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奈良県立医科大学/2018年度/前期

奈良県立医科大学 2018年 数学 第2問解答・解説

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1問題

奈良県立医科大学2018年度第2問

以下の文章の空欄に適切な数、式または数学記号を入れて文章を完成させよ。0から9までの番号が書かれた10マスからなるすごろくがある。ゴールは0番のマスとする。サイコロを1回振るごとにコマがマスを移動するが、xx番のマスにいるときにサイコロの出た目の数がyyならば、∣x−y∣|x-y|番のマスに移動する。ただし、このサイコロは1から6までのどの目も同じ確率で出るものとする。

(1) 6番のマスからスタートし、nn回目にサイコロを振って初めてゴールに到達する確率をPnP_nとする。正整数nnに対して

Pn=アP_n=\boxed{\text{ア}}

である。

(2) 9番のマスからスタートし、nn回目にサイコロを振って初めてゴールに到達する確率をQnQ_nとする。このとき、Q2=イQ_2=\boxed{\text{イ}}、Q3=ウQ_3=\boxed{\text{ウ}}で、

Qn=エ(n=4,5,…)Q_n=\boxed{\text{エ}}\qquad(n=4,5,\ldots)

となる。さらに

lim⁡n→∞∑k=1nkQk=オ\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}\sum\limits _{k=1}^{n}kQ_k=\boxed{\text{オ}}

である。ただし、∣r∣<1|r|<1に対してlim⁡n→∞nrn=0\displaystyle\lim\limits _{n\to\infty}nr^n=0を使ってよい。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

各回の出目列を数え、ゴール前の状態で直ちにゴールする確率が1/6であることを用いて、最初の数項と幾何的な尾を求める。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)Pn=16(56)n−1.\displaystyle \quad P_n=\frac{1}{6}\left(\frac{5}{6}\right)^{n-1}.\qquad (2)Q2=19,Q3=31216,Qn=1611296(56)n−4 (n=4,5,…),lim⁡n→∞∑k=1nkQk=26536.\displaystyle \quad Q_2=\frac{1}{9},\quad Q_3=\frac{31}{216},\quad Q_n=\frac{161}{1296}\left(\frac{5}{6}\right)^{n-4}\space{}(n=4,5,\ldots),\qquad \lim\limits _{n\to\infty}\sum\limits _{k=1}^{n}kQ_k=\frac{265}{36}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 6番から始めると、1回目に出た目が6のときにゴールし、そうでなければコマは1番から5番のいずれかに移る。現在の位置が1番から6番までのいずれかなら、次にゴールする目は現在の位置と同じ目ただ一つである。また、ゴールしなかったときの位置も1番から5番までである。したがって各回にゴールしない確率は5/65/6、次の回にゴールする確率は1/61/6であるから、 Pn=(56)n−116=16(56)n−1.\displaystyle P_n=\left(\frac{5}{6}\right)^{n-1}\frac{1}{6}=\frac{1}{6}\left(\frac{5}{6}\right)^{n-1}.

(2) 9番から1回振った後の位置は、出目が1,2,3,4,5,6の順に8,7,6,5,4,3番であり、1回目にゴールすることはない。2回目に初めてゴールするには、1回目に3番から6番のいずれかへ移り、2回目にその位置と同じ目を出せばよい。該当する出目の組は4通りなので、 Q2=462=19.\displaystyle Q_2=\frac{4}{6^2}=\frac{1}{9}.

2回目までゴールしていない出目の組を数える。1回目に8番へ移った場合、2回目の出目が1なら位置7番、2から6なら位置6番から2番となる。1回目に7番へ移った場合は、2回目の位置は1番から6番のいずれかである。1回目に3番から6番へ移った場合、2回目にゴールする出目が各場合に1通りずつあり、それ以外の5通りでは1番から5番にいる。よって2回目を終えて生き残る32通りのうち、31通りは1番から6番に、残る1通りは7番にいる。3回目に初めてゴールするのは前者の31通りからそれぞれ1通りずつなので、 Q3=3163=31216.\displaystyle Q_3=\frac{31}{6^3}=\frac{31}{216}.

3回目を終えてもゴールしていない出目列は、1番から6番にいる31通りからは各5通り、7番にいる1通りからは6通り生じる。したがってその総数は31⋅5+6=16131\cdot5+6=161通りである。これらはすべて1番から6番にいる。以後は、各回に現在の位置と同じ目が出る確率1/61/6でゴールし、残る確率5/65/6でゴールせず1番から5番に移る。したがって、n≧4n\ge4に対して Qn=16164(56)n−4=1611296(56)n−4.\displaystyle Q_n=\frac{161}{6^4}\left(\frac{5}{6}\right)^{n-4}=\frac{161}{1296}\left(\frac{5}{6}\right)^{n-4}.

最後にr=5/6r=5/6、m=n−4m=n-4とおくと、 ∑k=1nkQk=2Q2+3Q3+1611296∑j=0m(j+4)rj.\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{n}kQ_k=2Q_2+3Q_3+\frac{161}{1296}\sum\limits _{j=0}^{m}(j+4)r^j. 有限等比和とその各項に番号を掛けた和は ∑j=0mrj=1−rm+11−r,∑j=0mjrj=r−(m+1)rm+1+mrm+2(1−r)2.\displaystyle \sum\limits _{j=0}^{m}r^j=\frac{1-r^{m+1}}{1-r},\qquad \sum\limits _{j=0}^{m}jr^j=\frac{r-(m+1)r^{m+1}+mr^{m+2}}{(1-r)^2}. 問題文で許されているmrm→0mr^m\to0を用いると、∑j=0mrj→6\displaystyle \sum\limits _{j=0}^{m}r^j\to6、∑j=0mjrj→30\displaystyle \sum\limits _{j=0}^{m}jr^j\to30である。よって lim⁡n→∞∑k=1nkQk=2⋅19+3⋅31216+1611296(30+4⋅6)=4772+16124=26536.\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}\sum\limits _{k=1}^{n}kQ_k=2\cdot\frac{1}{9}+3\cdot\frac{31}{216}+\frac{161}{1296}(30+4\cdot6) =\frac{47}{72}+\frac{161}{24}=\frac{265}{36}.

この問題で使う考え方

  • 積の法則
  • 確率の基本法則
  • 独立な試行
  • 条件付き確率
  • 期待値
  • 総和記号と数列の和
  • 数列の極限
  • 無限等比級数

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