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鹿児島大学/2002年度/前期

鹿児島大学 2002年 数学 第4問解答・解説

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1問題

鹿児島大学2002年度第4問

次の3問のうちから1問を選択して解答せよ。解答用紙の所定の欄に解答する問題の番号を記入すること。  [4-1] 平面上の3点 O,A,BO,A,B は同一直線上にないとし,ベクトル OA→,OB→,AB→\overrightarrow{OA},\overrightarrow{OB},\overrightarrow{AB} の長さはそれぞれ ∣OA→∣=8, ∣OB→∣=5, ∣AB→∣=7\lvert\overrightarrow{OA}\rvert=8,\ \lvert\overrightarrow{OB}\rvert=5,\ \lvert\overrightarrow{AB}\rvert=7 とする。点 PP は線分 ABAB を 2:12:1 に内分する点とする。また,2点 O,PO,P を通る直線と,線分 ABAB の垂直二等分線との交点を EE とする。このとき,次の各問いに答えよ。

(1) 内積 OA→⋅OB→\overrightarrow{OA}\cdot\overrightarrow{OB} を求めよ。

(2) OE→=sOA→+tOB→\overrightarrow{OE}=s\overrightarrow{OA}+t\overrightarrow{OB} を満たす実数 s,ts,t を求めよ。  [4-2] α,β,γ\alpha,\beta,\gamma はいずれも0でない複素数として,次の各問いに答えよ。ただし,複素数 zz に対して,zˉ\bar z は zz の共役複素数,∣z∣\lvert z\rvert は zz の絶対値を表す。

(1) αβ\displaystyle \frac{\alpha}{\beta} が正の実数ならば,∣α+β∣=∣α∣+∣β∣\lvert\alpha+\beta\rvert=\lvert\alpha\rvert+\lvert\beta\rvert が成り立つことを示せ。

(2) γ+γˉ=2∣γ∣\gamma+\bar\gamma=2\lvert\gamma\rvert が成り立つならば,γ\gamma は正の実数であることを示せ。

(3) ∣α+β∣=∣α∣+∣β∣\lvert\alpha+\beta\rvert=\lvert\alpha\rvert+\lvert\beta\rvert が成り立つならば,αβ\displaystyle \frac{\alpha}{\beta} は正の実数であることを示せ。  [4-3] 1から n (n>3)n\ (n>3) までの数字 1,2,3,…,n1,2,3,\ldots,n を1つずつ書いた nn 枚のカードが入っている箱の中から,同時に2枚のカードを取り出す。この2枚のカードに書いてある数字を X,Y (X>Y)X,Y\ (X>Y) とする。いま,自然数 s,ts,t は 1≦s<t≦n1\leq s<t\leq n を満たしているとして,次の各問いに答えよ。

(1) 次の各確率を求めよ。  (a) X=tX=t かつ Y=sY=s である確率 P(X=t,Y=s)P(X=t,Y=s)。  (b) X=tX=t である確率 P(X=t)P(X=t)。  (c) Y=sY=s である確率 P(Y=s)P(Y=s)。  (d) X=3YX=3Y である確率 P(X=3Y)P(X=3Y)。

(2) X,YX,Y の平均をそれぞれ E(X),E(Y)E(X),E(Y) とするとき,E(X)+E(Y)E(X)+E(Y) を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (4−1)(1)  20(4−1)(2)  s=3968, t=3934(4−2)(1)  \displaystyle (4-1)(1)\;20\quad (4-1)(2)\;s=\frac{39}{68},\space{}t=\frac{39}{34}\qquad (4-2)(1)\;成立する(4−2)(2)  γ\quad (4-2)(2)\;\gamma は正の実数(4−2)(3)  αβ\displaystyle \quad (4-2)(3)\;\frac{\alpha}{\beta} は正の実数(4−3)(1)(a)  2n(n−1)(4−3)(1)(b)  2(t−1)n(n−1)(4−3)(1)(c)  2(n−s)n(n−1)(4−3)(1)(d)  2⌊n/3⌋n(n−1)(4−3)(2)  n+1\displaystyle \qquad (4-3)(1)(a)\;\frac{2}{n(n-1)}\quad (4-3)(1)(b)\;\frac{2(t-1)}{n(n-1)}\quad (4-3)(1)(c)\;\frac{2(n-s)}{n(n-1)}\quad (4-3)(1)(d)\;\frac{2\lfloor n/3\rfloor}{n(n-1)}\qquad (4-3)(2)\;n+1

