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京都府立医科大学/2017年度/前期

京都府立医科大学 2017年 数学 第4問解答・解説

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1問題

京都府立医科大学2017年度第4問

0<a<10<a<1 である実数 aa に対して,数列 {an}\{a_n\} を

a1=a,an+1=4an(1−an)(n=1,2,3,… )a_1=a, \quad a_{n+1}=4a_n(1-a_n)\quad (n=1,2,3,\dots)

で定義する。

(1) a=12\displaystyle a=\frac{1}{2} のとき,ana_n n=1,2,3,…n=1,2,3,\dots を求めよ。

(2) すべての自然数 nn について,0≦an≦10\leq a_n\leq 1 であることを証明せよ。

(3) 0<ak<14\displaystyle 0<a_k<\frac{1}{4} をみたす自然数 kk について,ak+1>3aka_{k+1}>3a_k であることを証明せよ。

(4) am≧34\displaystyle a_m\geq\frac{3}{4} をみたす自然数 mm が存在することを証明せよ。

(5) lim⁡n→∞an=0\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}a_n=0 であるとき,aN=0a_N=0 となる自然数 NN が存在することを証明せよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

数列は a1=aa_1=a、an+1=4an(1−an)a_{n+1}=4a_n(1-a_n)(n=1,2,…n=1,2,\ldots)、ただし 0<a<10<a<1 で定める。

(1) a=12\displaystyle a=\frac12 のとき

a1=12,a2=4⋅12(1−12)=1,a3=4⋅1⋅(1−1)=0.\displaystyle a_1=\frac12,\qquad a_2=4\cdot\frac12\left(1-\frac12\right)=1,\qquad a_3=4\cdot1\cdot(1-1)=0.

一度 an=0a_n=0 となれば漸化式から an+1=0a_{n+1}=0 であり、その後もすべて 00 である。従って

a1=12,a2=1,an=0 (n≧3).\displaystyle \boxed{ a_1=\frac12,\quad a_2=1,\quad a_n=0\ (n\ge3) }.

(2) すべての自然数 nn について 0≦an≦10\le a_n\le1

数学的帰納法で示す。初項は仮定から 0<a1<10<a_1<1 である。

0≦an≦10\le a_n\le1 と仮定すると

an+1=4an(1−an)≧0.a_{n+1}=4a_n(1-a_n)\ge0.

また

1−an+1=1−4an(1−an)=(2an−1)2≧01-a_{n+1} =1-4a_n(1-a_n) =(2a_n-1)^2\ge0

だから an+1≦1a_{n+1}\le1。従って 0≦an+1≦10\le a_{n+1}\le1 であり、帰納法によりすべての自然数 nn で

0≦an≦1\boxed{0\le a_n\le1}

が成り立つ。

(3) 0<ak<14\displaystyle 0<a_k<\frac14 のとき ak+1>3aka_{k+1}>3a_k

仮定の範囲で差を計算すると

ak+1−3ak=4ak(1−ak)−3ak=ak(1−4ak)>0,a_{k+1}-3a_k =4a_k(1-a_k)-3a_k =a_k(1-4a_k)>0,

なぜなら ak>0a_k>0 かつ 1−4ak>01-4a_k>0 だからである。従って

ak+1>3ak.\boxed{a_{k+1}>3a_k}.

(4) am≧34\displaystyle a_m\ge\frac34 となる自然数 mm が存在する

背理法で示す。どの自然数 nn に対しても an<3/4a_n<3/4 であると仮定する。

まず、数列はこの仮定のもとで 00 にならない。もし aj=0a_j=0 となる最初の項があれば、a1>0a_1>0 より j≧2j\ge2、かつ aj−1>0a_{j-1}>0 である。漸化式 0=4aj−1(1−aj−1)0=4a_{j-1}(1-a_{j-1}) から aj−1=1a_{j-1}=1 となり、仮定 an<3/4a_n<3/4 に反する。よって全項が正である。

次に、ある nn について an≧1/4a_n\ge1/4 なら、仮定と合わせて 1/4≦an<3/41/4\le a_n<3/4 であり、

an+1−34=4an(1−an)−34=4(an−14)(34−an)≧0.\displaystyle a_{n+1}-\frac34 =4a_n(1-a_n)-\frac34 =4\left(a_n-\frac14\right)\left(\frac34-a_n\right)\ge0.

従って an+1≧3/4a_{n+1}\ge3/4 となって仮定に反する。ゆえにすべての nn で 0<an<1/40<a_n<1/4。

このとき (3) より各段階で an+1>3ana_{n+1}>3a_n だから、帰納的に an>3n−1a1a_n>3^{n-1}a_1(n≧2n\ge2)。a1>0a_1>0 なので、十分大きい自然数 nn を選べば 3n−1a1≧1/43^{n-1}a_1\ge1/4 となる。すると an>1/4a_n>1/4 となり、全項が 1/41/4 未満という結論に矛盾する。

従って仮定は誤りであり、

ある自然数 m が存在して am≧34\displaystyle \boxed{\text{ある自然数 }m\text{ が存在して }a_m\ge\frac34}

となる。

(5) lim⁡n→∞an=0\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}a_n=0 なら、ある自然数 NN で aN=0a_N=0

背理法で示す。極限が 00 でありながら aN=0a_N=0 となる自然数 NN が存在しないと仮定する。(2) より全項は非負なので、この仮定のもとで an>0a_n>0 がすべての nn で成り立つ。

極限が 00 だから、ある自然数 n0n_0 が存在し、すべての n≧n0n\ge n_0 について 0<an<1/40<a_n<1/4 となる。(3)を繰り返し用いると、任意の自然数 k≧1k\ge1 について

an0+k>3kan0.a_{n_0+k}>3^k a_{n_0}.

an0>0a_{n_0}>0 なので kk を十分大きくすれば 3kan0>13^k a_{n_0}>1 となり、an0+k>1a_{n_0+k}>1 を得る。しかし (2) より an0+k≦1a_{n_0+k}\le1 であり、矛盾する。

従って aN=0a_N=0 となる自然数 NN が存在し、

aN=0 となる自然数 N が存在する.\boxed{a_N=0\text{ となる自然数 }N\text{ が存在する}}.

使用解法・自己点検

- (2) は帰納法と 1−an+1=(2an−1)21-a_{n+1}=(2a_n-1)^2 を用いて上下両方の不等式を証明。 - (3) は差を因数分解し、二つの正因子から厳密不等号を確認。 - (4) は「3/4以上の項がない」と仮定し、零項の可能性、1/4≦an<3/41/4\le a_n<3/4 のとき次項が3/4以上になること、3倍増加の矛盾を順に確認。 - (5) は零項なしと仮定し、極限から得る最終的な区間条件に (3) を反復して (2) と矛盾させた。

全5小問の証明を記載し、判読不能・入力矛盾は認めない。

この問題で使う考え方

  • 漸化式
  • 数学的帰納法
  • 等式・不等式の証明
  • 対偶・背理法による証明
  • 等比数列の一般項と和
  • 数列の極限

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