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慶應義塾大学/2011年度

慶應義塾大学 2011年 数学 第IV問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2011年度第IV問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。また、設問(3)に答えなさい。

関数 y=1x\displaystyle y=\frac{1}{x} および y=kx\displaystyle y=\frac{k}{x}(ただし k>1k>1)のグラフの x>0x>0 に対する部分をそれぞれ曲線 C1,C2C_1,C_2 とする。曲線 C2C_2 上の点 P(a,ka)\displaystyle P\left(a,\frac{k}{a}\right) を通って負の傾き mm をもつ直線 ll が曲線 C1C_1 と交わる2点のうち、xx 座標の小さいほうを A(x1,y1)A(x_1,y_1)、xx 座標の大きいほうを B(x2,y2)B(x_2,y_2) とする。また直線 ll と曲線 C1C_1 で囲まれる領域の面積を SS とする。

(1) AB=(あ)AB=\sqrt{\boxed{\text{(あ)}}} である。また m<0m<0 を固定し、aa を正の実数全体にわたって動かすとき、a=(い)a=\boxed{\text{(い)}} において ABAB は最小値をとる。

(2) a>0a>0 を固定するとき、AP=PBAP=PB が成り立つような mm の値は (う)\boxed{\text{(う)}} である。

(3) a>0a>0 を固定し、mm を負の実数全体にわたって動かすとき、x1,x2,Sx_1,x_2,S を mm の関数と考えてそれぞれ x1(m),x2(m),S(m)x_1(m),x_2(m),S(m) と書く。S(m)S(m) の導関数 ddmS(m)\displaystyle \frac{d}{dm}S(m) を x1(m),x2(m)x_1(m),x_2(m) を用いた式で表しなさい。また S(m)S(m) は m=(う)m=\boxed{\text{(う)}} において最小値をとることを示しなさい。

(4) m=(う)m=\boxed{\text{(う)}} に対する S(m)S(m) の値を S0S_0 とすると S0=(え)S_0=\boxed{\text{(え)}} である。したがって S0S_0 は aa の値にはよらず、kk だけで定まる。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

交点を二次方程式の根で表し、弦長と中点条件を根と係数の関係で整理する。面積を曲線と直線の差の積分とし、端点で差が0になることを使って微分する。最小時に変数変換して面積を評価する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (あ) (1+m2)[(a+kam)2+4(k−1)−m]\displaystyle (1+m^2)\left[\left(a+\frac{k}{am}\right)^2+\frac{4(k-1)}{-m}\right]。
    (い) −km\displaystyle \sqrt{-\frac{k}{m}}。
    (う) −ka2\displaystyle -\frac{k}{a^2}。
    (3) dSdm=x2−x12(x1+x2−2a)=(x2−x1)(a2m+k)−2am.\displaystyle \frac{dS}{dm}=\frac{x_2-x_1}{2}(x_1+x_2-2a) =\frac{(x_2-x_1)(a^2m+k)}{-2am}.
    min⁡ at m=−ka2\displaystyle \min\text{ at }m=-\frac{k}{a^2}
    (え) 2k(k−1)−2ln⁡(k+k−1)2\sqrt{k(k-1)}-2\ln\left(\sqrt{k}+\sqrt{k-1}\right)。

4解答

解答を見る途中式つきの解答

a>0a>0、k>1k>1、m<0m<0 とし、q=ka−ma\displaystyle q=\dfrac{k}{a}-ma とおくと、直線 ll は y=mx+qy=mx+q である。曲線 C1C_1 との交点の xx 座標は mx2+qx−1=0mx^2+qx-1=0 の2根である。s=−m>0s=-m>0 とすれば q=k/a+saq=k/a+sa だから、判別式は q2−4s≧4(k−1)s>0q^2-4s\ge4(k-1)s>0。また根の和と積はともに正であり、2根は正である。

