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福井大学/2011年度

福井大学 2011年 数学 第2問解答・解説

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1問題

福井大学2011年度第2問

1 辺の長さが1の正十二面体を考える。点 O, A, B, C, D, E, F を図に示す正十二面体の頂点とし,ベクトル OA = a,OB = b,OC = c とおくとき,以下の問いに答えよ。なお,正十二面体では,すべての面は合同な正五角形であり,各頂点は3つの正五角形に共有されている。

正十二面体の辺が実線と破線で描かれている。黒い点で示された頂点は、下端がO、その左がA、右がB、Oの上がC、Cの左上がD、右上がE、Dの上がFで、OからA,B,Cへ実線の辺が延びている。CとD、CとE、DとFもそれぞれ実線の辺で結ばれている。

(1) 1 辺の長さが1の正五角形の対角線の長さを求めて,内積 a・b を求めよ。

(2) ベクトル CD,OF を a,b,c を用いて表せ。

(3) O から平面 ABD に垂線 OH を下ろす。ベクトル OH を a,b,c を用いて表せ。さらにその長さを求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

正五角形の対角線と辺方向の関係を先に求め、図の隣接する面をたどって位置ベクトルを表す。最後は平面ABDに垂直なベクトルと内積で足を決める。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) d=φ=1+52,a⃗⋅b⃗=1−54.\displaystyle (1)\space{}d=\varphi=\frac{1+\sqrt{5}}{2},\quad \vec{a}\cdot\vec{b}=\frac{1-\sqrt{5}}{4}.
    (2) CD→=a⃗+1φc⃗,OF→=φa⃗+b⃗+φ2c⃗.\displaystyle (2)\space{}\overrightarrow{CD}=\vec{a}+\frac{1}{\varphi}\vec{c},\quad \overrightarrow{OF}=\varphi\vec{a}+\vec{b}+\varphi^2\vec{c}.
    (3) OH→=12(a⃗+b⃗+1φc⃗),∣OH∣=12\displaystyle (3)\space{}\overrightarrow{OH}=\frac{1}{2}\left(\vec{a}+\vec{b}+\frac{1}{\varphi}\vec{c}\right),\quad |OH|=\frac{1}{2}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

φ\varphi=1+52\displaystyle \frac{1+\sqrt5}{2} とおく。正五角形の一辺を1、対角線を dd とする。正五角形 ABCDEABCDE で対角線 AC,BDAC,BD の交点を PP とすると、角の大きさから △ABP\triangle ABP は 36∘,72∘,72∘36^\circ,72^\circ,72^\circ の二等辺三角形なので AP=AB=1AP=AB=1 である。また △BCP\triangle BCP と △ABC\triangle ABC はともに角が 36∘,36∘,108∘36^\circ,36^\circ,108^\circ で相似であり、対応する 108∘108^\circ の向かいの辺はそれぞれ BC=1,AC=dBC=1, AC=d だから PC=1/dPC=1/d となる。よって d=AC=AP+PC=1+1/dd=AC=AP+PC=1+1/d、従って d2=d+1d^2=d+1 であり、正の解は d=φd=\varphi である。

正十二面体の各頂点で交わる辺は、同じ正五角形の隣り合う二辺をなす。したがって ∣a⃗∣=∣b⃗∣=∣c⃗∣=1|\vec a|=|\vec b|=|\vec c|=1 で、任意の異なる二つの間の角は正五角形の内角 108∘108^\circ である。三角形 AOBAOB の余弦定理から a⃗⋅b⃗=∣a⃗∣2+∣b⃗∣2−∣AB→∣22=2−φ22=1−54=−12φ.\displaystyle \vec a\cdot\vec b=\frac{|\vec a|^2+|\vec b|^2-|\overrightarrow{AB}|^2}{2}=\frac{2-\varphi^2}{2}=\frac{1-\sqrt5}{4}=-\frac{1}{2\varphi}. 同様に a⃗⋅c⃗=b⃗⋅c⃗=−1/(2φ)\vec a\cdot\vec c=\vec b\cdot\vec c=-1/(2\varphi) である。

正五角形の境界に沿う単位辺ベクトルを順に u0,u1,u2,u3,u4u_0,u_1,u_2,u_3,u_4 とすると、辺の向きは隣ごとに 72∘72^\circ ずつ変わる。座標を u0=(1,0)u_0=(1,0)、u1=(cos⁡72∘,±sin⁡72∘)u_1=(\cos72^\circ,\pm\sin72^\circ) と取れば u4=(cos⁡72∘,∓sin⁡72∘)=2cos⁡72∘u0−u1u_4=(\cos72^\circ,\mp\sin72^\circ)=2\cos72^\circ u_0-u_1 である。上で得た cos⁡72∘=1/(2φ)\cos72^\circ=1/(2\varphi) より u4=1φu0−u1,u3=−u0+1φu4.\displaystyle u_4=\frac{1}{\varphi}u_0-u_1,\qquad u_3=-u_0+\frac{1}{\varphi}u_4. 後者も同じ座標で成分を比べれば従う。

