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京都府立医科大学/2017年度/前期

京都府立医科大学 2017年 数学 第1問解答・解説

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1問題

京都府立医科大学2017年度第1問

正二十面体 XX を考える。

(1) XX のそれぞれの面が正三角形であることを用いて,XX の辺の数と頂点の数および1つの頂点に集まる辺の数を求めよ。

次に XX の1辺の長さは 22 とし,XX は球 QQ の表面に内接しているとする。QQ の中心を OO とする。XX 上の1つの頂点 AA とそのとなりにある頂点 BB を1つとる。直線 OAOA 上にある AA と異なる XX の頂点を CC,直線 OBOB 上にある BB と異なる XX の頂点を DD とおく。

(2) 頂点 A,B,C,DA,B,C,D は同一平面上にあり,四角形 ABCDABCD は長方形であることを証明せよ。

(3) 線分 ADAD の長さを求めよ。

(4) QQ の表面積を求めよ。

(5) XX の体積を求めよ。

(6) XX の1つの辺を共有する2つの面に OO から下ろした垂線をそれぞれ OH,OKOH,OK とする。このときベクトル OH→\overrightarrow{OH} と OK→\overrightarrow{OK} の内積を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

正多面体の面・辺・頂点の重複計数、正五角形の対称性と三角比で球半径を導出し、位置ベクトル・三平方の定理・角錐体積・内積を用いて各小問を計算した。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 30本, 12個, 5本
    (2) 長方形
    (3) 1+5(3)\space{}1+\sqrt5
    (4) 2π(5+5)(4)\space{}2\pi(5+\sqrt5)
    (5) 10(3+5)3\displaystyle (5)\space{}\frac{10(3+\sqrt5)}3
    (6) 15+7518\displaystyle (6)\space{}\frac{15+7\sqrt5}{18}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) (V提供の高校範囲座標モデルによる補足。)ϕ=1+52\displaystyle \phi=\frac{1+\sqrt5}{2} とすると ϕ2=ϕ+1\phi^2=\phi+1。正二十面体の標準座標モデルとして、12頂点を (0,±1,±ϕ),(±1,±ϕ,0),(±ϕ,0,±1)(0,\pm1,\pm\phi),\qquad (\pm1,\pm\phi,0),\qquad (\pm\phi,0,\pm1) と表す。符号を独立に選ぶので頂点は 4+4+4=124+4+4=12 個であり、各点の原点からの距離の二乗は 1+ϕ21+\phi^2 で一定である。 代表頂点 p=(0,1,ϕ)p=(0,1,\phi) から距離2にある頂点は (0,−1,ϕ),(±1,ϕ,0),(±ϕ,0,1)(0,-1,\phi),\quad (\pm1,\phi,0),\quad (\pm\phi,0,1) の5個である。最初の点との距離は2であり、残る4点について距離の二乗は 1+(ϕ−1)2+ϕ2=41+(\phi-1)^2+\phi^2=4 となる。ここでは (ϕ−1)2=2−ϕ(\phi-1)^2=2-\phi と ϕ2=ϕ+1\phi^2=\phi+1 を用いた。残る6頂点 (0,1,−ϕ),(0,−1,−ϕ),(±1,−ϕ,0),(±ϕ,0,−1)(0,1,-\phi),(0,-1,-\phi),(\pm1,-\phi,0),(\pm\phi,0,-1) までの距離の二乗は、順に 4ϕ2, 4+4ϕ2, 1+(1+ϕ)2+ϕ2, ϕ2+1+(ϕ+1)24\phi^2,\ 4+4\phi^2,\ 1+(1+\phi)^2+\phi^2,\ \phi^2+1+(\phi+1)^2 で、いずれも4より大きい。座標の巡回置換 (x,y,z)↦(z,x,y)(x,y,z)\mapsto(z,x,y) と各座標の符号反転はこの12点を保ち、距離も保つ。またこれらの操作で任意の頂点を pp に移せるので、どの頂点にも距離2の隣接頂点が5個ずつある。従って V=12V=12、各頂点に集まる辺は5本であり、辺の両端を数えると E=12⋅52=30.\displaystyle E=\frac{12\cdot5}{2}=30.

以下、辺の長さを2、球の半径を RR とする。頂点 AA の隣の5頂点は、AA とその対頂点を結ぶ軸のまわりの対称性から、軸に垂直な平面上の正五角形をなす。その正五角形の外接円半径を ρ\rho、AA からその平面までの距離を uu とする。正五角形の辺が2だから 2=2ρsin⁡36∘,ρ=1sin⁡36∘.\displaystyle 2=2\rho\sin36^\circ,\qquad \rho=\frac{1}{\sin36^\circ}. また AA と隣接頂点との距離も2なので u2+ρ2=4.u^2+\rho^2=4. 正五角形の平面は球の中心から R−uR-u だけ離れ、同平面上の頂点は中心軸から ρ\rho だけ離れる。よって R2=(R−u)2+ρ2,R^2=(R-u)^2+\rho^2, したがって 2Ru=u2+ρ2=42Ru=u^2+\rho^2=4、R=2/uR=2/u である。ここで c=cos⁡36∘c=\cos36^\circ とおくと、三倍角の公式と cos⁡108∘=−cos⁡72∘\cos108^\circ=-\cos72^\circ より 4c3−3c=−(2c2−1),(c+1)(4c2−2c−1)=0.4c^3-3c=-(2c^2-1),\qquad (c+1)(4c^2-2c-1)=0. c>0c>0 なので c=(1+5)/4c=(1+\sqrt5)/4、従って sin⁡236∘=(5−5)/8\sin^2 36^\circ=(5-\sqrt5)/8。よって ρ2=85−5=2(5+5)5,u2=4−ρ2=10−255,R2=4u2=5+52.\displaystyle \rho^2=\frac{8}{5-\sqrt5}=\frac{2(5+\sqrt5)}5,\qquad u^2=4-\rho^2=\frac{10-2\sqrt5}{5},\qquad R^2=\frac4{u^2}=\frac{5+\sqrt5}{2}.

