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鹿児島大学/2021年度/前期

鹿児島大学 2021年 数学 第3問解答・解説

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1問題

鹿児島大学2021年度第3問

次の 3–1,3–2,3–33\text{--}1,3\text{--}2,3\text{--}3 から1題を選択して解答せよ。解答用紙の所定の欄に,解答する問題の番号を記入すること。

3--1  次の条件によって定められる数列 {an}\{a_{n}\} がある。a1=2,(n+1)an+1=(n+3)an+2(n=1,2,3,…).a_{1}=2,\qquad (n+1)a_{n+1}=(n+3)a_{n}+2\quad(n=1,2,3,\ldots).

(1) bn=an(n+2)(n+1)\displaystyle b_{n}=\dfrac{a_{n}}{(n+2)(n+1)} とするとき,bn+1−bnb_{n+1}-b_{n} を nn を用いて表せ。

(2) 次の等式が kk についての恒等式となるように,定数 pp の値を定めよ。1(k+3)(k+2)(k+1)=1p{1(k+2)(k+1)−1(k+3)(k+2)}.\displaystyle \frac{1}{(k+3)(k+2)(k+1)}=\frac{1}{p}\left\{\frac{1}{(k+2)(k+1)}-\frac{1}{(k+3)(k+2)}\right\}.

(3) 数列 {an}\{a_{n}\} の一般項を求めよ。

3--2  平面上の三角形 ABCABC は ∠BAC=60∘\angle BAC=60^{\circ} の三角形で,AB=5,AC=8AB=5, AC=8 とする。∠BAC\angle BAC の二等分線と辺 BCBC の交点を DD とし,∠ABC\angle ABC の二等分線と辺 ACAC の交点を EE とする。

(1) 辺 BCBC の長さを求めよ。

(2) AD→,BE→\overrightarrow{AD},\overrightarrow{BE} を AB→\overrightarrow{AB} と AC→\overrightarrow{AC} を用いて表せ。

(3) 線分 ADAD と線分 BEBE の交点を II とするとき,AI→\overrightarrow{AI} を AB→\overrightarrow{AB} と AC→\overrightarrow{AC} を用いて表せ。

3--3  1,2,3,4,5,6の数字が1つずつ記入された6枚のカードを袋の中に入れる。この袋の中から2枚のカードを同時に抜き出し,それらのカードの数の大きい方を XX,小さい方を YY とする。

(1) 確率変数 XX の期待値 E(X)E(X) を求めよ。

(2) 確率変数 XX と YY は互いに独立であるか,独立でないか,答えよ。

(3) 確率変数 XYXY の期待値 E(XY)E(XY) を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

3--1 は漸化式から階差を作り有限和を望遠和にする。3--2 は余弦定理・角の二等分線定理・位置ベクトルを用い、線分上の表示を係数比較する。3--3 は等確率の二枚組を数えて期待値と独立性を調べる。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 3-1(1)bn+1−bn=2(n+1)(n+2)(n+3);3\displaystyle 1(1)\quad b_{n+1}-b_n=\frac{2}{(n+1)(n+2)(n+3)};\quad 3-1(2)p=2;31(2)\quad p=2;\quad 3-1(3)an=n(n+3)2;\displaystyle 1(3)\quad a_n=\frac{n(n+3)}2;
    3-2(1)BC=7;32(1)\quad BC=7;\quad 3-2(2)AD→=813AB→+513AC→,BE→=−AB→+512AC→;\displaystyle 2(2)\quad \overrightarrow{AD}=\frac8{13}\overrightarrow{AB}+\frac5{13}\overrightarrow{AC},\quad \overrightarrow{BE}=-\overrightarrow{AB}+\frac5{12}\overrightarrow{AC};
    3-2(3)AI→=25AB→+14AC→;\displaystyle 2(3)\quad \overrightarrow{AI}=\frac25\overrightarrow{AB}+\frac14\overrightarrow{AC};
    3-3(1)E(X)=143;3\displaystyle 3(1)\quad E(X)=\frac{14}{3};\quad 3-3(2)X,Y3(2)\quad X,Y は独立でない;3;\quad 3-3(3)E(XY)=353.\displaystyle 3(3)\quad E(XY)=\frac{35}{3}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

3--1(数列)

漸化式を (n+1)an+1=(n+3)an+2(n+1)a_{n+1}=(n+3)a_n+2 とし、bn=an/((n+2)(n+1))b_n=a_n/((n+2)(n+1)) とおく。まず両辺を (n+1)(n+2)(n+3)(n+1)(n+2)(n+3) で割ると bn+1=an+1(n+3)(n+2)=an(n+2)(n+1)+2(n+1)(n+2)(n+3),\displaystyle b_{n+1}=\frac{a_{n+1}}{(n+3)(n+2)}=\frac{a_n}{(n+2)(n+1)}+\frac{2}{(n+1)(n+2)(n+3)}, したがって bn+1−bn=2(n+1)(n+2)(n+3).(1)\displaystyle b_{n+1}-b_n=\frac{2}{(n+1)(n+2)(n+3)}.\tag{1} 恒等式の右括弧内は通分して 1(k+2)(k+1)−1(k+3)(k+2)=2(k+1)(k+2)(k+3).\displaystyle \frac1{(k+2)(k+1)}-\frac1{(k+3)(k+2)}=\frac{2}{(k+1)(k+2)(k+3)}. よって問題の左辺に一致するには 2/p=12/p=1、すなわち p=2p=2 である。(1)を n=1n=1 から n−1n-1 まで加える。b1=2/(3⋅2)=1/3b_1=2/(3\cdot2)=1/3 であり、上の差の形を用いると途中の項が互いに打ち消し合うので bn=13+∑k=1n−1(1(k+1)(k+2)−1(k+2)(k+3))=12−1(n+1)(n+2).\displaystyle b_n=\frac13+\sum\limits _{k=1}^{n-1}\left(\frac1{(k+1)(k+2)}-\frac1{(k+2)(k+3)}\right)=\frac12-\frac1{(n+1)(n+2)}. したがって an=(n+1)(n+2)bn=n(n+3)2.\displaystyle a_n=(n+1)(n+2)b_n=\frac{n(n+3)}2. n=1n=1 を代入すると a1=2a_1=2 となり初期条件とも一致する。

