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鳥取大学/2010年度/前期

鳥取大学 2010年 数学 第IV問解答・解説

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1問題

鳥取大学2010年度第IV問

aa,kk は定数であり,0<k<10<k<1 とする。次の問いに答えよ。

(1) 方程式 x=a+ksin⁡xx=a+k\sin x はただ一つの実数解をもつことを示せ。

(2) 不等式 ∣sin⁡θ∣≦∣θ∣|\sin\theta|\leq|\theta| がすべての実数 θ\theta に対して成立することを示せ。

(3) 不等式 ∣sin⁡α−sin⁡β∣≦∣α−β∣|\sin\alpha-\sin\beta|\leq|\alpha-\beta| がすべての実数 α,β\alpha,\beta に対して成立することを示せ。

(4) 数列 {xn}\{x_n\} を,x0=0x_0=0,xn=a+ksin⁡xn−1x_n=a+k\sin x_{n-1}(n=1,2,…n=1,2,\ldots)によって定める。数列 {xn}\{x_n\} は(1)の方程式 x=a+ksin⁡xx=a+k\sin x の解に収束することを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 方程式 x=a+ksinxx=a+k sin x はただ一つの実数解をもつ。(2) すべての実数 θ について |sin θ|≦|θ|。(3) すべての実数 α,β について |sin α−sin β|≦|α−β|。(4) 数列 {x_n} は (1) の唯一の解 x_* に収束する。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)  f(x)=x−a−ksin⁡xf(x)=x-a-k\sin x とおく。ff は実数全体で連続であり、−1≦sin⁡x≦1-1\le\sin x\le1 より f(a−k)=−k{1+sin⁡(a−k)}≦0,f(a+k)=k{1−sin⁡(a+k)}≧0.f(a-k)=-k\{1+\sin(a-k)\}\le0,\qquad f(a+k)=k\{1-\sin(a+k)\}\ge0. したがって中間値の定理により、a−k≦x≦a+ka-k\leq x\leq a+k の範囲に f(x)=0f(x)=0 を満たす実数 xx が少なくとも一つある。また、cos⁡x≦1\cos x\le1 と 0<k<10<k<1 から f′(x)=1−kcos⁡x≧1−k>0.f'(x)=1-k\cos x\ge1-k>0. よって ff は単調増加であり、零点は高々一つである。以上より、方程式はただ一つの実数解をもつ。

(2)  t=∣θ∣t=|\theta| とおく。0≦t≦π/20\le t\le\pi/2 のとき、単位円の中心角 tt の扇形の面積はラジアン表示により t/2t/2、その扇形内にある二つの半径と弦でできる三角形の面積は (sin⁡t)/2(\sin t)/2 である。したがって sin⁡t≦t\sin t\le t であり、∣sin⁡θ∣=sin⁡t≦t=∣θ∣|\sin\theta|=\sin t\le t=|\theta| を得る。t≧π/2t\ge\pi/2 のときは ∣sin⁡θ∣≦1≦t|\sin\theta|\le1\le t だから、やはり ∣sin⁡θ∣≦∣θ∣|\sin\theta|\le|\theta| である。

(3)  加法定理から sin⁡α−sin⁡β=2cos⁡α+β2sin⁡α−β2.\displaystyle \sin\alpha-\sin\beta=2\cos\frac{\alpha+\beta}{2}\sin\frac{\alpha-\beta}{2}. ゆえに、(2) と ∣cos⁡u∣≦1|\cos u|\le1 を用いると ∣sin⁡α−sin⁡β∣≦2∣sin⁡α−β2∣≦2∣α−β2∣=∣α−β∣.\displaystyle |\sin\alpha-\sin\beta|\le2\left|\sin\frac{\alpha-\beta}{2}\right|\le2\left|\frac{\alpha-\beta}{2}\right|=|\alpha-\beta|.

(4)  (1) の唯一の解を x∗x_* とする。漸化式と x∗=a+ksin⁡x∗x_*=a+k\sin x_*、(3) より、n≧1n\ge1 に対して ∣xn−x∗∣=k∣sin⁡xn−1−sin⁡x∗∣≦k∣xn−1−x∗∣.|x_n-x_*|=k|\sin x_{n-1}-\sin x_*|\le k|x_{n-1}-x_*|. これを繰り返すと、n≧0n\ge0 について ∣xn−x∗∣≦kn∣x0−x∗∣=kn∣x∗∣.|x_n-x_*|\le k^n|x_0-x_*|=k^n|x_*|. ここで 0<k<10<k<1 なので kn→0k^n\to0。したがって ∣xn−x∗∣→0|x_n-x_*|\to0、すなわち数列 {xn}\{x_n\} は (1) の方程式の解 x∗x_* に収束する。

この問題で使う考え方

  • 三角比と相互関係
  • 三角比による面積
  • 三角関数の相互関係
  • 関数の連続性
  • 三角関数の微分
  • 数列の極限
  • 漸化式

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