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鹿児島大学/2002年度/前期

鹿児島大学 2002年 数学 第5問解答・解説

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1問題

鹿児島大学2002年度第5問

次の4問のうちから1問を選択して解答せよ。解答用紙の所定の欄に解答する問題の番号を記入すること。

[5-1] 行列 MM は等式 3(2E−M)=AB−M+A3(2E-M)=AB-M+A を満たしている。ただし,A=(5634),B=(−9207−17),E=(1001)A=\begin{pmatrix}5&6\\3&4\end{pmatrix},\quad B=\begin{pmatrix}-9&20\\7&-17\end{pmatrix},\quad E=\begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix} とする。このとき,次の文中にある空欄に適する行列および数を求め,その結果だけを解答用紙の所定の解答欄に記入せよ。

(1) 行列 MM を求めると M=(ア)M=(\text{ア}) である。

(2) 実数 α,β\alpha,\beta は (M−αE)M=β(M−αE), α≦β(M-\alpha E)M=\beta(M-\alpha E),\ \alpha\leq\beta を満たしている。このとき,α=(イ), β=(ウ)\alpha=(\text{イ}),\ \beta=(\text{ウ}) である。

(3) 実数 uu は M5−αM4=u(M−αE)M^5-\alpha M^4=u(M-\alpha E) を満たしているとすると,u=(エ)u=(\text{エ}) である。ただし,α\alpha は(2)で求めた数である。

[5-2] 次の文中にある空欄に適する数を求め,その結果だけを解答用紙の所定の解答欄に記入せよ。

(1) 点 (1,1)(1,1) と直線 y=−2y=-2 からの距離が等しい点の軌跡は放物線であり,その方程式は y=ax2+bx−13\displaystyle y=ax^2+bx-\frac{1}{3} である。このとき,a=(ア), b=(イ)a=(\text{ア}),\ b=(\text{イ}) である。

(2) 2点 (3,0),(−1,0)(3,0),(-1,0) からの距離の和が12である点の軌跡は楕円であり,その方程式は (x−r)2p+y2q=1\displaystyle \frac{(x-r)^2}{p}+\frac{y^2}{q}=1 である。このとき,p=(ウ), q=(エ), r=(オ)p=(\text{ウ}),\ q=(\text{エ}),\ r=(\text{オ}) である。

[5-3] 関数 f(x)f(x) の区間 [a,b] (a<b)[a,b]\ (a<b) における定積分の近似値として,[a,b][a,b] を nn 等分して得られる次の An,Bn,TnA_n,B_n,T_n を考える。An=∑j=0n−1f(xj)h,Bn=∑j=1nf(xj)h,Tn=∑j=0n−1f(xj)+f(xj+1)2h\displaystyle A_n=\sum\limits _{j=0}^{n-1}f(x_j)h,\quad B_n=\sum\limits _{j=1}^{n}f(x_j)h,\quad T_n=\sum\limits _{j=0}^{n-1}\frac{f(x_j)+f(x_{j+1})}{2}h ただし,h=b−an,xj=a+jh (j=0,1,2,…,n)\displaystyle h=\frac{b-a}{n},\quad x_j=a+jh\ (j=0,1,2,\ldots,n) である。このとき,次の文中にある空欄に適する式または数を求め,その結果だけを解答用紙の所定の解答欄に記入せよ。

(1) TnT_n を An,BnA_n,B_n を用いて表すと Tn=(ア)T_n=(\text{ア}) である。

(2) 関数 f(x)=x2f(x)=x^2 の [0,1][0,1] における定積分の近似値 An,Bn,TnA_n,B_n,T_n を nn を用いて表すと An=(イ), Bn=(ウ), Tn=(エ)A_n=(\text{イ}),\ B_n=(\text{ウ}),\ T_n=(\text{エ}) である。また,近似値 TnT_n による相対誤差が0.01以下になるような分割の数 nn の最小値は(オ)である。ただし,真の値 SS の近似値 ss による相対誤差は ∣s−SS∣\displaystyle \left|\frac{s-S}{S}\right| である。

[5-4] 2つの変量 x,yx,y の値からなる NN 個の資料 (x1,y1),(x2,y2),…,(xN,yN)(x_1,y_1),(x_2,y_2),\ldots,(x_N,y_N) がある。この資料による x,yx,y の平均値をそれぞれ xˉ,yˉ\bar{x},\bar{y} とし,標準偏差をそれぞれ σx,σy\sigma_x,\sigma_y とする。また,σxy,E(x2),E(xy)\sigma_{xy},E(x^2),E(xy) を次で定める。σxy=1N∑k=1N(xk−xˉ)(yk−yˉ),E(x2)=1N∑k=1Nxk2,E(xy)=1N∑k=1Nxkyk\displaystyle \sigma_{xy}=\frac{1}{N}\sum\limits _{k=1}^{N}(x_k-\bar{x})(y_k-\bar{y}),\quad E(x^2)=\frac{1}{N}\sum\limits _{k=1}^{N}x_k^2,\quad E(xy)=\frac{1}{N}\sum\limits _{k=1}^{N}x_ky_k このとき,次の文中にある空欄に適する式を求め,その結果だけを解答用紙の所定の解答欄に記入せよ。

