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熊本大学/2017年度/前期

熊本大学 2017年 数学 第2問解答・解説

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1問題

熊本大学2017年度第2問

s>0, t>0s>0,\ t>0 とする。複素数平面上の α=−i, β=2−2i, γ=s+ti\alpha=-i,\ \beta=2-2i,\ \gamma=s+ti を表す点をそれぞれ A,B,CA,B,C とする。さらに,点 DD を直線 ACAC に関して点 BB と反対側にとり,△ACD\triangle ACD が正三角形になるようにする。点 DD を表す複素数を zz とするとき,以下の問いに答えよ。

(問1) zz を s,ts,t を用いて表せ。

(問2) α,β,γ\alpha,\beta,\gamma が等式 4(β−α)2+(γ−α)2−2(β−α)(γ−α)=04(\beta-\alpha)^{2}+(\gamma-\alpha)^{2}-2(\beta-\alpha)(\gamma-\alpha)=0 を満たすとき,γ\gamma と zz をそれぞれ求めよ。

(問3) (問2)で求めた γ\gamma と zz に対して,直線 ACAC と直線 BDBD の交点を FF とし,∠DFC=θ\angle DFC=\theta とする。このとき,cos⁡θ\cos\theta の値を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

問1は複素数の60度回転と座標成分の積の差の符号で正三角形の頂点を選ぶ。問2は複素数式を平方完成し、t>0で候補を選ぶ。問3は座標ベクトルで交点を確かめ、内積公式を用いる。テーマ別ラベル:複素数平面上の回転と正三角形;複素数の二次条件の変形と枝の選択;直線の交点とベクトルの内積による角度

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (問1)z=s−3(t+1)2+3s+t−12i,(問2)γ=(2+3)+(23−2)i,z=(3−2)+23i,(問3)cos⁡θ=127.\displaystyle \begin{aligned} \text{(問1)}\quad z&=\frac{s-\sqrt3(t+1)}2+\frac{\sqrt3s+t-1}2i,\\ \text{(問2)}\quad \gamma&=(2+\sqrt3)+(2\sqrt3-2)i,\qquad z=(\sqrt3-2)+2\sqrt3 i,\\ \text{(問3)}\quad \cos\theta&=\frac1{2\sqrt7}. \end{aligned}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(問1)α=−i,γ−α=s+(t+1)i=:u.\text{(問1)}\quad \alpha=-i,\quad \gamma-\alpha=s+(t+1)i=:u. AB→=(2,−1),AC→=(s,t+1).\overrightarrow{AB}=(2,-1),\qquad \overrightarrow{AC}=(s,t+1). 座標ベクトル (x1,y1),(x2,y2)(x_1,y_1),(x_2,y_2) の積差 x1y2−y1x2x_1y_2-y_1x_2 は,二ベクトルが作る平行四辺形の符号付き面積であり,正負が向きを表す。したがって det⁡(AC→,AB→)=s(−1)−(t+1)2=−s−2(t+1)<0.\det(\overrightarrow{AC},\overrightarrow{AB})=s(-1)-(t+1)2=-s-2(t+1)<0. 点 BB は有向直線 ACAC の負側にある。一方, 1+i32=cos⁡π3+isin⁡π3\displaystyle \frac{1+i\sqrt3}{2}=\cos\frac{\pi}{3}+i\sin\frac{\pi}{3} はベクトル AC→\overrightarrow{AC} を反時計回りに 60∘60^\circ 回転させるので, det⁡((x,y),(x−3y2,3x+y2))=32(x2+y2)>0(x=s, y=t+1).\displaystyle \det\left((x,y),\left(\frac{x-\sqrt3y}{2},\frac{\sqrt3x+y}{2}\right)\right) =\frac{\sqrt3}{2}(x^2+y^2)>0\qquad(x=s,\ y=t+1). よって,条件を満たす頂点 DD は z=α+1+i32(γ−α)=−i+1+i32{s+(t+1)i}=s−3(t+1)2+3s+t−12i.\displaystyle z=\alpha+\frac{1+i\sqrt3}{2}(\gamma-\alpha) =-i+\frac{1+i\sqrt3}{2}\{s+(t+1)i\} =\frac{s-\sqrt3(t+1)}2+\frac{\sqrt3s+t-1}{2}i.

