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長崎大学/2026年度/前期

長崎大学 2026年 数学 第8問解答・解説

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1問題

長崎大学2026年度第8問

以下はそれぞれ個別の問題である。各問いに答えよ。

(1) xx についての多項式 P(x)=x2+ax+bP(x)=x^{2}+ax+b がある。ただし、a≠0a\neq0、b≠0b\neq0 とする。P(x2)P(x^{2}) を a,b,xa,b,x の式で表し、P(x2)P(x^{2}) を P(x)P(x) で割ったときの商 Q(x)Q(x) と余り R(x)R(x) を求めよ。ただし、P(x2)P(x^{2})、Q(x)Q(x)、R(x)R(x) は答えのみでよい。また、P(x2)P(x^{2}) が P(x)P(x) で割り切れるとき、定数 a,ba,b の値をそれぞれ求めよ。

(2) a≧1a\geq1 のとき、定積分 ∫1−a1+a∣ex−1∣ dx\displaystyle \int_{1-a}^{1+a}\lvert e^{x}-1\rvert\,dx を aa を用いて表せ。また、この定積分が取りうる値の範囲を求めよ。

(注) (3)は選択問題である。(A)、(B)いずれか1問を解答すること。選択する問題のアルファベットを解答用紙にある選択欄に記入せよ。

(3)(A) nn を自然数とする。関数 sin⁡x\sin x の第 nn 次導関数を (sin⁡x)(n)(\sin x)^{(n)} と表すとき、(sin⁡x)(n)=sin⁡(x+nπ2)\displaystyle (\sin x)^{(n)}=\sin\left(x+\dfrac{n\pi}{2}\right) が成り立つことを、数学的帰納法を用いて証明せよ。ただし、ddx(sin⁡x)=cos⁡x\displaystyle \dfrac{d}{dx}(\sin x)=\cos x は成り立つものとする。また、(sin⁡x)(n)=(sin⁡x)(n+4)(\sin x)^{(n)}=(\sin x)^{(n+4)} であることを示せ。

(3)(B) aa は、−1,0,1-1,0,1 のいずれかの値をとる確率変数で、−1-1 をとる確率が 16\displaystyle \dfrac{1}{6}、00 をとる確率が 13\displaystyle \dfrac{1}{3}、11 をとる確率が 12\displaystyle \dfrac{1}{2} である。xx についての方程式 ax2−2ax+1=0ax^{2}-2ax+1=0 の解の個数を確率変数 XX とするとき、XX の確率分布を求めよ。また、XX の平均および分散を求めよ。ただし、解が重解の場合、個数は1個とする。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) P(x2)=x4+ax2+bP(x^2)=x^4+ax^2+b, Q(x)=x2−ax+a2+a−bQ(x)=x^2-ax+a^2+a-b, R(x)=a(2b−a2−a)x+b(1−a2−a+b)R(x)=a(2b-a^2-a)x+b(1-a^2-a+b)。割り切れるとき (a,b)=(1,1), (−2,1)(a,b)=(1,1),\ (-2,1)。 / (2) ea+1+e1−a−4e^{a+1}+e^{1-a}-4、範囲は [e2−3,∞)[e^2-3,\infty)。 / (3)(B) P(X=0)=13,P(X=1)=12,P(X=2)=16\displaystyle P(X=0)=\frac13,\quad P(X=1)=\frac12,\quad P(X=2)=\frac16。平均 56\displaystyle \frac56、分散 1736\displaystyle \frac{17}{36}。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) P(x2)=x4+ax2+bP(x^2)=x^4+ax^2+b であり、多項式の除法を行うと x4+ax2+b=(x2+ax+b)(x2−ax+a2+a−b)+a(2b−a2−a)x+b(1−a2−a+b)x^4+ax^2+b=(x^2+ax+b)(x^2-ax+a^2+a-b)+a(2b-a^2-a)x+b(1-a^2-a+b) となる。最後の二項は xx に関する一次以下の式なので、 Q(x)=x2−ax+a2+a−b,R(x)=a(2b−a2−a)x+b(1−a2−a+b)Q(x)=x^2-ax+a^2+a-b,\qquad R(x)=a(2b-a^2-a)x+b(1-a^2-a+b) である。割り切れるための必要十分条件は余りの各係数が 00 であること。a≠0, b≠0a\ne0,\ b\ne0 より 2b=a2+a,b=a2+a−1.2b=a^2+a,\qquad b=a^2+a-1. これらを合わせて a2+a−2=0a^2+a-2=0、すなわち (a−1)(a+2)=0(a-1)(a+2)=0 を得る。よって a=1a=1 または a=−2a=-2 であり、いずれも b=a2+a−1=1b=a^2+a-1=1 となる。

(2) a≧1a\ge1 だから 1−a≦0≦1+a1-a\le0\le1+a である。また ex≦1e^x\le1 は x≦0x\le0 のとき、ex≧1e^x\ge1 は x≧0x\ge0 のとき成り立つ。そこで積分を x=0x=0 で分けると ∫1−a1+a∣ex−1∣ dx=∫1−a0(1−ex) dx+∫01+a(ex−1) dx=a−2+e1−a+e1+a−a−2=ea+1+e1−a−4.\displaystyle \begin{aligned} \int_{1-a}^{1+a}|e^x-1|\,dx &=\int_{1-a}^{0}(1-e^x)\,dx+\int_0^{1+a}(e^x-1)\,dx\\ &=a-2+e^{1-a}+e^{1+a}-a-2\\ &=e^{a+1}+e^{1-a}-4. \end{aligned} これを F(a)F(a) とおくと F′(a)=ea+1−e1−a=e1−a(e2a−1)>0(a≧1)F'(a)=e^{a+1}-e^{1-a}=e^{1-a}(e^{2a}-1)>0\qquad(a\ge1) なので FF は a≧1a\ge1 で増加する。また F(1)=e2−3F(1)=e^2-3、lim⁡a→∞F(a)=∞\displaystyle \lim\limits _{a\to\infty}F(a)=\infty であり、FF は連続である。したがって取りうる値の範囲は F(a)≧e2−3F(a)\ge e^2-3 である。

(3) は (B) を選ぶ。a=−1a=-1 のとき、方程式は x2−2x−1=0x^2-2x-1=0 であり、判別式は 8>08>0 だから異なる二つの実数解をもつ。a=0a=0 のときは 1=01=0 となり解はない。a=1a=1 のときは (x−1)2=0(x-1)^2=0 となり、解は重解 x=1x=1 の一個である。よって確率分布は X012P131216\displaystyle \begin{array}{c|ccc} X&0&1&2\\ \hline P&\frac13&\frac12&\frac16 \end{array} である。したがって E(X)=0⋅13+1⋅12+2⋅16=56,E(X2)=02⋅13+12⋅12+22⋅16=76.\displaystyle E(X)=0\cdot\frac13+1\cdot\frac12+2\cdot\frac16=\frac56, \qquad E(X^2)=0^2\cdot\frac13+1^2\cdot\frac12+2^2\cdot\frac16=\frac76. ゆえに Var⁡(X)=E(X2)−{E(X)}2=76−(56)2=1736.\displaystyle \operatorname{Var}(X)=E(X^2)-\{E(X)\}^2=\frac76-\left(\frac56\right)^2=\frac{17}{36}.

この問題で使う考え方

  • 二次方程式とグラフ
  • 多項式の除法
  • 指数関数のグラフ・増減
  • 定積分
  • 二次方程式の判別式
  • 指数・対数関数の微分
  • 三角・指数・対数関数等の積分
  • 確率変数と確率分布

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