(1) σx\sigma_x を xˉ,E(x2)\bar{x},E(x^2) を用いて表すと σx=(ア)\sigma_x=(\text{ア}) である。

(2) σxy\sigma_{xy} を xˉ,yˉ,E(xy)\bar{x},\bar{y},E(xy) を用いて表すと σxy=(イ)\sigma_{xy}=(\text{イ}) である。

(3) x,yx,y の相関係数 rr を σx,σy,σxy\sigma_x,\sigma_y,\sigma_{xy} を用いて表すと r=(ウ)r=(\text{ウ}) である。ただし,σxσy≠0\sigma_x\sigma_y\ne0 とする。

(4) 1N∑k=1N(yk−txk−1)2\displaystyle \frac{1}{N}\sum\limits _{k=1}^{N}(y_k-tx_k-1)^2 の値を最小にする実数 tt の値を xˉ,E(x2),E(xy)\bar{x},E(x^2),E(xy) を用いて表すと t=(エ)t=(\text{エ}) である。ただし,E(x2)≠0E(x^2)\ne0 とする。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

4つの選択問題に含まれる全小問を、行列の成分計算、座標幾何、総和公式と積分、統計量の定義展開から順に解いた。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 5-1(1) M=(2−2−25),\space{}M=\begin{pmatrix}2&-2\\-2&5\end{pmatrix},\quad 5-1(2) (α,β)=(1,6),\space{}(\alpha,\beta)=(1,6),\quad 5-1(3) u=1296;\space{}u=1296;

    5-2(1) (a,b)=(16,−13),\displaystyle \space{}(a,b)=\left(\frac16,-\frac13\right),\quad 5-2(2) (p,q,r)=(36,32,1);\space{}(p,q,r)=(36,32,1);

    5-3(1) Tn=An+Bn2,\displaystyle \space{}T_n=\frac{A_n+B_n}{2},\quad 5-3(2) An=(n−1)(2n−1)6n2, Bn=(n+1)(2n+1)6n2, Tn=2n2+16n2, n=8;\displaystyle \space{}A_n=\frac{(n-1)(2n-1)}{6n^2},\space{}B_n=\frac{(n+1)(2n+1)}{6n^2},\space{}T_n=\frac{2n^2+1}{6n^2},\space{}n=8;

    5-4(1) σx=E(x2)−xˉ,2,\space{}\sigma_x=\sqrt{E(x^2)-\bar{x}^{,2}},\quad 5-4(2) σxy=E(xy)−xˉyˉ,\space{}\sigma_{xy}=E(xy)-\bar{x}\bar{y},\quad 5-4(3) r=σxyσxσy,\displaystyle \space{}r=\frac{\sigma_{xy}}{\sigma_x\sigma_y},\quad 5-4(4) t=E(xy)−xˉE(x2)\displaystyle \space{}t=\frac{E(xy)-\bar{x}}{E(x^2)}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

[5-1]

(1) 与えられた式を整理すると 6E−3M=AB−M+A,2M=6E−AB−A.6E-3M=AB-M+A,\qquad 2M=6E-AB-A. AB=(−3−21−8),AB+A=(244−4)AB=\begin{pmatrix}-3&-2\\1&-8\end{pmatrix},\qquad AB+A=\begin{pmatrix}2&4\\4&-4\end{pmatrix} だから M=3E−AB+A2=(2−2−25).\displaystyle M=3E-\frac{AB+A}{2}=\begin{pmatrix}2&-2\\-2&5\end{pmatrix}. (2) 直接計算すると M2=(8−14−1429)=7M−6E.M^2=\begin{pmatrix}8&-14\\-14&29\end{pmatrix}=7M-6E. 条件は M2−(α+β)M+αβE=OM^2-(\alpha+\beta)M+\alpha\beta E=O と同値なので {7−(α+β)}M+(αβ−6)E=O.\{7-(\alpha+\beta)\}M+(\alpha\beta-6)E=O. 左辺の非対角成分を比べると α+β=7\alpha+\beta=7、対角成分を比べると αβ=6\alpha\beta=6 である。よって α,β\alpha,\beta は z2−7z+6=0z^2-7z+6=0 の2解であり、α≦β\alpha\leq\beta より α=1, β=6\alpha=1,\ \beta=6。

(3) (2)の結果を用い、M2=7M−6EM^2=7M-6E から M3=43M−42E,M4=259M−258E.M^3=43M-42E,\qquad M^4=259M-258E. したがって M5−M4=M4(M−E)=(259M−258E)(M−E)=1296(M−E).M^5-M^4=M^4(M-E)=(259M-258E)(M-E)=1296(M-E). M−E≠OM-E\ne O だから u=1296u=1296。

