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慶應義塾大学/2026年度/前期

慶應義塾大学 2026年 数学 第I問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2026年度第I問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。ただし,根号を用いた分数は,分母を有理化した形で記入しなさい。

(1) 連続型確率変数 XX のとる値の範囲が α≦X≦β\alpha\leq X\leq\beta で,その確率密度関数が f(x)f(x) であるとき,XX の期待値 m=E(X)m=E(X) と分散 V(X)V(X) を次の式で定める。m=E(X)=∫αβxf(x) dx,V(X)=∫αβ(x−m)2f(x) dx\displaystyle m=E(X)=\int_{\alpha}^{\beta}xf(x)\,dx,\qquad V(X)=\int_{\alpha}^{\beta}(x-m)^2f(x)\,dx 連続型確率変数 YY のとる値の範囲が 0≦Y≦π2\displaystyle 0\leq Y\leq\frac{\pi}{2} で,その確率密度関数が g(y)=sin⁡2y(0≦y≦π2)\displaystyle g(y)=\sin 2y\quad\left(0\leq y\leq\frac{\pi}{2}\right) であるとき,π4≦Y≦3π8\displaystyle \frac{\pi}{4}\leq Y\leq\frac{3\pi}{8} となる確率は あ\boxed{\text{あ}} である。また,E(Y)=いE(Y)=\boxed{\text{い}} であり,V(Y)=うV(Y)=\boxed{\text{う}} である。

(2) aa を実数とし,2つの集合 AA と BB を,それぞれ区間 A=[3(a+1),3(a+2)],B=[a3−4a, a3−4a+2(a−1)2+1]A=[3(a+1),3(a+2)],\qquad B=[a^3-4a,\ a^3-4a+2(a-1)^2+1] と定める。集合 A,BA,B のどちらにも属する要素があるための必要十分条件は,え≦a≦お\boxed{\text{え}}\leq a\leq\boxed{\text{お}},または か≦a≦き\boxed{\text{か}}\leq a\leq\boxed{\text{き}},または く≦a≦け\boxed{\text{く}}\leq a\leq\boxed{\text{け}} である。ただし,え<か<く\boxed{\text{え}}<\boxed{\text{か}}<\boxed{\text{く}} とする。

(3) bb を0でない実数とする。座標空間に平行四辺形 OPQROPQR があり,その頂点の座標が O(0,0,0),P(0,1,−1),Q(1,c,d),R(1,b,1b)\displaystyle O(0,0,0),\qquad P(0,1,-1),\qquad Q(1,c,d),\qquad R\left(1,b,\frac{1}{b}\right) であるとき,bb を用いて c=こc=\boxed{\text{こ}},d=さd=\boxed{\text{さ}} と表され,平行四辺形 OPQROPQR の面積 S(b)S(b) は,bb を用いて し\sqrt{\boxed{\text{し}}} と表される。また,bb が0でないすべての実数を動くとき,S(b)S(b) の最小値は す\boxed{\text{す}} である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

(1) 確率密度と期待値・分散 ∫0π/2sin⁡2y dy=1,Pr⁡ ⁣(π4≦Y≦3π8)=∫π/43π/8sin⁡2y dy=[−12cos⁡2y]π/43π/8=24.\displaystyle \int_0^{\pi/2}\sin 2y\,dy=1, \qquad \Pr\!\left(\frac\pi4\le Y\le\frac{3\pi}8\right) =\int_{\pi/4}^{3\pi/8}\sin2y\,dy =\left[-\frac12\cos2y\right]_{\pi/4}^{3\pi/8} =\frac{\sqrt2}{4}. 部分積分により E(Y)=∫0π/2ysin⁡2y dy=[−y2cos⁡2y+14sin⁡2y]0π/2=π4.\displaystyle E(Y)=\int_0^{\pi/2}y\sin2y\,dy =\left[-\frac y2\cos2y+\frac14\sin2y\right]_0^{\pi/2} =\frac\pi4. さらに E(Y2)=∫0π/2y2sin⁡2y dy=[−y22cos⁡2y+y2sin⁡2y+14cos⁡2y]0π/2=π28−12,\displaystyle E(Y^2)=\int_0^{\pi/2}y^2\sin2y\,dy =\left[-\frac{y^2}{2}\cos2y+\frac y2\sin2y+\frac14\cos2y\right]_0^{\pi/2} =\frac{\pi^2}{8}-\frac12, 分散の定義で (y−m)2=y2−2my+m2(y-m)^2=y^2-2my+m^2 を展開し、∫0π/2g(y) dy=1\displaystyle \int_0^{\pi/2}g(y)\,dy=1 と ∫0π/2yg(y) dy=m\displaystyle \int_0^{\pi/2}yg(y)\,dy=m を用いると、V(Y)=E(Y2)−m2V(Y)=E(Y^2)-m^2 となる。ゆえに V(Y)=E(Y2)−{E(Y)}2=π28−12−π216=π2−816.\displaystyle V(Y)=E(Y^2)-\{E(Y)\}^2 =\frac{\pi^2}{8}-\frac12-\frac{\pi^2}{16} =\frac{\pi^2-8}{16}.

