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慶應義塾大学/2026年度/前期

慶應義塾大学 2026年 数学 第III問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2026年度第III問

以下の文章の空欄に適切な数,記号または式を入れて文章を完成させなさい。また,設問(5)に答えなさい。以下の設問(1)~(7)を通じて,iiを虚数単位とし,z=cos⁡2π7+isin⁡2π7,a=z+1z\displaystyle z=\cos\frac{2\pi}{7}+i\sin\frac{2\pi}{7},\qquad a=z+\frac{1}{z} とする。

(1) zr=1z^r=1を満たす自然数rrの中で,最小のものをkkとすると,k=あk=\boxed{\text{あ}}であり,どんな自然数llに対しても,zlz^lは1のあ\boxed{\text{あ}}乗根である。z−1≠0z-1\neq0であるから,等式 zk−1z−1=0\displaystyle \frac{z^k-1}{z-1}=0 が成り立つ。また,a=2cos⁡(いπ)a=2\cos(\boxed{\text{い}}\pi)である。ただし,0<い<10<\boxed{\text{い}}<1とする。次に,aaを用いて z2+1z2=う,z3+1z3=え\displaystyle z^2+\frac{1}{z^2}=\boxed{\text{う}},\qquad z^3+\frac{1}{z^3}=\boxed{\text{え}} と表される。以上のことから,aaは整数を係数とする3次方程式 x3+おx2+かx+き=0x^3+\boxed{\text{お}}x^2+\boxed{\text{か}}x+\boxed{\text{き}}=0 の解であり,この方程式のaa以外の2つの解は b=2cos⁡(くπ),c=2cos⁡(けπ)b=2\cos(\boxed{\text{く}}\pi),\qquad c=2\cos(\boxed{\text{け}}\pi) と表される。ただし,0<く<け<10<\boxed{\text{く}}<\boxed{\text{け}}<1とする。

(2) 不等式 m<a<m+1\sqrt{m}<a<\sqrt{m+1} を満たす自然数mmは こ\boxed{\text{こ}} である。

(3) 不等式 n10<a<n+110\displaystyle \sqrt{\frac{n}{10}}<a<\sqrt{\frac{n+1}{10}} を満たす自然数nnは さ\boxed{\text{さ}} である。

(4) a,∣b∣,∣c∣a,|b|,|c|の大小関係は,し<す<せ\boxed{\text{し}}<\boxed{\text{す}}<\boxed{\text{せ}} である。ただし,し,す,せ\boxed{\text{し}},\boxed{\text{す}},\boxed{\text{せ}}には,それぞれa,∣b∣,∣c∣a,|b|,|c|のいずれか1つを記入しなさい。

(5) a,∣b∣,∣c∣a,|b|,|c|を3辺の長さとする三角形が存在するかどうか,理由とともに答えなさい。

(6) 複素数平面上の原点OOと2点A(z3),B(iz)A(z^3),B(iz)を考える。直線OAOAに関して点BBと対称な点を表す複素数γ\gammaは,aaを用いて γ=そz3+たiz\gamma=\boxed{\text{そ}}z^3+\boxed{\text{た}}iz と表される。ただし,そ,た\boxed{\text{そ}},\boxed{\text{た}}は実数とする。

(7) w=1+3i2\displaystyle w=\frac{1+\sqrt{3}i}{2}とする。自然数ddが1≦d≦20261\leq d\leq2026の範囲を動くとき,∣zd+wd∣|z^d+w^d|の最大値は ち\boxed{\text{ち}} であり,∣zd+wd∣=ち|z^d+w^d|=\boxed{\text{ち}} を満たすddの個数は つ\boxed{\text{つ}} である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • あ=7, =7,\space{} い=27, \displaystyle =\frac27,\space{} う=a2−2, =a^2-2,\space{} え=a3−3a, (=a^3-3a,\space{}(お,か,き)=(1,−2,−1), ()=(1,-2,-1),\space{}(く,け)=(47,67), \displaystyle )=\left(\frac47,\frac67\right),\space{} こ=1, =1,\space{} さ=15, (=15,\space{}(し,す,せ)=(∣b∣,a,∣c∣), )=(|b|,a,|c|),\space{} (5) 三角形は存在しない, そ=a4−a2, =a\sqrt{4-a^2},\space{} た=−1, =-1,\space{} ち=2, =2,\space{} つ=48.=48.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