[5-2]

(1) 点 (x,y)(x,y) から焦点 (1,1)(1,1) までの距離と直線 y=−2y=-2 までの距離が等しいから (x−1)2+(y−1)2=∣y+2∣.\sqrt{(x-1)^2+(y-1)^2}=|y+2|. 両辺は非負なので2乗してよく、整理すると (x−1)2+(y−1)2=(y+2)2,y=(x−1)26−12=16x2−13x−13.\displaystyle (x-1)^2+(y-1)^2=(y+2)^2,\qquad y=\frac{(x-1)^2}{6}-\frac12 =\frac16x^2-\frac13x-\frac13. よって a=16, b=−13\displaystyle a=\frac16,\ b=-\frac13。

(2) 2焦点の中点は (1,0)(1,0)、焦点間の距離の半分は c=2c=2 である。距離の和が12なので長半径は a=6a=6。楕円では b2=a2−c2b^2=a^2-c^2 より b2=36−4=32b^2=36-4=32。したがって (x−1)236+y232=1,\displaystyle \frac{(x-1)^2}{36}+\frac{y^2}{32}=1, ゆえに p=36, q=32, r=1p=36,\ q=32,\ r=1。

[5-3]

(1) 定義を各項に分けると Tn=h2∑j=0n−1{f(xj)+f(xj+1)}=An+Bn2.\displaystyle T_n=\frac h2\sum\limits _{j=0}^{n-1}\{f(x_j)+f(x_{j+1})\}=\frac{A_n+B_n}{2}. (2) h=1/n, xj=j/nh=1/n,\ x_j=j/n だから、平方の和の公式を用いて An=1n3∑j=0n−1j2=(n−1)(2n−1)6n2,Bn=1n3∑j=1nj2=(n+1)(2n+1)6n2.\displaystyle A_n=\frac1{n^3}\sum\limits _{j=0}^{n-1}j^2=\frac{(n-1)(2n-1)}{6n^2},\qquad B_n=\frac1{n^3}\sum\limits _{j=1}^{n}j^2=\frac{(n+1)(2n+1)}{6n^2}. (1)より Tn=An+Bn2=2n2+16n2=13+16n2.\displaystyle T_n=\frac{A_n+B_n}{2}=\frac{2n^2+1}{6n^2}=\frac13+\frac1{6n^2}. 真の値は S=∫01x2 dx=13\displaystyle S=\int_0^1x^2\,dx=\frac13 なので、相対誤差は ∣Tn−SS∣=12n2.\displaystyle \left|\frac{T_n-S}{S}\right|=\frac1{2n^2}. これが 0.01=1100\displaystyle 0.01=\frac1{100} 以下である条件は n2≧50n^2\geq50。したがって最小の自然数は n=8n=8(n=7n=7 では 1/98>1/1001/98>1/100)。

[5-4]

(1) 定義を展開すると σx2=1N∑k=1N(xk−xˉ)2=E(x2)−xˉ,2.\displaystyle \sigma_x^2=\frac1N\sum\limits _{k=1}^N(x_k-\bar{x})^2=E(x^2)-\bar{x}^{,2}. 標準偏差は非負だから σx=E(x2)−xˉ,2\sigma_x=\sqrt{E(x^2)-\bar{x}^{,2}}。

(2) 定義を展開して平均を用いると σxy=1N∑k=1N(xkyk−xˉyk−yˉxk+xˉyˉ)=E(xy)−xˉyˉ.\displaystyle \sigma_{xy}=\frac1N\sum\limits _{k=1}^N(x_ky_k-\bar{x}y_k-\bar{y}x_k+\bar{x}\bar{y}) =E(xy)-\bar{x}\bar{y}. (3) 相関係数の定義から r=σxyσxσy.\displaystyle r=\frac{\sigma_{xy}}{\sigma_x\sigma_y}. (4) 左辺を F(t)F(t) とすると F(t)=E(y2)+1−2yˉ+E(x2)t2+2{xˉ−E(xy)}t.F(t)=E(y^2)+1-2\bar{y}+E(x^2)t^2+2\{\bar{x}-E(xy)\}t. ここで E(x2)≠0E(x^2)\ne0 かつ E(x2)E(x^2) は平方の平均なので正である。平方完成すると、tt に関係する部分は E(x2)(t−E(xy)−xˉE(x2))2−{E(xy)−xˉ}2E(x2).\displaystyle E(x^2)\left(t-\frac{E(xy)-\bar{x}}{E(x^2)}\right)^2 -\frac{\{E(xy)-\bar{x}\}^2}{E(x^2)}. よって最小となるのは t=E(xy)−xˉE(x2)\displaystyle t=\frac{E(xy)-\bar{x}}{E(x^2)} のときである。

この問題で使う考え方

  • 相関係数
  • 二次関数の最大・最小
  • 分散と標準偏差
  • 定積分
  • 座標による距離
  • 軌跡
  • 総和記号と数列の和
  • 楕円

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