横に長い場合は、左右にスクロールして確認できます。
3解答
解答を見る途中式つきの解答
{ 準備}
は自然数だから,関数 は なら となる。単位正方形とは格子点 ( は整数)を左下頂点とする開区間の直積 (周は含まない)であり,以下このように番号付ける。 は , の範囲にある有界な図形である。
{ (1)}
に対し, のグラフの高さが を満たすときの の範囲 を とする( は単調増加なので の中で は のすべての値をとる)。 は の範囲で から まで単調に増加する連続関数だから, は端点だけを共有して の範囲を過不足なく分割する。
【主張】 の内部( の範囲)には整数は存在しない。
実際,整数 が を満たすと仮定すると, が単調増加であることから を得るが, は整数であり,連続する整数 と の間に整数は存在しないので矛盾する。よって主張が成り立つ。
したがって、ある整数 を用いて 内のすべての が を満たし、1つの列に収まる。
が 内にあるとき である。 の内部では となるため,グラフは正方形 の内部を通る。端点でグラフが隣の正方形の境界に触れる場合があっても,単位正方形は周を含まないので別の正方形とは交わらない。
よって各 に対し,ちょうど1個の正方形 とグラフが交わる。 が異なると正方形の縦の番号も異なるため,この 個はすべて相異なる。
グラフは , の範囲にあるので,これら以外の正方形とは交わらない。以上より,グラフ と交わる単位正方形はちょうど 個である。
{ (2)}
まず を定積分で求める。 は の範囲で連続だから よって
次に不等式 を示す。 をみたす各整数 について,列番号 にわたる正方形 は,(1)で述べた対応により次の3通りのいずれかに分類される。
・ sep0pt
・ に完全に含まれる(正方形のすべての点で が成り立つ)
・ グラフと交わる(=(1)の 個の正方形のうちの1つ。この正方形の内部はグラフによって, の内側()の部分と外側()の部分の2つの空でない開領域に分けられる)
・ と共通部分をもたない
(境界 と はいずれも格子線に一致しているため,正方形を「部分的にしか含まない」原因になり得るのはグラフ のみである。)
定義より, に完全に含まれる正方形の個数はちょうど 個であり,グラフと交わる正方形は(1)よりちょうど 個である。
は の面積であるから と表せる。グラフと交わる正方形はどれも,その内部がグラフによって2つの正の面積をもつ開領域に分けられるから,各正方形での の占有面積は より大きく より小さい。これが 個あるから,その総和は より大きく より小さい。よって
{ (3)}
(すなわち は をみたす最大の整数)とおく。
まず を求める。整数 の列には, をみたす整数 がちょうど 個あるから
一方,(2)の の定義から, は を満たす0以上の整数の組 の個数である。()とおくと, を固定したときの の個数は( のとき) 個であるから, を「(すなわち )をみたす最大の整数」として と の関係を見ると, のときは であり,( が 乗数)のときは であるが,この場合 の項は なので,いずれの場合も が成り立つ(余分な項があれば値 だから和を変えない)。
これを上の の式に代入すると
次に (2) の不等式 の各辺を で割ると, であることから のとき だから,はさみうちの原理より
さらに より ここで ,また より ,さらに である。よって
以上より
{ 検算}
のとき は3頂点 の直角二等辺三角形で 。公式 と一致。 のとき直接計算で ,公式 で一致。また ()で を満たす。格子点は で , で の計 で,関係式 : と一致し,検算できた。
この問題で使う考え方
- 単調関数の逆像による計数
- 定積分による面積
- 格子点の列ごとの計数
- はさみうちの原理
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