3--2(三角形とベクトル)

余弦定理により BC2=AB2+AC2−2 AB ACcos⁡60∘=25+64−80⋅12=49,\displaystyle BC^2=AB^2+AC^2-2\,AB\,AC\cos60^\circ=25+64-80\cdot\frac12=49, なので BC=7BC=7(長さは正)。角の二等分線定理から BD:DC=AB:AC=5:8BD:DC=AB:AC=5:8 である。比の和が 1313 なので BD=(5/13)BC=35/13BD=(5/13)BC=35/13、DC=(8/13)BC=56/13DC=(8/13)BC=56/13 である。u⃗=AB→,v⃗=AC→\vec u=\overrightarrow{AB},\vec v=\overrightarrow{AC} と置くと、線分上の内分表示より AD→=DCBCu⃗+BDBCv⃗=813u⃗+513v⃗.\displaystyle \overrightarrow{AD}=\frac{DC}{BC}\vec u+\frac{BD}{BC}\vec v=\frac8{13}\vec u+\frac5{13}\vec v. また AE:EC=AB:BC=5:7AE:EC=AB:BC=5:7 なので AE→=5v⃗/12\overrightarrow{AE}=5\vec v/12、従って BE→=BA→+AE→=−u⃗+512v⃗.\displaystyle \overrightarrow{BE}=\overrightarrow{BA}+\overrightarrow{AE}=-\vec u+\frac5{12}\vec v. 交点を AI→=tAD→\overrightarrow{AI}=t\overrightarrow{AD} かつ AI→=u⃗+sBE→\overrightarrow{AI}=\vec u+s\overrightarrow{BE} と表す。u⃗,v⃗\vec u,\vec v は ∠BAC=60∘\angle BAC=60^\circ により平行でなく、係数を比較できる。 8t13=1−s,5t13=5s12.\displaystyle \frac{8t}{13}=1-s,\qquad \frac{5t}{13}=\frac{5s}{12}. 第二式から s=12t/13s=12t/13、第一式へ代入して 20t/13=120t/13=1、よって t=13/20t=13/20、s=3/5s=3/5(0≦t≦10\le t\le1、0≦s≦10\le s\le1 を満たし、指定された両線分上の交点と整合する)。従って AI→=1320(813u⃗+513v⃗)=25AB→+14AC→.\displaystyle \overrightarrow{AI}=\frac{13}{20}\left(\frac8{13}\vec u+\frac5{13}\vec v\right)=\frac25\overrightarrow{AB}+\frac14\overrightarrow{AC}.

3--3(確率)

異なる2枚の組は (62)=15\displaystyle \binom62=15 通りで等確率。X=kX=k となる組は {1,k},…,{k−1,k}\{1,k\},\ldots,\{k-1,k\} の k−1k-1 通りなので E(X)=115∑k=26k(k−1)=90−2015=143.\displaystyle E(X)=\frac1{15}\sum\limits _{k=2}^6 k(k-1)=\frac{90-20}{15}=\frac{14}{3}. 独立性について、P(X=6)=5/15=1/3P(X=6)=5/15=1/3、P(Y=1)=5/15=1/3P(Y=1)=5/15=1/3 だが、両方が同時に起きるのは組 {1,6}\{1,6\} の1通りのみで P(X=6,Y=1)=1/15≠1/9=P(X=6)P(Y=1)P(X=6,Y=1)=1/15\ne1/9=P(X=6)P(Y=1)。従って独立ではない。 E(XY)=115∑1≦i<j≦6ij.\displaystyle E(XY)=\frac1{15}\sum\limits _{1\le i<j\le6}ij. 1+⋯+6=211+\cdots+6=21、12+⋯+62=911^2+\cdots+6^2=91 より、∑i<jij=((∑ii)2−∑ii2)/2=(441−91)/2=175\displaystyle \sum\limits _{i<j}ij=((\sum\limits _i i)^2-\sum\limits _i i^2)/2=(441-91)/2=175。従って E(XY)=175/15=35/3E(XY)=175/15=35/3。

この問題で使う考え方

  • 漸化式
  • 階差・和の利用
  • 総和記号と数列の和
  • 余弦定理
  • 角の二等分線の性質
  • 位置ベクトル
  • ベクトルの和・差・実数倍
  • ベクトルによる図形の考察

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