(2) C,DC,D はそれぞれ A,BA,B と同一直線上で球面上の反対側にあるので、位置ベクトルを a,b\boldsymbol a,\boldsymbol b とすれば c=−a\boldsymbol c=-\boldsymbol a, d=−b\boldsymbol d=-\boldsymbol b である。従って4点は平面 OABOAB 上にある。また AB→=b−a=DC→,BC→=−a−b=AD→,\overrightarrow{AB}=\boldsymbol b-\boldsymbol a=\overrightarrow{DC},\qquad \overrightarrow{BC}=-\boldsymbol a-\boldsymbol b=\overrightarrow{AD}, より ABCDABCD は平行四辺形である。さらに ∣a∣=∣b∣=R|\boldsymbol a|=|\boldsymbol b|=R だから AB→⋅BC→=(b−a)⋅(−a−b)=∣a∣2−∣b∣2=0.\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{BC} =(\boldsymbol b-\boldsymbol a)\cdot(-\boldsymbol a-\boldsymbol b) =|\boldsymbol a|^2-|\boldsymbol b|^2=0. 隣り合う辺が垂直なので、ABCDABCD は長方形である。

(3) 長方形の対角線 ACAC は直径で AC=2RAC=2R、また AB=2AB=2 である。三平方の定理より AD2=AC2−AB2=4R2−4=6+25=(1+5)2.AD^2=AC^2-AB^2=4R^2-4=6+2\sqrt5=(1+\sqrt5)^2. 長さは正だから AD=1+5AD=1+\sqrt5。

(4) 球 QQ の表面積は 4πR2=2π(5+5).4\pi R^2=2\pi(5+\sqrt5).

(5) 1面の正三角形の面積は 3\sqrt3 である。中心 OO から1面に下ろした垂線の足を HH とし、OH=rOH=r とする。正三角形の外接円半径は 2/32/\sqrt3 なので、面に垂直な OHOH と面内の頂点までの線分を使うと r2=R2−(23)2=7+356.\displaystyle r^2=R^2-\left(\frac2{\sqrt3}\right)^2=\frac{7+3\sqrt5}{6}. 中心から20面へ分けた20個の角錐は合同である。従って Vol⁡(X)=20⋅13⋅3 r=2037+352=10(3+5)3.\displaystyle \operatorname{Vol}(X)=20\cdot\frac13\cdot\sqrt3\,r =\frac{20}{3}\sqrt{\frac{7+3\sqrt5}{2}} =\frac{10(3+\sqrt5)}3.

(6) 共通辺の中点を MM とする。球の中心から弦の中点に引いた線は弦に垂直だから OM⊥ABOM\perp AB、また AM=1AM=1 より OM2=OA2−AM2=R2−1=3+52.\displaystyle OM^2=OA^2-AM^2=R^2-1=\frac{3+\sqrt5}{2}. 正三角形の面の中心から辺の中点までの距離は MH=MK=13\displaystyle MH=MK=\frac1{\sqrt3} であり、OH=OK=rOH=OK=r。OH,OKOH,OK はそれぞれの面に垂直なので、三角形 OMH,OMKOMH,OMK は直角三角形である。これらは対応する辺の長さが等しいから合同で、OMOM は ∠HOK\angle HOK を二等分する。θ=∠HOM\theta=\angle HOM とおくと cos⁡θ=OHOM=rOM,cos⁡(2θ)=2r2OM2−1=53.\displaystyle \cos\theta=\frac{OH}{OM}=\frac r{OM},\qquad \cos(2\theta)=2\frac{r^2}{OM^2}-1=\frac{\sqrt5}{3}. よって OH→⋅OK→=∣OH∣∣OK∣cos⁡(2θ)=r253=15+7518.\displaystyle \overrightarrow{OH}\cdot\overrightarrow{OK} =|OH||OK|\cos(2\theta) =r^2\frac{\sqrt5}{3} =\frac{15+7\sqrt5}{18}.

以上より、(1)は辺30本・頂点12個・各頂点に集まる辺5本、(3)は 1+51+\sqrt5、(4)は 2π(5+5)2\pi(5+\sqrt5)、(5)は 10(3+5)3\displaystyle \frac{10(3+\sqrt5)}3、(6)は 15+7518\displaystyle \frac{15+7\sqrt5}{18} である。(2)は上記の通り長方形である。

この問題で使う考え方

  • 空間図形の性質
  • 空間図形の計量
  • 三角比と相互関係
  • 三角関数の加法定理
  • 二倍角の公式
  • 座標による距離
  • ベクトルの和・差・実数倍
  • 空間座標と空間ベクトル

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