(1) 根と係数の関係から x1+x2=−qm,x1x2=−1m,(x2−x1)2=q2+4mm2.\displaystyle x_1+x_2=-\frac qm,\qquad x_1x_2=-\frac1m, \qquad (x_2-x_1)^2=\frac{q^2+4m}{m^2}. さらに yi=1/xiy_i=1/x_i より (y2−y1)2=(x2−x1)2(x1x2)2=m2(x2−x1)2.\displaystyle (y_2-y_1)^2=\frac{(x_2-x_1)^2}{(x_1x_2)^2}=m^2(x_2-x_1)^2. したがって AB2=(1+m2)(x2−x1)2=(1+m2)[(a+kam)2+4(k−1)−m].\displaystyle AB^2=(1+m^2)(x_2-x_1)^2 =(1+m^2)\left[\left(a+\frac{k}{am}\right)^2+\frac{4(k-1)}{-m}\right]. m<0m<0 かつ k>1k>1 だから第2項は正であり、平方項が 00 のとき最小となる。条件 a+kam=0\displaystyle a+\dfrac{k}{am}=0 は a2=−k/ma^2=-k/m と同値なので、ABAB は a=−k/ma=\sqrt{-k/m} で最小となる。

(2) PP は直線 ABAB 上にあるため、AP=PBAP=PB であることは PP の xx 座標が ABAB の中点の xx 座標と等しいことと同値である。根の和を用いて a=x1+x22=12(a−kam)と同値な条件はm=−ka2.\displaystyle a=\frac{x_1+x_2}{2}=\frac12\left(a-\frac{k}{am}\right) \quad\text{と同値な条件は}\quad m=-\frac{k}{a^2}.

(3) x1<x2x_1<x_2 の間では mx+q−1/x>0mx+q-1/x>0 なので S(m)=∫x1x2(mx+q−1x)dx=[m2x2+qx−ln⁡x]x1x2.\displaystyle S(m)=\int_{x_1}^{x_2}\left(mx+q-\frac1x\right)dx =\left[\frac m2x^2+qx-\ln x\right]_{x_1}^{x_2}. 各端点では mxi+q−1/xi=0mx_i+q-1/x_i=0 である。上式を mm で微分すると、端点を微分した項はこの等式によって消え、q′=−aq'=-a から dSdm=x22−x122−a(x2−x1)=x2−x12(x1+x2−2a).\displaystyle \frac{dS}{dm}=\frac{x_2^2-x_1^2}{2}-a(x_2-x_1) =\frac{x_2-x_1}{2}(x_1+x_2-2a). 根の和 x1+x2=a−kam\displaystyle x_1+x_2=a-\dfrac{k}{am} を代入すると dSdm=(x2−x1)(a2m+k)−2am.\displaystyle \frac{dS}{dm}=\frac{(x_2-x_1)(a^2m+k)}{-2am}. x2−x1>0x_2-x_1>0 かつ −2am>0-2am>0 だから、この導関数の符号は a2m+ka^2m+k の符号と同じである。したがって m<−k/a2m<-k/a^2 では減少し、m>−k/a2m>-k/a^2 では増加する。ゆえに S(m)S(m) は m=−k/a2m=-k/a^2 で最小となる。(2)より、この値は(う)と同じである。

(4) m=−k/a2m=-k/a^2 とおくと、直線は y=ka(2−x/a)\displaystyle y=\dfrac{k}{a}(2-x/a) である。u=x/au=x/a、δ=1−1/k\delta=\sqrt{1-1/k} とおけば、交点の uu 座標は 1−δ1-\delta と 1+δ1+\delta である。よって変数変換 x=aux=au により S0=∫1−δ1+δ(k(2−u)−1u)du=2kδ−ln⁡1+δ1−δ.\displaystyle S_0=\int_{1-\delta}^{1+\delta}\left(k(2-u)-\frac1u\right)du =2k\delta-\ln\frac{1+\delta}{1-\delta}. ここで δ=(k−1)/k\delta=\sqrt{(k-1)/k} だから 1+δ1−δ=(k+k−1)2,\displaystyle \frac{1+\delta}{1-\delta}=(\sqrt{k}+\sqrt{k-1})^2, したがって S0=2k(k−1)−2ln⁡(k+k−1).S_0=2\sqrt{k(k-1)}-2\ln(\sqrt{k}+\sqrt{k-1}). これは aa によらず、kk だけで定まる。

この問題で使う考え方

  • 二次方程式とグラフ
  • 二次方程式の判別式
  • 解と係数の関係
  • 直線の方程式
  • 座標による距離
  • 内分・外分点
  • 等式・不等式の証明
  • 曲線で囲まれた面積

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