3解答

解答を見る途中式つきの解答

[4-1]OA→=a, OB→=b とおく。 ∣b−a∣2=∣a∣2+∣b∣2−2a⋅b より, 49=64+25−2a⋅b だから, OA→⋅OB→=20.P は AB を 2:1 に内分するので, OP→=a+2b3. OE→=kOP→ とおく。E は AB の垂直二等分線上にあるから ∣OE→−a∣=∣OE→−b∣ であり,両辺を2乗して整理すると, 2OE→⋅(b−a)=∣b∣2−∣a∣2=25−64=−39.(a+2b)⋅(b−a)=−34 より, −68k3=−39,k=11768. ∴OE→=11768⋅a+2b3=3968OA→+3934OB→, よって s=3968, t=3934.[4-2](1)αβ=r (r>0) とおくと,α=rβ だから, ∣α+β∣=∣(r+1)β∣=(r+1)∣β∣=∣α∣+∣β∣.(2)γ=x+yi (x,y は実数) とおく。条件は 2x=2x2+y2 である。したがって x=x2+y2≧0 であり,両辺を2乗すると y=0 を得る。γ≠0 だから x>0 であり,γ は正の実数である。(3)∣α+β∣=∣α∣+∣β∣ の両辺を2乗すると, αβ‾+α‾β=2∣α∣∣β∣.u=αβ‾ とおけば u+u‾=2∣u∣ である。u≠0 だから(2)より u は正の実数である。したがって, αβ=αβ‾∣β∣2=u∣β∣2 は正の実数である。[4-3](1)2枚の選び方は (n2)=n(n−1)2 通りで,いずれも同様に確からしい。(a)では該当する組は 1通り,(b)では Y=1,2,…,t−1 の t−1通り,(c)では X=s+1,s+2,…,n の n−s通りである。(d)では Y=1,2,…,⌊n/3⌋ の各値に対し X=3Y と定まり,該当する組は ⌊n/3⌋ 通りである。よって, P(X=t,Y=s)=1(n2)=2n(n−1),P(X=t)=t−1(n2)=2(t−1)n(n−1),P(Y=s)=n−s(n2)=2(n−s)n(n−1),P(X=3Y)=⌊n/3⌋(n2)=2⌊n/3⌋n(n−1).(2)全ての組における X+Y の総和では,各数字 k (1≦k≦n) が n−1組に現れる。したがって, E(X)+E(Y)=E(X+Y)=(n−1)(1+2+⋯+n)(n2)=(n−1)⋅n(n+1)/2n(n−1)/2=n+1.\displaystyle \text{[4-1]}\quad \overrightarrow{OA}=\boldsymbol a,\ \overrightarrow{OB}=\boldsymbol b \text{ とおく。}\ |\boldsymbol b-\boldsymbol a|^2=|\boldsymbol a|^2+|\boldsymbol b|^2-2\boldsymbol a\cdot\boldsymbol b \text{ より,}\ 49=64+25-2\boldsymbol a\cdot\boldsymbol b \text{ だから,}\ \overrightarrow{OA}\cdot\overrightarrow{OB}=20.\quad P\text{ は }AB\text{ を }2:1\text{ に内分するので,}\ \overrightarrow{OP}=\frac{\boldsymbol a+2\boldsymbol b}{3}.\ \overrightarrow{OE}=k\overrightarrow{OP}\text{ とおく。}E\text{ は }AB\text{ の垂直二等分線上にあるから }|\overrightarrow{OE}-\boldsymbol a|=|\overrightarrow{OE}-\boldsymbol b|\text{ であり,両辺を2乗して整理すると,}\ 2\overrightarrow{OE}\cdot(\boldsymbol b-\boldsymbol a)=|\boldsymbol b|^2-|\boldsymbol a|^2=25-64=-39.\quad (\boldsymbol a+2\boldsymbol b)\cdot(\boldsymbol b-\boldsymbol a)=-34\text{ より,}\ -\frac{68k}{3}=-39,\quad k=\frac{117}{68}.