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順天堂大学/2023年度/前期A方式

順天堂大学 2023年 数学 第III問解答・解説

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1問題

順天堂大学2023年度第III問

P(s,t)P(s,t) を ss と tt の整式とする。

(1) A=s3+2s2t+3st2+4t3A=s^{3}+2s^{2}t+3st^{2}+4t^{3} と B=s+tB=s+t を ss の整式と考えて,AA を BB で割った商と余りを求めよ。

(2) P(s,t)=fn(t)sn+fn−1(t)sn−1+⋯+f1(t)s+f0(t)P(s,t)=f_{n}(t)s^{n}+f_{n-1}(t)s^{n-1}+\cdots+f_{1}(t)s+f_{0}(t) とおく。ただし,fn(t),fn−1(t),…,f0(t)f_{n}(t),f_{n-1}(t),\ldots,f_{0}(t) は tt の整式とし,fn(t)≠0f_{n}(t)\neq0 とする。このとき,s,ts,t の整式 Q(s,t)Q(s,t) と tt の整式 R(t)R(t) を使って P(s,t)=Q(s,t)(s−t)+R(t)P(s,t)=Q(s,t)(s-t)+R(t) と表せることを数学的帰納法を用いて示せ。

(3) P(x,y)=−P(y,x)P(x,y)=-P(y,x) であるとき,1次式 (s−t)(s-t) は整式 P(s,t)P(s,t) の因数であることを示せ。ただし,P(x,y)P(x,y) は P(s,t)P(s,t) に s=x, t=ys=x,\ t=y を代入して得られる整式をあらわし,P(y,x)P(y,x) は P(s,t)P(s,t) に s=y, t=xs=y,\ t=x を代入して得られる整式をあらわす。

(4) 1次式 (s−t)(s-t) が整式 P(s,t)P(s,t) の因数であることは P(x,y)=−P(y,x)P(x,y)=-P(y,x) であることの十分条件ではないことを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

整式の除法と恒等式を使い,(2)を次数に関する数学的帰納法で示す。(3)は割り算の余りを消し,(4)は反例で十分性を否定する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)商 s2+st+2t2,余り 2t3;(2)P(s,t)=(fn(t)∑j=0n−1sn−1−jtj+Q1(s,t))(s−t)+R(t);(3)P(s,t)=(s−t)Q(s,t);(4)P(s,t)=(s−t)2 は反例.\displaystyle \begin{gathered} (1)\quad \text{商 }s^2+st+2t^2,\quad \text{余り }2t^3;\\ (2)\quad P(s,t)=\left(f_n(t)\sum\limits _{j=0}^{n-1}s^{n-1-j}t^j+Q_1(s,t)\right)(s-t)+R(t);\\ (3)\quad P(s,t)=(s-t)Q(s,t);\\ (4)\quad P(s,t)=(s-t)^2\text{ は反例}. \end{gathered}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) ss の整式として割り算を行うと A=(s+t)(s2+st+2t2)+2t3.A=(s+t)(s^2+st+2t^2)+2t^3. 実際,右辺を展開すると s3+2s2t+3st2+4t3=As^3+2s^2t+3st^2+4t^3=A。従って商は s2+st+2t2s^2+st+2t^2,余りは 2t32t^3。

(2) ss に関する次数について数学的帰納法で示す。n=0n=0 のとき P(s,t)=f0(t)P(s,t)=f_0(t) なので,Q(s,t)=0, R(t)=f0(t)Q(s,t)=0,\ R(t)=f_0(t) とすればよい。 n≧1n\ge1 とし,次数が n−1n-1 以下の整式では表示できると仮定する。恒等式 sn−tn=(s−t)(sn−1+sn−2t+⋯+tn−1)s^n-t^n=(s-t)(s^{n-1}+s^{n-2}t+\cdots+t^{n-1}) を使うと P(s,t)=fn(t)(sn−tn)+P~(s,t),P(s,t)=f_n(t)(s^n-t^n)+\widetilde P(s,t), ただし P~(s,t)=fn(t)tn+fn−1(t)sn−1+⋯+f0(t)\widetilde P(s,t)=f_n(t)t^n+f_{n-1}(t)s^{n-1}+\cdots+f_0(t) は ss について次数 n−1n-1 以下である。帰納法の仮定から P~(s,t)=Q1(s,t)(s−t)+R(t)\widetilde P(s,t)=Q_1(s,t)(s-t)+R(t) と書ける。従って P(s,t)=(fn(t)(sn−1+sn−2t+⋯+tn−1)+Q1(s,t))(s−t)+R(t),P(s,t)= \left(f_n(t)(s^{n-1}+s^{n-2}t+\cdots+t^{n-1})+Q_1(s,t)\right)(s-t)+R(t), ここで括弧内は s,ts,t の整式,R(t)R(t) は tt の整式である。これで帰納法が完成した。

(3) 条件 P(x,y)=−P(y,x)P(x,y)=-P(y,x) に x=y=tx=y=t を代入すると P(t,t)=−P(t,t),P(t,t)=-P(t,t), 従って P(t,t)=0P(t,t)=0 である。(2)より P(s,t)=Q(s,t)(s−t)+R(t)P(s,t)=Q(s,t)(s-t)+R(t) と書ける。ここで s=ts=t とおけば P(t,t)=R(t)P(t,t)=R(t) だから R(t)=0R(t)=0。よって P(s,t)=Q(s,t)(s−t)P(s,t)=Q(s,t)(s-t) となり,(s−t)(s-t) は因数である。

(4) P(s,t)=(s−t)2P(s,t)=(s-t)^2 とする。これは (s−t)(s−t)(s-t)(s-t) と表せるので、(s−t)(s-t) を因数にもつ。一方, P(1,0)=1,−P(0,1)=−1P(1,0)=1,\qquad -P(0,1)=-1 なので P(x,y)=−P(y,x)P(x,y)=-P(y,x) は成り立たない。従って因数をもつことは反対称性の十分条件ではない。

この問題で使う考え方

  • 多項式の除法
  • 剰余・因数定理
  • 数学的帰納法
  • 命題と必要十分条件

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