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慶應義塾大学/2005年度/一般

慶應義塾大学 2005年 数学 第II問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2005年度第II問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。

箱が3つと球が3個用意されている。ある箱の中に球が1個入っている場合その箱を「1球入りの箱」と呼び、球が2個入っている場合は「2球入りの箱」、球が3個入っている場合は「3球入りの箱」と呼ぶことにする。いま各箱の中に球を1個ずつ入れ、次の操作TTを何回か繰り返す。

操作TT 次の(a)から(c)の規則に従って3個の球を同時に処理する。

(a)「1球入りの箱」の中の球については、他の球とは独立に、確率23\displaystyle \frac{2}{3}でいま入っている箱の中に入れたままにし、確率16\displaystyle \frac{1}{6}ずつで他の2つの箱のうちのどちらかに移す。

(b)「2球入りの箱」の中の球については、各球を互いに独立に、確率13\displaystyle \frac{1}{3}でいま入っている箱の中に入れたままにし、確率13\displaystyle \frac{1}{3}ずつで他の2つの箱のうちのどちらかに移す。

(c)「3球入りの箱」の中の球については、各球を互いに独立に、確率23\displaystyle \frac{2}{3}でいま入っている箱の中に入れたままにし、確率16\displaystyle \frac{1}{6}ずつで他の2つの箱のうちのどちらかに移す。

以下、nnを自然数とする。nn回目の操作を終えたとき、各箱の中に球が1個ずつ入っている確率をpnp_n、どれか1つの箱の中に球が3個入っている確率をqnq_nとする。

(1) p1=(あ)p_1=\boxed{(\text{あ})}、q1=(い)q_1=\boxed{(\text{い})}であり、p2=(う)p_2=\boxed{(\text{う})}である。

(2) n≧2n\geq2のとき、pn,qnp_n,q_nをpn−1,qn−1p_{n-1},q_{n-1}を用いて表すと

{pn=(え)pn−1+(お)qn−1+29,qn=(か)pn−1+(き)qn−1+(く)\displaystyle \left\{\begin{aligned} p_n&=\boxed{(\text{え})}p_{n-1}+\boxed{(\text{お})}q_{n-1}+\frac{2}{9},\\ q_n&=\boxed{(\text{か})}p_{n-1}+\boxed{(\text{き})}q_{n-1}+\boxed{(\text{く})} \end{aligned}\right.

となる。よってpn+qnp_n+q_nをnnの式で表すと

pn+qn=(け)p_n+q_n=\boxed{(\text{け})}

となり、pnp_nをnnの式で表すと

pn=(こ)p_n=\boxed{(\text{こ})}

となる。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)((1)\quad (あ)=1336,(\displaystyle )=\frac{13}{36},\quad (い)=118,(\displaystyle )=\frac1{18},\quad (う)=115432.\displaystyle )=\frac{115}{432}.
    (2)((2)\quad (え)=536,(\displaystyle )=\frac5{36},\quad (お)=−19,(\displaystyle )=-\frac19,\quad (か)=−118,(\displaystyle )=-\frac1{18},\quad (き)=736,(\displaystyle )=\frac7{36},\quad (く)=19,\displaystyle )=\frac19,
    (け)=411+7132(112)n−1,(\displaystyle )=\frac4{11}+\frac7{132}\left(\frac1{12}\right)^{n-1},\quad (こ)=833+112(14)n−1+7198(112)n−1.\displaystyle )=\frac8{33}+\frac1{12}\left(\frac14\right)^{n-1}+\frac7{198}\left(\frac1{12}\right)^{n-1}.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