\ \therefore\quad \overrightarrow{OE}=\frac{117}{68}\cdot\frac{\boldsymbol a+2\boldsymbol b}{3}=\frac{39}{68}\overrightarrow{OA}+\frac{39}{34}\overrightarrow{OB},\text{ よって }s=\frac{39}{68},\ t=\frac{39}{34}.\quad \text{[4-2](1)}\quad \frac{\alpha}{\beta}=r\ (r>0)\text{ とおくと,}\alpha=r\beta\text{ だから,}\ |\alpha+\beta|=|(r+1)\beta|=(r+1)|\beta|=|\alpha|+|\beta|.\quad \text{(2)}\quad \gamma=x+yi\ (x,y\text{ は実数})\text{ とおく。条件は }2x=2\sqrt{x^2+y^2}\text{ である。したがって }x=\sqrt{x^2+y^2}\geq0\text{ であり,両辺を2乗すると }y=0\text{ を得る。}\gamma\ne0\text{ だから }x>0\text{ であり,}\gamma\text{ は正の実数である。}\quad \text{(3)}\quad |\alpha+\beta|=|\alpha|+|\beta|\text{ の両辺を2乗すると,}\ \alpha\overline{\beta}+\overline{\alpha}\beta=2|\alpha||\beta|.\quad u=\alpha\overline{\beta}\text{ とおけば }u+\overline u=2|u|\text{ である。}u\ne0\text{ だから(2)より }u\text{ は正の実数である。したがって,}\ \frac{\alpha}{\beta}=\frac{\alpha\overline{\beta}}{|\beta|^2}=\frac{u}{|\beta|^2}\text{ は正の実数である。}\quad \text{[4-3](1)}\quad 2\text{枚の選び方は }\binom n2=\frac{n(n-1)}2\text{ 通りで,いずれも同様に確からしい。}(a)\text{では該当する組は }1\text{通り,}(b)\text{では }Y=1,2,\ldots,t-1\text{ の }t-1\text{通り,}(c)\text{では }X=s+1,s+2,\ldots,n\text{ の }n-s\text{通りである。}(d)\text{では }Y=1,2,\ldots,\lfloor n/3\rfloor\text{ の各値に対し }X=3Y\text{ と定まり,該当する組は }\lfloor n/3\rfloor\text{ 通りである。よって,}\ \begin{aligned}P(X=t,Y=s)&=\frac{1}{\binom n2}=\frac{2}{n(n-1)},\\ P(X=t)&=\frac{t-1}{\binom n2}=\frac{2(t-1)}{n(n-1)},\\ P(Y=s)&=\frac{n-s}{\binom n2}=\frac{2(n-s)}{n(n-1)},\\ P(X=3Y)&=\frac{\lfloor n/3\rfloor}{\binom n2}=\frac{2\lfloor n/3\rfloor}{n(n-1)}.\end{aligned}\quad \text{(2)}\quad \text{全ての組における }X+Y\text{ の総和では,各数字 }k\ (1\leq k\leq n)\text{ が }n-1\text{組に現れる。したがって,}\ \begin{aligned}E(X)+E(Y)&=E(X+Y)\\&=\frac{(n-1)(1+2+\cdots+n)}{\binom n2}\\&=\frac{(n-1)\cdot n(n+1)/2}{n(n-1)/2}=n+1.\end{aligned}

この問題で使う考え方

  • ベクトルの内積
  • 位置ベクトル
  • ベクトルによる図形の考察
  • 内分・外分点
  • 複素数の四則演算
  • 複素数平面
  • 組合せ
  • 確率の基本法則

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