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東京慈恵会医科大学/2009年度

東京慈恵会医科大学 2009年 数学 第3問解答・解説

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1問題

東京慈恵会医科大学2009年度第3問

関数 f(x)f(x) は実数全体で定義されている。f(x)f(x) が次の条件①および②をみたすとき、f(x)f(x) を求めたい。

条件①:すべての実数 x,yx,y について、f(x+y)=f(x)⋅f(y)f(x+y)=f(x)\cdot f(y) が成り立つ。

条件②:微分可能な関数である。すなわち、すべての実数 aa について微分係数 f′(a)f'(a) が定まる。

以下の設問 (A)(A) および (B)(B) の (1)、(2)、(3)、(4) に答えよ。(A)(A) で述べられた結果は (B)(B) で用いてよい。

(A)(A) 関数 f(x)f(x) が条件①をみたすとき、次の命題 (A.1),(A.2)(A.1),(A.2) が成り立つことを証明せよ。必要ならば 0=a+(−a)0=a+(-a) であることを用いよ。

(A.1)(A.1) ある実数 aa について f(a)=0f(a)=0 ならば、すべての実数 xx について f(x)=0f(x)=0 である。

(A.2)(A.2) すべての実数 aa について f(a)≠0f(a)\neq0 ならば、f(0)=1f(0)=1 である。

(B)(B) 関数 f(x)f(x) が条件①および②をみたし、かつ 00 を値にとらないとする。

(1) すべての実数 xx について f(x)>0f(x)>0 であることを、背理法によって証明せよ。必要ならば「微分可能な関数は連続である」ことを用いよ。

(2) x=ax=a における微分係数 f′(a)f'(a) の定義の式を記せ。

(3) すべての実数 xx について f′(x)=f(x)⋅f′(0)f'(x)=f(x)\cdot f'(0) であることを示せ。

(4) f′(0)=kf'(0)=k とする。不定積分 ∫f′(x)f(x) dx\displaystyle \int\frac{f'(x)}{f(x)}\,dx を考えることにより f(x)f(x) を求め、kk を用いて表せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

関数方程式から0での値を確定し、連続性を使った背理法で正値性を示した。微分係数の定義を条件①へ適用して微分方程式の形を得て、問題の指示どおりf′\prime/fを積分して関数を決定した。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (A.1)f(a)=0⟹f(x)=0 (∀x);\quad f(a)=0\Longrightarrow f(x)=0\space{}(\forall x);\qquad (A.2)f(0)=1;\quad f(0)=1;\qquad (B)(1)f(x)>0 (∀x);\quad f(x)>0\space{}(\forall x);\qquad (B)(2)f′(a)=lim⁡h→0f(a+h)−f(a)h;\displaystyle \quad f\prime(a)=\lim\limits _{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h};\qquad (B)(3)f′(x)=f(x)f′(0);\quad f\prime(x)=f(x)f\prime(0);\qquad (B)(4)f(x)=ekx\quad f(x)=e^{kx}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(A.1) 条件①より、任意の実数 xx に対して f(x)=f(a+(x−a))=f(a)f(x−a)=0f(x)=f(a+(x-a))=f(a)f(x-a)=0 となる。よって、すべての実数 xx で f(x)=0f(x)=0 である。

(A.2) 条件①で x=y=0x=y=0 とすると f(0)=f(0)2f(0)=f(0)^2 である。仮定より f(0)≠0f(0)\ne0 なので、両辺を f(0)f(0) で割って f(0)=1f(0)=1 を得る。

(B)(1) (A.2)より f(0)=1f(0)=1 である。背理法で、ある実数 aa について f(a)≦0f(a)\le0 と仮定する。条件から f(a)≠0f(a)\ne0 なので f(a)<0f(a)<0 である。微分可能な関数は連続であるから、ff は0と aa の間で連続である。f(0)=1>0f(0)=1>0、f(a)<0f(a)<0 より中間値の定理によって、0と aa の間に f(c)=0f(c)=0 となる実数 cc が存在する。これは ff が0を値にとらないという条件に反する。したがって、すべての実数 xx について f(x)>0f(x)>0 である。

(B)(2) x=ax=a における微分係数の定義は f′(a)=lim⁡h→0f(a+h)−f(a)h\displaystyle f\prime(a)=\lim\limits _{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h} である。

(B)(3) 条件①と f(0)=1f(0)=1 より、任意の実数 x,hx,h について f(x+h)=f(x)f(h)f(x+h)=f(x)f(h) である。したがって f′(x)=lim⁡h→0f(x+h)−f(x)h=f(x)lim⁡h→0f(h)−1h=f(x)f′(0),\displaystyle \begin{aligned} f\prime(x)&=\lim\limits _{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}\\ &=f(x)\lim\limits _{h\to0}\frac{f(h)-1}{h}=f(x)f\prime(0), \end{aligned} となる。最後の極限は、(B)(2)の定義を a=0a=0 に適用したものである。

(B)(4) (B)(3)と f′(0)=kf\prime(0)=k、および f(x)>0f(x)>0 から f′(x)f(x)=k.\displaystyle \frac{f\prime(x)}{f(x)}=k. 両辺を積分すると、ddxln⁡f(x)=f′(x)f(x)\displaystyle \frac{d}{dx}\ln f(x)=\frac{f\prime(x)}{f(x)} だから ln⁡f(x)=kx+C\ln f(x)=kx+C となる。f(0)=1f(0)=1 を代入すると C=0C=0 であり、f(x)=ekxf(x)=e^{kx} を得る。この形は f(x+y)=ek(x+y)=ekxekyf(x+y)=e^{k(x+y)}=e^{kx}e^{ky}、f(0)=1f(0)=1、f′(0)=kf\prime(0)=k を満たすので、条件とも整合する。

この問題で使う考え方

  • 対偶・背理法による証明
  • 微分係数と導関数
  • 対数関数のグラフ・増減
  • 指数関数のグラフ・増減
  • 指数・対数関数の微分
  • 三角・指数・対数関数等の積分

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