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横浜市立大学/2015年度/前期

横浜市立大学 2015年 数学 第IV問解答・解説

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1問題

横浜市立大学2015年度第IV問

自然数 NN に対して,自然数からなる2つの数列 a1,a2,…,aNa_1,a_2,\ldots,a_N と b1,b2,…,bN+1b_1,b_2,\ldots,b_{N+1} があり,条件 i=1,2,…,N に対して bi<ai かつ bi+1<aii=1,2,\ldots,N\text{ に対して }b_i<a_i\text{ かつ }b_{i+1}<a_i をみたすと仮定する。そして F=∑i=1Nai−N∑i=1N+1bi\displaystyle F=\frac{\displaystyle\sum\limits _{i=1}^{N}a_i-N}{\displaystyle\sum\limits _{i=1}^{N+1}b_i} とおく。NN は固定して,以下の問いに答えよ。

(1) 自然数からなる数列 x1,x2,…,xnx_1,x_2,\ldots,x_n の最小値を xx とする。このとき x=1n∑i=1nxiとx1=x2=⋯=xn=x\displaystyle x=\frac{1}{n}\sum\limits _{i=1}^{n}x_i\quad\text{と}\quad x_1=x_2=\cdots=x_n=x は,同値であることを証明せよ。

(2) FF のとりえる最小値を求めよ。

(3) FF が最小値をとるための,数列に関する条件を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 平均が最小値に等しいことと、すべての項が最小値に等しいことは同値である。(2) F の最小値は NN+1\displaystyle \quad \dfrac{N}{N+1}\quad 。(3) ある自然数 m\quad m\quad に対して a1=⋯=aN=m+1\quad a_1=\cdots=a_N=m+1\quad 、b1=⋯=bN+1=m\quad b_1=\cdots=b_{N+1}=m\quad 。
  • (1) x=1n∑i=1nxi  ⟺  x1=x2=⋯=xn=x\displaystyle \quad x=\dfrac{1}{n}\sum\limits _{i=1}^{n}x_i\iff x_1=x_2=\cdots=x_n=x\quad 。 (2) NN+1\displaystyle \quad \dfrac{N}{N+1}\quad 。 (3) a1=⋯=aN=m+1, b1=⋯=bN+1=m\quad a_1=\cdots=a_N=m+1,\space{}b_1=\cdots=b_{N+1}=m\quad (ある自然数 m\quad m\quad )。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 各 xix_i は最小値 xx 以上なので、xi−x≧0x_i-x\geq 0 である。したがって 1n∑i=1nxi=x\displaystyle \frac{1}{n}\sum\limits _{i=1}^{n}x_i=x ならば、∑i=1n(xi−x)=0\displaystyle \sum\limits _{i=1}^{n}(x_i-x)=0 となる。非負の数の和が 00 だから、すべての ii について xi−x=0x_i-x=0、すなわち xi=xx_i=x である。逆に、すべての項が xx ならば平均も xx となる。

(2) ci=ai−1c_i=a_i-1 とおく。条件から bi≦cib_i\leq c_i、bi+1≦cib_{i+1}\leq c_i であり、各 cic_i は正の自然数である。よって、B=∑j=1N+1bj\displaystyle B=\sum\limits _{j=1}^{N+1}b_j とすると B≦c1+cN+∑i=1N−1min⁡(ci,ci+1).\displaystyle B\leq c_1+c_N+\sum\limits _{i=1}^{N-1}\min(c_i,c_{i+1}). ここで m=min⁡(c1,…,cN)\displaystyle m=\min(c_1,\ldots,c_N)、di=ci−md_i=c_i-m とおき、dk=0d_k=0 となる kk を一つとる。各 di≧0d_i\geq0 であり、i<ki<k なら min⁡(di,di+1)≦di+1\displaystyle \min(d_i,d_{i+1})\leq d_{i+1}、i≧ki\geq k なら min⁡(di,di+1)≦di\displaystyle \min(d_i,d_{i+1})\leq d_i である。これらを足すと、dk=0d_k=0 より d1+dN+∑i=1N−1min⁡(di,di+1)≦∑i=1Ndi.\displaystyle d_1+d_N+\sum\limits _{i=1}^{N-1}\min(d_i,d_{i+1})\leq\sum\limits _{i=1}^{N}d_i. したがって、D=∑i=1Ndi\displaystyle D=\sum\limits _{i=1}^{N}d_i とおけば B≦(N+1)m+D≦(N+1)m+N+1ND=N+1N(Nm+D).\displaystyle B\leq (N+1)m+D\leq (N+1)m+\frac{N+1}{N}D=\frac{N+1}{N}(Nm+D). 一方、∑i=1Nai−N=∑i=1Nci=Nm+D\displaystyle \sum\limits _{i=1}^{N}a_i-N=\sum\limits _{i=1}^{N}c_i=Nm+D だから、F≧NN+1\displaystyle F\geq\dfrac{N}{N+1} である。 m\,m を任意の自然数として ai=m+1a_i=m+1、bj=mb_j=m とすれば条件を満たし、F=Nm(N+1)m=NN+1\displaystyle F=\dfrac{Nm}{(N+1)m}=\dfrac{N}{N+1} となる。よってこの値が最小値である。

(3) 上の評価で最小値をとるには、(N+1)m+D=(N+1)m+N+1ND\displaystyle (N+1)m+D=(N+1)m+\frac{N+1}{N}D が必要であるから D=0D=0。よってすべての ci=mc_i=m、すなわち ai=m+1a_i=m+1 である。このとき各 bj≦mb_j\leq m なので、B=(N+1)mB=(N+1)m となるための必要十分条件はすべての bj=mb_j=m である。逆に、この条件ならば実際に F=NN+1\displaystyle F=\dfrac{N}{N+1} となる。以上より、求める条件は、ある自然数 mm に対して a1=⋯=aN=m+1a_1=\cdots=a_N=m+1、b1=⋯=bN+1=mb_1=\cdots=b_{N+1}=m となることである。

この問題で使う考え方

  • 命題と必要十分条件
  • 等式・不等式の証明
  • 総和記号と数列の和

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