第III問 解答

θ=2π/7\theta=2\pi/7 とおく。z=cos⁡θ+isin⁡θz=\cos\theta+i\sin\theta は絶対値が 11 なので、z−1=z‾z^{-1}=\overline z である。

(1) zr=1z^r=1 となる条件は rθr\theta が 2π2\pi の整数倍となること、すなわち 7∣r7\mid r である。したがって最小の自然数は k=7k=7 であり、すべての自然数 ll について (zl)7=1(z^l)^7=1 となる。また a=z+z−1=2cos⁡θ=2cos⁡2π7.\displaystyle a=z+z^{-1}=2\cos\theta=2\cos\frac{2\pi}{7}. よって あ=7\text{あ}=7、い=2/7\text{い}=2/7 である。z+z−1=az+z^{-1}=a を平方・立方すると z2+z−2=a2−2,z3+z−3=a3−3a.z^2+z^{-2}=a^2-2,\qquad z^3+z^{-3}=a^3-3a. z≠1z\ne1 かつ z7=1z^7=1 より 1+z+⋯+z6=01+z+\cdots+z^6=0 である。両辺に z−3z^{-3} を掛け、互いに逆数の項を組にすると 0=1+(z+z−1)+(z2+z−2)+(z3+z−3)=a3+a2−2a−1.0=1+(z+z^{-1})+(z^2+z^{-2})+(z^3+z^{-3}) =a^3+a^2-2a-1. 従って う=a2−2\text{う}=a^2-2、え=a3−3a\text{え}=a^3-3a、(お,か,き)=(1,−2,−1)(\text{お},\text{か},\text{き})=(1,-2,-1) である。

p(x)=x3+x2−2x−1p(x)=x^3+x^2-2x-1 とする。j=1,2,3j=1,2,3 に対し zjz^j も 11 以外の 77 乗根であるから、同じ等比数列の計算により 2cos⁡(2jπ/7)2\cos(2j\pi/7) は p(x)=0p(x)=0 の解である。0<2π/7<4π/7<6π/7<π0<2\pi/7<4\pi/7<6\pi/7<\pi で余弦の値は角度が大きくなると必ず小さくなるため、これらは相異なる三つの解である。原文の 0<く<け<10<\text{く}<\text{け}<1 に従い b=2cos⁡4π7,c=2cos⁡6π7,く=47,け=67.\displaystyle b=2\cos\frac{4\pi}{7},\qquad c=2\cos\frac{6\pi}{7},\qquad \boxed{\text{く}=\frac47,\quad\text{け}=\frac67}.

(2) π/4<2π/7<π/3\pi/4<2\pi/7<\pi/3 である。余弦関数は引数が0から π\pi まで増えると値が必ず小さくなるので 1=2cos⁡π3<a=2cos⁡2π7<2cos⁡π4=2.\displaystyle 1=2\cos\frac\pi3<a=2\cos\frac{2\pi}{7}<2\cos\frac\pi4=\sqrt2. 従って 1<a<2\sqrt1<a<\sqrt2 より こ=1\boxed{\text{こ}=1} である。

(3) x≧1x\ge1 では p′(x)=3x2+2x−2>0p'(x)=3x^2+2x-2>0 である。α=3/2\alpha=\sqrt{3/2}、β=8/5\beta=\sqrt{8/5} とおくと p(α)=1−α2<0,p(β)=3−2β5>0\displaystyle p(\alpha)=\frac{1-\alpha}{2}<0, \qquad p(\beta)=\frac{3-2\beta}{5}>0 である。後者は β2=8/5<9/4\beta^2=8/5<9/4 より β<3/2\beta<3/2 による。a>1a>1、p(a)=0p(a)=0 と単調性から 1510=α<a<β=1610.\displaystyle \sqrt{\frac{15}{10}}=\alpha<a<\beta=\sqrt{\frac{16}{10}}. 従って さ=15\boxed{\text{さ}=15} である。

(4) π/2<4π/7<6π/7<π\pi/2<4\pi/7<6\pi/7<\pi より b,c<0b,c<0 であり、cos⁡(π−t)=−cos⁡t\cos(\pi-t)=-\cos t を使うと ∣b∣=2cos⁡3π7,a=2cos⁡2π7,∣c∣=2cos⁡π7.\displaystyle |b|=2\cos\frac{3\pi}{7},\qquad a=2\cos\frac{2\pi}{7},\qquad |c|=2\cos\frac\pi7. π/7<2π/7<3π/7\pi/7<2\pi/7<3\pi/7 であるから し=∣b∣<す=a<せ=∣c∣.\boxed{\text{し}=|b|<\text{す}=a<\text{せ}=|c|}.

