φ=21+5 とおく。正五角形の一辺を1、対角線を d とする。正五角形 ABCDE で対角線 AC,BD の交点を P とすると、角の大きさから △ABP は 36∘,72∘,72∘ の二等辺三角形なので AP=AB=1 である。また △BCP と △ABC はともに角が 36∘,36∘,108∘ で相似であり、対応する 108∘ の向かいの辺はそれぞれ BC=1,AC=d だから PC=1/d となる。よって d=AC=AP+PC=1+1/d、従って d2=d+1 であり、正の解は d=φ である。
正十二面体の各頂点で交わる辺は、同じ正五角形の隣り合う二辺をなす。したがって ∣a∣=∣b∣=∣c∣=1 で、任意の異なる二つの間の角は正五角形の内角 108∘ である。三角形 AOB の余弦定理から a⋅b=2∣a∣2+∣b∣2−∣AB∣2=22−φ2=41−5=−2φ1. 同様に a⋅c=b⋅c=−1/(2φ) である。
正五角形の境界に沿う単位辺ベクトルを順に u0,u1,u2,u3,u4 とすると、辺の向きは隣ごとに 72∘ ずつ変わる。座標を u0=(1,0)、u1=(cos72∘,±sin72∘) と取れば u4=(cos72∘,∓sin72∘)=2cos72∘u0−u1 である。上で得た cos72∘=1/(2φ) より u4=φ1u0−u1,u3=−u0+φ1u4. 後者も同じ座標で成分を比べれば従う。
図の面 O−A−G−D−C(G は図中の無記名頂点)を境界順にたどると u0=OA=a、u4=CO=−c である。従って DC=u3=−a−c/φ、すなわち CD=a+φ1c,OD=a+φc. 同様に面 O−B−J−E−C(J は無記名頂点)から CE=b+c/φ、従って OE=b+φc を得る。
次に図の面 D−C−E−X−F(X は無記名頂点)で、境界順の最初の二辺を u0=DC=−a−c/φ、u1=CE=b+c/φ とする。最後の辺は u4=FD=u0/φ−u1 なので DF=−u4=u1−φu0=b+φ1a+c, ここで 1/φ+1/φ2=1 を用いた。ゆえに OF=OD+DF=φa+b+φ2c.
平面 ABD 内の二方向は AB=b−a と AD=φc である。m=a⋅b=a⋅c=b⋅c=−1/(2φ) とおき、 n=a+b+φ1c とする。内積を計算すると n⋅(b−a)=0 および n⋅c=2m+1/φ=0 だから、n は平面 ABD の法線ベクトルである。また n⋅a=1+m+φm=21, 同じ値が n⋅b と n⋅OD にも成り立つので、平面 ABD の式は n⋅x=1/2 である。さらに φ2=φ+1 と 5=2φ−1 を用いると ∣n∣2=2+φ21+2m(1+φ2)=2+φ21−φ5=φ21+φ1=1. 従って原点 O からこの平面への垂線の足は n/2 であり、OH=21(a+b+c/φ)、その長さは ∣OH∣=1/2 である。