配置を、各箱に1個ずつ入っている状態を SS、1箱に3個とも入っている状態を TT、個数が 2,1,02,1,0 の状態を UU と呼ぶ。操作後の配置はこのいずれかである。各球の移動は独立なので、現在の状態ごとに次の状態になる確率を数える。 Sになる確率Tになる確率S827+3⋅154+2⋅1216=13363⋅23(16)2=118T6⋅23(16)2=19(23)3+2(16)3=1136U2⋅227+4⋅154=29154+227+154=19\displaystyle \begin{array}{c|cc} & S\text{になる確率}&T\text{になる確率}\\ \hline S&\displaystyle \frac8{27}+3\cdot\frac1{54}+2\cdot\frac1{216}=\frac{13}{36}&\displaystyle 3\cdot\frac23\left(\frac16\right)^2=\frac1{18}\\[2mm] T&\displaystyle 6\cdot\frac23\left(\frac16\right)^2=\frac19&\displaystyle \left(\frac23\right)^3+2\left(\frac16\right)^3=\frac{11}{36}\\[2mm] U&\displaystyle 2\cdot\frac2{27}+4\cdot\frac1{54}=\frac29&\displaystyle \frac1{54}+\frac2{27}+\frac1{54}=\frac19 \end{array} 例えば SS から SS へ移る場合は、全ての球がそのままの箱に残る場合、2球だけが箱を交換する場合、3球が巡回して移る場合に分かれる。UU から SS へ移る場合は、2球入りの箱の2球と1球入りの箱の球を各箱へ1個ずつ割り当てる6通りを数え、その確率は 2/272/27 が2通り、1/541/54 が4通りである。TT から TT へは、3球が元の箱に残る場合のほか、3球がそろって他の一方の箱へ移る場合が2通りある。

初回は SS から始まるから p1=1336,q1=118.\displaystyle p_1=\frac{13}{36},\qquad q_1=\frac1{18}. 2回目の SS の確率は p2=1336p1+19q1+29(1−p1−q1)=115432.\displaystyle p_2=\frac{13}{36}p_1+\frac19q_1+\frac29(1-p_1-q_1) =\frac{115}{432}. n≧2n\ge2 では、直前が UU の確率は 1−pn−1−qn−11-p_{n-1}-q_{n-1} である。上の表から pn=1336pn−1+19qn−1+29(1−pn−1−qn−1)=536pn−1−19qn−1+29,qn=118pn−1+1136qn−1+19(1−pn−1−qn−1)=−118pn−1+736qn−1+19.\displaystyle \begin{aligned} p_n&=\frac{13}{36}p_{n-1}+\frac19q_{n-1}+\frac29(1-p_{n-1}-q_{n-1})\\ &=\frac5{36}p_{n-1}-\frac19q_{n-1}+\frac29,\\ q_n&=\frac1{18}p_{n-1}+\frac{11}{36}q_{n-1}+\frac19(1-p_{n-1}-q_{n-1})\\ &=-\frac1{18}p_{n-1}+\frac7{36}q_{n-1}+\frac19. \end{aligned} sn=pn+qns_n=p_n+q_n と置くと、2式を加えて sn=112sn−1+13,s1=512.\displaystyle s_n=\frac1{12}s_{n-1}+\frac13,\qquad s_1=\frac5{12}. 定数解は 4/114/11 であるから、差 sn−4/11s_n-4/11 は公比 1/121/12 の等比数列となり sn=411+(512−411)(112)n−1=411+7132(112)n−1.\displaystyle s_n=\frac4{11}+\left(\frac5{12}-\frac4{11}\right)\left(\frac1{12}\right)^{n-1} =\frac4{11}+\frac7{132}\left(\frac1{12}\right)^{n-1}. また qn−1=sn−1−pn−1q_{n-1}=s_{n-1}-p_{n-1} を pnp_n の漸化式に代入すると pn=14pn−1−19sn−1+29=14pn−1+211−71188(112)n−2(n≧2).\displaystyle p_n=\frac14p_{n-1}-\frac19s_{n-1}+\frac29 =\frac14p_{n-1}+\frac2{11}-\frac7{1188}\left(\frac1{12}\right)^{n-2}\qquad(n\ge2). この式と p1=13/36p_1=13/36 を満たす形は pn=833+112(14)n−1+7198(112)n−1.\displaystyle p_n=\frac8{33}+\frac1{12}\left(\frac14\right)^{n-1}+\frac7{198}\left(\frac1{12}\right)^{n-1}. 実際、右辺は n=1n=1 で 13/3613/36 となり、上の漸化式にも代入して一致するため、帰納法で全ての自然数 nn に対して成り立つ。

この問題で使う考え方

  • 確率の基本法則
  • 独立な試行
  • 条件付き確率
  • 漸化式
  • 等比数列の一般項と和
  • 数学的帰納法

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