図の面 O−A−G−D−CO-A-G-D-C(GG は図中の無記名頂点)を境界順にたどると u0=OA→=a⃗u_0=\overrightarrow{OA}=\vec a、u4=CO→=−c⃗u_4=\overrightarrow{CO}=-\vec c である。従って DC→=u3=−a⃗−c⃗/φ\overrightarrow{DC}=u_3=-\vec a-\vec c/\varphi、すなわち CD→=a⃗+1φc⃗,OD→=a⃗+φc⃗.\displaystyle \overrightarrow{CD}=\vec a+\frac{1}{\varphi}\vec c,\qquad \overrightarrow{OD}=\vec a+\varphi\vec c. 同様に面 O−B−J−E−CO-B-J-E-C(JJ は無記名頂点)から CE→=b⃗+c⃗/φ\overrightarrow{CE}=\vec b+\vec c/\varphi、従って OE→=b⃗+φc⃗\overrightarrow{OE}=\vec b+\varphi\vec c を得る。

次に図の面 D−C−E−X−FD-C-E-X-F(XX は無記名頂点)で、境界順の最初の二辺を u0=DC→=−a⃗−c⃗/φu_0=\overrightarrow{DC}=-\vec a-\vec c/\varphi、u1=CE→=b⃗+c⃗/φu_1=\overrightarrow{CE}=\vec b+\vec c/\varphi とする。最後の辺は u4=FD→=u0/φ−u1u_4=\overrightarrow{FD}=u_0/\varphi-u_1 なので DF→=−u4=u1−u0φ=b⃗+1φa⃗+c⃗,\displaystyle \overrightarrow{DF}=-u_4=u_1-\frac{u_0}{\varphi}=\vec b+\frac{1}{\varphi}\vec a+\vec c, ここで 1/φ+1/φ2=11/\varphi+1/\varphi^2=1 を用いた。ゆえに OF→=OD→+DF→=φa⃗+b⃗+φ2c⃗.\overrightarrow{OF}=\overrightarrow{OD}+\overrightarrow{DF}=\varphi\vec a+\vec b+\varphi^2\vec c.

平面 ABDABD 内の二方向は AB→=b⃗−a⃗\overrightarrow{AB}=\vec b-\vec a と AD→=φc⃗\overrightarrow{AD}=\varphi\vec c である。m=a⃗⋅b⃗=a⃗⋅c⃗=b⃗⋅c⃗=−1/(2φ)m=\vec a\cdot\vec b=\vec a\cdot\vec c=\vec b\cdot\vec c=-1/(2\varphi) とおき、 n⃗=a⃗+b⃗+1φc⃗\displaystyle \vec n=\vec a+\vec b+\frac{1}{\varphi}\vec c とする。内積を計算すると n⃗⋅(b⃗−a⃗)=0\vec n\cdot(\vec b-\vec a)=0 および n⃗⋅c⃗=2m+1/φ=0\vec n\cdot\vec c=2m+1/\varphi=0 だから、n⃗\vec n は平面 ABDABD の法線ベクトルである。また n⃗⋅a⃗=1+m+mφ=12,\displaystyle \vec n\cdot\vec a=1+m+\frac{m}{\varphi}=\frac12, 同じ値が n⃗⋅b⃗\vec n\cdot\vec b と n⃗⋅OD→\vec n\cdot\overrightarrow{OD} にも成り立つので、平面 ABDABD の式は n⃗⋅x⃗=1/2\vec n\cdot\vec x=1/2 である。さらに φ2=φ+1\varphi^2=\varphi+1 と 5=2φ−1\sqrt5=2\varphi-1 を用いると ∣n⃗∣2=2+1φ2+2m(1+2φ)=2+1φ2−5φ=1φ2+1φ=1.\displaystyle |\vec n|^2=2+\frac{1}{\varphi^2}+2m\left(1+\frac{2}{\varphi}\right)=2+\frac{1}{\varphi^2}-\frac{\sqrt5}{\varphi}=\frac{1}{\varphi^2}+\frac{1}{\varphi}=1. 従って原点 OO からこの平面への垂線の足は n⃗/2\vec n/2 であり、OH→=12(a⃗+b⃗+c⃗/φ)\displaystyle \overrightarrow{OH}=\frac12(\vec a+\vec b+\vec c/\varphi)、その長さは ∣OH∣=1/2|OH|=1/2 である。

この問題で使う考え方

  • 実数と無理数
  • 鈍角の三角比
  • 余弦定理
  • 空間図形の計量
  • 空間図形の性質
  • ベクトルの和・差・実数倍
  • 位置ベクトル
  • ベクトルの内積

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