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和歌山県立医科大学/2015年度/前期

和歌山県立医科大学 2015年 数学 第4問解答・解説

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1問題

和歌山県立医科大学2015年度第4問

あるバクテリアをある条件の下で培養した場合,生存している1個が,1時間後には1回分裂して2個ともに生存しているか,あるいは死滅しているかであり,2個とも生存している確率が pp,死滅している確率が 1−p1-p であるという。このバクテリアがこの条件の下で最初1個生存していたとき,nn 時間後に1個以上生存している確率を PnP_n とおく。ただし,nn は自然数とする。

(1) P2,P3P_2,P_3 をそれぞれ pp の式で表せ。

(2) Pn+1P_{n+1} を pp と PnP_n の式で表せ。

(3) p=13\displaystyle p=\frac{1}{3} のときの lim⁡n→∞Pn\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}P_n を求めよ。

(4) aa を2より大きな実数とする。p=a−1a\displaystyle p=\frac{a-1}{a},Qn=Pn−a−2a−1\displaystyle Q_n=P_n-\frac{a-2}{a-1} としたとき,0<Qn+1<Qn0<Q_{n+1}<Q_n であることを示せ。

(5) pp が(4)と同じときの lim⁡n→∞Pn\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}P_n を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

独立な子系統に対する余事象で生存確率の漸化式を作り、初期値・固定値から差の縮小を示して極限を求める。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) P2=2p2−p3,P3=p3(2−p)(2−2p2+p3).(1)\space{}P_2=2p^2-p^3,\quad P_3=p^3(2-p)(2-2p^2+p^3).
    (2) Pn+1=p(2Pn−Pn2).(2)\space{}P_{n+1}=p(2P_n-P_n^2).
    (3) 0.
    (4) 0<Qn+1<Qn.(4)\space{}0<Q_{n+1}<Q_n.
    (5) a−2a−1.\displaystyle (5)\space{}\frac{a-2}{a-1}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

生存している1個は、次の1時間に確率 pp で2個に分裂して両方が生存し、確率 1−p1-p で死滅する。まず P1=pP_1=p である。

(1) 2時間後に生存個体があるには、最初の1時間で分裂し、その後の2個のうち少なくとも一方がさらに1時間後に生存すればよい。よって P2=p{1−(1−p)2}=2p2−p3.P_2=p\{1-(1-p)^2\}=2p^2-p^3. 同じ考え方をもう一度用いて P3=p{1−(1−P2)2}=pP2(2−P2)=p3(2−p)(2−2p2+p3).P_3=p\{1-(1-P_2)^2\}=pP_2(2-P_2)=p^3(2-p)(2-2p^2+p^3).

(2) 最初の1時間で分裂した後、それぞれの系統で nn 時間後に生存個体がある確率は PnP_n であり、二つの系統は独立である。したがって Pn+1=p{1−(1−Pn)2}=p(2Pn−Pn2).P_{n+1}=p\{1-(1-P_n)^2\}=p(2P_n-P_n^2).

(3) p=13\displaystyle p=\frac13 なら 0≦Pn+1≦23Pn\displaystyle 0\le P_{n+1}\le\frac23P_n である。P1=13\displaystyle P_1=\frac13 だから 0≦Pn≦13(23)n−1\displaystyle 0\le P_n\le\frac13(\frac23)^{n-1} となり、n→∞n\to\infty で Pn→0P_n\to0。

(4) r=a−2a−1\displaystyle r=\frac{a-2}{a-1} とおく。a>2a>2 より 0<r<10<r<1、また p=a−1a\displaystyle p=\frac{a-1}{a} は 0<p<10<p<1 である。漸化式の右辺を F(u)=p(2u−u2)F(u)=p(2u-u^2) と書くと、p(2−r)=1p(2-r)=1 だから F(r)=rF(r)=r であり、 F(u)−F(r)=p(u−r)(2−u−r).F(u)-F(r)=p(u-r)(2-u-r). 初項は Q1=P1−r=p−r=1a(a−1)>0,P1=p<1.\displaystyle Q_1=P_1-r=p-r=\frac{1}{a(a-1)}>0,\qquad P_1=p<1. r<Pn<1r<P_n<1 ならば 2−Pn−r>02-P_n-r>0 なので Qn+1=Pn+1−r=pQn(2−Pn−r)>0.Q_{n+1}=P_{n+1}-r=pQ_n(2-P_n-r)>0. また Pn+1=p{1−(1−Pn)2}<p<1P_{n+1}=p\{1-(1-P_n)^2\}<p<1 であるから、帰納的に r<Pn<1r<P_n<1 がすべての nn で成り立つ。さらに Pn>rP_n>r より 0<p(2−Pn−r)<2p(1−r)=2a<1,\displaystyle 0<p(2-P_n-r)<2p(1-r)=\frac2a<1, したがって 0<Qn+1<Qn0<Q_{n+1}<Q_n である。

(5) 上の評価から 0<Qn+1<2aQn\displaystyle 0<Q_{n+1}<\frac2aQ_n である。a>2a>2 より 0<2/a<10<2/a<1 なので、QnQ_n は比が 2/a2/a の等比数列の項より小さくなり、Qn→0Q_n\to0。よって lim⁡n→∞Pn=r=a−2a−1.\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}P_n=r=\frac{a-2}{a-1}.

この問題で使う考え方

  • 確率の基本法則
  • 余事象
  • 独立な試行
  • 漸化式
  • 等比数列の一般項と和
  • 数列の極限
  • 数学的帰納法

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