(2) 2区間が交わる条件 A=[3a+3,3a+6],B=[a3−4a, a3+2a2−8a+3].A=[3a+3,3a+6],\qquad B=[a^3-4a,\ a^3+2a^2-8a+3]. 区間の長さはそれぞれ3と 2(a−1)2+1>02(a-1)^2+1>0 であるから、交わる条件は 3a+3≦a3+2a2−8a+3,a3−4a≦3a+6.3a+3\le a^3+2a^2-8a+3, \qquad a^3-4a\le3a+6. すなわち a(a2+2a−11)≧0,(a+2)(a+1)(a−3)≦0.a(a^2+2a-11)\ge0, \qquad (a+2)(a+1)(a-3)\le0. 第1式の解は−1−23≦a≦0 または a≧−1+23-1-2\sqrt3\le a\le0\text{ または }a\ge-1+2\sqrt3、第2式の解はa≦−2 または −1≦a≦3a\le-2\text{ または }-1\le a\le3である。共通部分は −1−23≦a≦−2または−1≦a≦0または−1+23≦a≦3.-1-2\sqrt3\le a\le-2\quad\text{または}\quad-1\le a\le0\quad\text{または}\quad-1+2\sqrt3\le a\le3.

(3) 平行四辺形 頂点の順がOPQROPQRなのでOQ→=OP→+OR→\overrightarrow{OQ}=\overrightarrow{OP}+\overrightarrow{OR}。したがって Q=(0,1,−1)+(1,b,1/b)=(1,b+1,1/b−1),Q=(0,1,-1)+(1,b,1/b)=(1,b+1,1/b-1), よりc=b+1, d=1/b−1c=b+1,\ d=1/b-1。ここで u=OP→\boldsymbol{u}=\overrightarrow{OP}、v=OR→\boldsymbol{v}=\overrightarrow{OR} とし、2辺のなす角を θ\theta とする。 u\boldsymbol{u} の第1成分は0、v\boldsymbol{v} の第1成分は1なので、2辺は平行ではなく 0<θ<π0<\theta<\pi である。 底辺を ∣u∣|\boldsymbol{u}| とすると高さは ∣v∣sin⁡θ|\boldsymbol{v}|\sin\theta であり、内積の定義から S=∣u∣∣v∣sin⁡θ,u⋅v=∣u∣∣v∣cos⁡θ.S=|\boldsymbol{u}||\boldsymbol{v}|\sin\theta, \qquad \boldsymbol{u}\cdot\boldsymbol{v}=|\boldsymbol{u}||\boldsymbol{v}|\cos\theta. sin⁡2θ=1−cos⁡2θ\sin^2\theta=1-\cos^2\theta を用いて S2=∣u∣2∣v∣2−(u⋅v)2S^2=|\boldsymbol{u}|^2|\boldsymbol{v}|^2-(\boldsymbol{u}\cdot\boldsymbol{v})^2 を得る。成分から ∣u∣2=2,∣v∣2=1+b2+1b2,u⋅v=b−1b.\displaystyle |\boldsymbol{u}|^2=2,\qquad |\boldsymbol{v}|^2=1+b^2+\frac1{b^2},\qquad \boldsymbol{u}\cdot\boldsymbol{v}=b-\frac1b. したがって S(b)2=2(1+b2+1b2)−(b−1b)2=b2+1b2+4.\displaystyle S(b)^2=2\left(1+b^2+\frac1{b^2}\right) -\left(b-\frac1b\right)^2 =b^2+\frac1{b^2}+4. 面積は正なので S(b)=b2+1b2+4.\displaystyle S(b)=\sqrt{b^2+\frac1{b^2}+4}. b2+1/b2≧2b^2+1/b^2\ge2((∣b∣−1/∣b∣)2≧0(|b|-1/|b|)^2\ge0)よりS(b)≧6S(b)\ge\sqrt6。等号はb=±1b=\pm1で成り立つ。

解答 あ=24,い=π4,う=π2−816,(え,お)=(−1−23,−2),(か,き)=(−1,0),(く,け)=(−1+23,3),こ=b+1,さ=1b−1,し=b2+1b2+4,す=6.\displaystyle \begin{gathered} \text{あ}=\frac{\sqrt2}{4},\quad \text{い}=\frac\pi4,\quad \text{う}=\frac{\pi^2-8}{16},\\ (\text{え},\text{お})=(-1-2\sqrt3,-2),\quad (\text{か},\text{き})=(-1,0),\quad (\text{く},\text{け})=(-1+2\sqrt3,3),\\ \text{こ}=b+1,\quad \text{さ}=\frac1b-1,\quad \text{し}=b^2+\frac1{b^2}+4,\quad \text{す}=\sqrt6. \end{gathered}

この問題で使う考え方

  • 連続型確率変数
  • 確率変数の平均・分散・標準偏差
  • 部分積分法
  • 三角・指数・対数関数等の積分
  • 集合と包含
  • 命題と必要十分条件
  • 三次の乗法・因数分解公式
  • 等式・不等式の証明

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