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慶應義塾大学/2011年度

慶應義塾大学 2011年 数学 第II問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2011年度第II問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。また、設問(6)に答えなさい。

nnを3以上の自然数、rrを2以上の自然数とする。袋の中に1から nn までの番号が1つずつ書かれた nn 個の玉が入っている。ここで次の操作を rr 回繰り返し行う。

操作:袋の中から玉1個を等確率で取り出し、その番号を記録した上で袋に戻す。

集合 U={1,2,⋯ ,n}U=\{1,2,\cdots,n\} を全体集合とし、UU の部分集合 A={x∣xは r 回の操作のいずれかで記録された番号}A=\{x\mid x\text{は }r\text{ 回の操作のいずれかで記録された番号}\} を考える。

(1) A∩{1,2}≠ϕA\cap\{1,2\}\ne\phi となる確率は (あ)\boxed{\text{(あ)}} である。

(2) A⊂{1,2}A\subset\{1,2\} または A⊂{1,3}A\subset\{1,3\} となる確率は (い)\boxed{\text{(い)}} である。

(3) 集合 AA の要素の個数が2となる確率は (う)\boxed{\text{(う)}} である。

(4) A‾⊂{1,2,⋯ ,n−2}\overline{A}\subset\{1,2,\cdots,n-2\} となる確率は (え)\boxed{\text{(え)}} である。ここで A‾\overline{A} は UU を全体集合としたときの AA の補集合を表す。

(5) k=1,2,⋯ ,nk=1,2,\cdots,n に対して、集合 AA の要素の最大値が kk となる確率を pkp_k とすると、pk=(お)p_k=\boxed{\text{(お)}} である。

(6) 集合 B={2x∣x∈A}B=\{2^x\mid x\in A\} を考える。r=2r=2 のとき、集合 BB の要素の最大値の期待値 EE を求めなさい。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

r回の記録を同様に確からしい順序列として数え、余事象・包含排除と最大値の累積確率を用いて各確率を求める。最後に最大値の確率分布から期待値を計算する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (あ) 1−(n−2n)r,(\displaystyle )\space{}1-\left(\frac{n-2}{n}\right)^r,\quad (い) 2r+1−1nr,(\displaystyle )\space{}\frac{2^{r+1}-1}{n^r},\quad (う) (n2)2r−2nr,(\displaystyle )\space{}\binom{n}{2}\frac{2^r-2}{n^r},\quad (え) 1−2(n−1n)r+(n−2n)r,(\displaystyle )\space{}1-2\left(\frac{n-1}{n}\right)^r+\left(\frac{n-2}{n}\right)^r,\quad (お) kr−(k−1)rnr,\displaystyle )\space{}\frac{k^r-(k-1)^r}{n^r},
    (6) E=(2n−3)2n+1+6n2\displaystyle (6)\space{}E=\frac{(2n-3)2^{n+1}+6}{n^2}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

rr 回の結果を順に並べたものを考えると、全事象は nrn^r 通りで、各結果は同様に確からしい。

(1) A∩{1,2}=∅A\cap\{1,2\}=\varnothing となるのは、どの回にも 1,21,2 が出ないときである。余事象を考えて P(A∩{1,2}≠∅)=1−(n−2n)r.\displaystyle P(A\cap\{1,2\}\ne\varnothing)=1-\left(\frac{n-2}{n}\right)^r.

(2) A⊂{1,2}A\subset\{1,2\} となる事象と A⊂{1,3}A\subset\{1,3\} となる事象の共通部分では、各回に記録される番号はどちらにも属する必要がある。したがって全ての回で 11 が出る事象である。よって加法定理から P(A⊂{1,2} または A⊂{1,3})=(2n)r+(2n)r−(1n)r=2r+1−1nr.\displaystyle P(A\subset\{1,2\}\ \text{または}\ A\subset\{1,3\}) =\left(\frac2n\right)^r+\left(\frac2n\right)^r-\left(\frac1n\right)^r =\frac{2^{r+1}-1}{n^r}.

(3) 要素がちょうど2個である AA を定めるには、まずその2個の番号を (n2)\displaystyle \binom n2 通りに選ぶ。選んだ2個だけが出る rr 回の並びは 2r2^r 通りで、そのうち一方だけが全ての回に出る2通りを除けば、2個とも少なくとも一度出る。したがって P(∣A∣=2)=(n2)2r−2nr.\displaystyle P(|A|=2)=\binom n2\frac{2^r-2}{n^r}.

(4) A‾⊂{1,2,…,n−2}\overline A\subset\{1,2,\ldots,n-2\} であることは、n−1n-1 と nn の両方が AA に含まれることと同値である。余事象を用いると P(n−1,n∈A)=1−2(n−1n)r+(n−2n)r.\displaystyle P(n-1,n\in A) =1-2\left(\frac{n-1}{n}\right)^r+\left(\frac{n-2}{n}\right)^r.

(5) AA の最大値が kk であるのは、全ての記録が kk 以下であり、かつ少なくとも一度 kk が出るときである。よって pk=(kn)r−(k−1n)r=kr−(k−1)rnr(1≦k≦n).\displaystyle p_k=\left(\frac{k}{n}\right)^r-\left(\frac{k-1}{n}\right)^r =\frac{k^r-(k-1)^r}{n^r}\qquad (1\le k\le n).

(6) 2x2^x は xx とともに増加するので、BB の最大値は 2max⁡A\displaystyle 2^{\max A} である。r=2r=2 のとき、(5)より P(max⁡A=k)=(2k−1)/n2\displaystyle P(\max A=k)=(2k-1)/n^2 だから E=1n2∑k=1n(2k−1)2k.\displaystyle E=\frac1{n^2}\sum\limits _{k=1}^n(2k-1)2^k. ここで Sn=∑k=1n(2k−1)2k\displaystyle S_n=\sum\limits _{k=1}^n(2k-1)2^k とおく。S1=2=(−1)22+6S_1=2=(-1)2^2+6 である。また、n≧2n\ge2 とし、Sn−1=(2n−5)2n+6S_{n-1}=(2n-5)2^n+6 を仮定すると、 Sn=Sn−1+(2n−1)2n=((2n−5)+(2n−1))2n+6=(2n−3)2n+1+6.S_n=S_{n-1}+(2n-1)2^n =\bigl((2n-5)+(2n-1)\bigr)2^n+6 =(2n-3)2^{n+1}+6. よって帰納法により Sn=(2n−3)2n+1+6S_n=(2n-3)2^{n+1}+6 であり、 E=(2n−3)2n+1+6n2.\displaystyle E=\frac{(2n-3)2^{n+1}+6}{n^2}.

この問題で使う考え方

  • 積の法則
  • 組合せ
  • 確率の基本法則
  • 余事象
  • 独立な試行
  • 期待値
  • 総和記号と数列の和
  • 数学的帰納法

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