(問2)v=β−α=2−i,w=γ−α=s+(t+1)i\text{(問2)}\quad v=\beta-\alpha=2-i,\qquad w=\gamma-\alpha=s+(t+1)i とおく。与式は 4v2+w2−2vw=0すなわち(w−v)2+3v2=0すなわちw=v(1±i3)4v^2+w^2-2vw=0 \quad\text{すなわち}\quad (w-v)^2+3v^2=0 \quad\text{すなわち}\quad w=v(1\pm i\sqrt3) と変形できる。各場合を計算すると w=(2+3)+(23−1)iまたはw=(2−3)−(23+1)i.w=(2+\sqrt3)+(2\sqrt3-1)i \quad\text{または}\quad w=(2-\sqrt3)-(2\sqrt3+1)i. しかし Im⁡w=t+1>1\operatorname{Im}w=t+1>1 だから,後者は不適。前者から s=2+3,t=23−2,s=2+\sqrt3,\qquad t=2\sqrt3-2, したがって γ=s+ti=(2+3)+(23−2)i.\gamma=s+ti=(2+\sqrt3)+(2\sqrt3-2)i. 問1の式に代入して z=−i+1+i32(2−i)(1+i3)=(3−2)+23i.\displaystyle z=-i+\frac{1+i\sqrt3}{2}(2-i)(1+i\sqrt3) =(\sqrt3-2)+2\sqrt3 i.

(問3)A=(0,−1),B=(2,−2),C=(2+3,23−2),D=(3−2,23)\text{(問3)}\quad A=(0,-1),\quad B=(2,-2),\quad C=(2+\sqrt3,2\sqrt3-2),\quad D=(\sqrt3-2,2\sqrt3) と座標表示する。また u=AC→=(2+3,23−1),p=BD→=(3−4,23+2)u=\overrightarrow{AC}=(2+\sqrt3,2\sqrt3-1),\qquad p=\overrightarrow{BD}=(\sqrt3-4,2\sqrt3+2) とおく。二方向の積差を成分で計算すると det⁡(u,p)=(2+3)(23+2)−(23−1)(3−4)=153≠0.\det(u,p)=(2+\sqrt3)(2\sqrt3+2)-(2\sqrt3-1)(\sqrt3-4)=15\sqrt3\ne0. よって u,pu,p は平行でなく,直線 ACAC と BDBD はただ一つの点で交わる。F=A+13u=B+13p\displaystyle F=A+\frac13u=B+\frac13p の両辺の座標はともに (2+33,23−43)\displaystyle \bigl(\frac{2+\sqrt3}{3},\frac{2\sqrt3-4}{3}\bigr) だから,これが交点 FF である。したがって FC→=23u,FD→=23p.\displaystyle \overrightarrow{FC}=\frac23u,\qquad \overrightarrow{FD}=\frac23p. さらに u⋅p=5,∣u∣2=20,∣p∣2=35.u\cdot p=5,\qquad |u|^2=20,\qquad |p|^2=35. よって内積による角度の公式から cos⁡θ=FD→⋅FC→∣FD→∣ ∣FC→∣=u⋅p∣u∣ ∣p∣=520⋅35=127.\displaystyle \cos\theta=\frac{\overrightarrow{FD}\cdot\overrightarrow{FC}} {|\overrightarrow{FD}|\,|\overrightarrow{FC}|} =\frac{u\cdot p}{|u|\,|p|} =\frac5{\sqrt{20\cdot35}}=\frac1{2\sqrt7}.

この問題で使う考え方

  • 複素数の四則演算
  • 一般角と弧度法
  • 三角形の性質
  • 複素数平面
  • 複素数の極形式
  • ベクトルの和・差・実数倍
  • 位置ベクトル
  • ベクトルの成分表示

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