点 P(x,y) が放物線 y=x2 全体を動くとき,P=(x,x2)(x は実数)とパラメータ表示できる。このとき X=ax+bx2,Y=cx+dx2(x は実数) である。以下,この X(x),Y(x) を用いて各小問を考える。
(1) Q が放物線 9X=2Y2 全体の上を動く,すなわち 9X(x)=2Y(x)2(すべての実数 x について)(i) が成り立ち,かつ x が 実数全体を動くとき (X(x),Y(x)) が曲線 9X=2Y2 全体を尽くす,という2条件を満たす a,b,c,d を求める。
曲線 9X=2Y2 は X=92Y2 と表され,Y を −∞ から ∞ まで動かせば曲線全体を尽くす(Y の値ごとに X が一意に定まる)。したがって,Q が曲線全体を尽くすためには,実数 x に対し Y(x)=cx+dx2 が 実数全体の値をとる必要がある。
Y(x)=dx2+cx は,d=0 ならば上に有界(d<0)または下に有界(d>0)な二次関数となり,実数全体を値域にできない。また d=0,c=0 なら Y≡0 で値域は {0} のみ。よって d=0,c=0 が必要であり,このとき Y=cx は異なる実数 x に対して異なる値をとり、x が実数全体を動くと Y も実数全体を動く。
このもとで (i) は 9(ax+bx2)=2(cx)2=2c2x2(すべての実数 x について) となる。両辺を x の多項式として係数比較すると x の係数: 9a=0よりa=0,x2 の係数: 9b=2c2よりb=92c2. 逆に a=0,d=0,b=92c2(c=0)とすると,X=92c2x2,Y=cx であり,任意の実数 Y0 に対して x=Y0/c ととれば X=92c2⋅c2Y02=92Y02 となり,9X=2Y2 を満たしながら曲線全体をちょうど1回ずつ尽くす。ゆえに条件を満たす。
以上より A=0c92c20(c は 0 でない任意の実数)
(2) 条件は「P が y=x2 全体を動くとき,常に X(x)2+(Y(x)−1)2=1」,すなわち (ax+bx2)2+(cx+dx2−1)2=1(すべての実数 x について).(ii)
円 X2+(Y−1)2=1 は有界な図形(中心 (0,1),半径1の円)である。もし a,b,c,d のうち b=0 または d=0 があれば,X(x) または Y(x) は x の二次式で最高次係数が非零となり,x→∞ で ∣X(x)∣→∞ または ∣Y(x)∣→∞ となる。これは Q=(X,Y) が半径1の円上(したがって有界)に留まることに矛盾する。よって b=0,d=0 が必要である。
このとき X=ax, Y=cx で,もし a=0 または c=0 ならば,やはり x→∞ のとき X または Y が非有界となり矛盾。よって a=0,c=0 も必要である。したがって a=b=c=d=0 が必要条件である。
逆に a=b=c=d=0 のとき,任意の x に対し X=0,Y=0 で,X2+(Y−1)2=0+(−1)2=1 となり (ii) を満たす(Q は常に定点 (0,0) にあり,この点は円 X2+(Y−1)2=1 上にある)。
以上より,条件を満たすのは A=(0000) のみである(別解として係数比較:X2+(Y−1)2 を x の多項式として展開すると x4 の係数が b2+d2 となり,これが 0 であるためには実数の性質から b=d=0。続いて x2 の係数 a2+c2−2d=a2+c2=0 より a=c=0。x1 の係数 −2c=0 と整合。同じ結論を得る)。
(3) Q がある直線 L 全体の上を動く条件を考える。X(x)=ax+bx2,Y(x)=cx+dx2 である。
まず,(X(x),Y(x)) が(一部にせよ)1本の直線上に載るための条件を調べる。(α,β)=(0,0) を用いて αX(x)+βY(x)=γ(定数)が全ての x で成り立つとすると,X,Y には定数項がないので γ=0 であり, α(ax+bx2)+β(cx+dx2)=0(すべての x について) から αa+βc=0,αb+βd=0. これは (α,β)=(0,0) に解をもつので,ベクトル (a,c) と (b,d) は 1次従属である。
次に,直線「全体」を尽くすかどうかを調べる。
(i) (b,d)=(0,0) の場合:従属性より (a,c)=k(b,d) となる実数 k が存在し, X=b(x2+kx),Y=d(x2+kx). t=x2+kx=(x+2k)2−4k2 は x が実数のとき t≧−4k2 の範囲しかとらない(下に有界な二次関数)。よって (X,Y)=t(b,d) は,直線の一部(半直線)しか尽くさず,直線全体には届かない。ゆえにこの場合は条件を満たさない。
(ii) (b,d)=(0,0) の場合:X=ax,Y=cx で t=x は x が実数全体を動くとき 実数全体を動く。(a,c)=(0,0) であれば,(X,Y)=x(a,c) は原点を通り方向ベクトル (a,c) をもつ直線全体を(x が 実数全体を動くのに応じて)ちょうど尽くす。(a,c)=(0,0) なら Q は原点に固定される1点のみで直線にならない。
以上から,Q がある直線 L 全体の上を動くための条件は b=0,d=0,(a,c)=(0,0) (a,c の少なくとも一方が 0 でない)である。
この条件のもとでは X=ax,Y=cx であるから,cX−aY=c(ax)−a(cx)=0 が全ての x で成り立ち,逆に cX−aY=0 は原点を通り方向ベクトル (a,c) の直線((a,c)=(0,0) ゆえ確定する1本の直線)を表す。したがって直線 L の方程式は L: cX−aY=0 である(a=0 のときは Y=acX,a=0(このとき c=0)のときは X=0 と同値)。