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順天堂大学/2017年度/前期

順天堂大学 2017年 数学 第III問解答・解説

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1問題

順天堂大学2017年度第III問

関数 f(x)f(x) について,区間 II における次の性質 (A) を考える。

性質 (A) 区間 II に含まれる任意の 2 点 a,ba,b に対して, f(a+b2)≧f(a)+f(b)2\displaystyle f\left(\frac{a+b}{2}\right)\geq\frac{f(a)+f(b)}{2} が成り立つ。

(1) 関数 f(x)=−x2f(x)=-x^{2} は区間 −∞<x<∞-\infty<x<\infty において性質 (A) を持つことを示せ。

(2) 関数 f(x)f(x) が区間 II において性質 (A) を持つとき,区間 II に含まれる nn 個の任意の数 a1,a2,⋯ ,ana_{1},a_{2},\cdots,a_{n} に対して f(a1+a2+⋯+ann)≧f(a1)+f(a2)+⋯+f(an)n(B)\displaystyle \left.f\left(\frac{a_{1}+a_{2}+\cdots+a_{n}}{n}\right)\geq\frac{f(a_{1})+f(a_{2})+\cdots+f(a_{n})}{n}\right.\tag{B} が成り立つことが知られている。このことを n=2kn=2^{k}(kk は自然数)の場合について証明せよ。

(3) 連続関数 f(x)f(x) が区間 [0,1][0,1] において性質 (A) を持つとき, ∫01f(x) dx≦f(12)\displaystyle \int_{0}^{1}f(x)\,dx\leq f\left(\frac{1}{2}\right) が成り立つことを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) f(a+b2)−f(a)+f(b)2=(a−b)24≧0.\displaystyle (1)\space{}f\left(\frac{a+b}{2}\right)-\frac{f(a)+f(b)}2=\frac{(a-b)^2}{4}\ge0.
    (2) n=2k(2)\space{}n=2^k は群分けと性質(A)による帰納法で成立.
    (3) ∫01f(x) dx≦f(12).\displaystyle (3)\space{}\int_0^1 f(x)\,dx\le f\left(\frac12\right).

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 任意の実数 a,ba,b に対して f(a+b2)−f(a)+f(b)2=−(a+b2)2+a2+b22=(a−b)24≧0.\displaystyle f\left(\frac{a+b}{2}\right)-\frac{f(a)+f(b)}2 =-\left(\frac{a+b}{2}\right)^2+\frac{a^2+b^2}{2} =\frac{(a-b)^2}{4}\ge0. よって f(x)=−x2f(x)=-x^2 は全実数の区間で性質(A)を持つ。

(2) n=2kn=2^k に対して数学的帰納法で示す。n=1n=1 では(B)は等号であり、n=2n=2 では(B)は性質(A)そのものである。ある n=2kn=2^k で(B)が成り立つと仮定し、区間I内の 2n2n 個の数を二組に分け、それぞれの平均を x=a1+⋯+ann,y=an+1+⋯+a2nn\displaystyle x=\frac{a_1+\cdots+a_n}{n},\qquad y=\frac{a_{n+1}+\cdots+a_{2n}}{n} とおく。Iは区間なので x,yx,y はともに II に含まれる。仮定より f(x)≧1n∑j=1nf(aj),f(y)≧1n∑j=n+12nf(aj).\displaystyle f(x)\ge\frac1n\sum\limits _{j=1}^{n}f(a_j),\qquad f(y)\ge\frac1n\sum\limits _{j=n+1}^{2n}f(a_j). 性質(A)を x,yx,y に適用すると f(x+y2)≧f(x)+f(y)2≧12n∑j=12nf(aj).\displaystyle f\left(\frac{x+y}{2}\right) \ge\frac{f(x)+f(y)}2 \ge\frac1{2n}\sum\limits _{j=1}^{2n}f(a_j). ここで (x+y)/2=(a1+⋯+a2n)/(2n)(x+y)/2=(a_1+\cdots+a_{2n})/(2n) だから、これは個数 2n=2k+12n=2^{k+1} の場合の(B)である。よってすべての n=2kn=2^k で(B)が成立する。

(3) 0≦x≦10\le x\le1 を満たす任意の xx に対して、性質(A)を a=x,b=1−xa=x,b=1-x に適用すると f(12)≧f(x)+f(1−x)2.\displaystyle f\left(\frac12\right)\ge\frac{f(x)+f(1-x)}2. 両辺を 0≦x≦10\le x\le1 の範囲で積分し、右辺の第2項で置換 u=1−xu=1-x を行う。連続性により積分でき、 f(12)≧12(∫01f(x) dx+∫01f(1−x) dx)=∫01f(x) dx.\displaystyle f\left(\frac12\right) \ge\frac12\left(\int_0^1f(x)\,dx+\int_0^1f(1-x)\,dx\right) =\int_0^1f(x)\,dx. したがって示すべき不等式が成り立つ。

この問題で使う考え方

  • 等式・不等式の証明
  • 数学的帰納法
  • 不定積分・定積分の性質
  • 置換積分法

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