(5) 解と係数の関係から a+b+c=−1a+b+c=-1 である。また p(−1/2)=1/8>0p(-1/2)=1/8>0、p(0)=−1<0p(0)=-1<0 なので、pp は −1/2<x<0-1/2<x<0 の範囲に解をもつ。a>1a>1、c=2cos⁡(6π/7)<−1c=2\cos(6\pi/7)<-1 であり、三つの解は a,b,ca,b,c に尽きるから、その解は bb である。従って −1/2<b<0-1/2<b<0 である。(4) の最大辺は ∣c∣|c| であり ∣c∣−(a+∣b∣)=−c−a+b=1+2b>0.|c|-(a+|b|)=-c-a+b=1+2b>0. 最大辺が他の二辺の和を超えるため、この三辺をもつ三角形は存在しない\boxed{\text{この三辺をもつ三角形は存在しない}}。

(6) q=z3q=z^3 は直線 OAOA の単位方向を表す。単位複素数 qq の方向の原点を通る直線に関する uu の鏡映は、uu を q‾\overline q 倍して実軸に回し、共役をとり、qq 倍して戻すことから q2u‾q^2\overline u である。従って u=izu=iz の像は γ=z6iz‾=−iz5.\gamma=z^6\overline{iz}=-iz^5. ここで z2−z−2=2isin⁡(4π/7)z^2-z^{-2}=2i\sin(4\pi/7) より γ+iz=iz(1−z4)=iz3(z−2−z2)=2sin⁡4π7 z3.\displaystyle \gamma+iz=iz(1-z^4)=iz^3(z^{-2}-z^2) =2\sin\frac{4\pi}{7}\,z^3. a=2cos⁡θ>0a=2\cos\theta>0、0<θ<π/20<\theta<\pi/2 なので 4−a2=2sin⁡θ\sqrt{4-a^2}=2\sin\theta。倍角の公式から 2sin⁡4π7=2sin⁡(2θ)=4sin⁡θcos⁡θ=a4−a2.\displaystyle 2\sin\frac{4\pi}{7}=2\sin(2\theta) =4\sin\theta\cos\theta=a\sqrt{4-a^2}. 従って γ=a4−a2 z3−iz,そ=a4−a2,た=−1.\gamma=a\sqrt{4-a^2}\,z^3-iz, \qquad \boxed{\text{そ}=a\sqrt{4-a^2},\quad\text{た}=-1}. 両係数は実数である。

(7) w=(1+3i)/2=cos⁡(π/3)+isin⁡(π/3)w=(1+\sqrt3i)/2=\cos(\pi/3)+i\sin(\pi/3) であり、∣z∣=∣w∣=1|z|=|w|=1 である。θ−π/3=−π/21\theta-\pi/3=-\pi/21 を用いると ∣zd+wd∣2=2+2Re⁡(zdwd‾)=2+2cos⁡dπ21≦4.\displaystyle |z^d+w^d|^2 =2+2\operatorname{Re}\bigl(z^d\overline{w^d}\bigr) =2+2\cos\frac{d\pi}{21}\le4. 等号は dπ/21d\pi/21 が 2π2\pi の整数倍となるとき、すなわち 42∣d42\mid d のとき、かつそのときに限る。d=42d=42 は指定範囲内なので最大値は 22 である。また 42⋅48=2016≦2026<2058=42⋅4942\cdot48=2016\le2026<2058=42\cdot49 より該当する dd は 4848 個である。従って ち=2,つ=48\boxed{\text{ち}=2,\quad\text{つ}=48} である。

全解答 あ=7,い=27,う=a2−2,え=a3−3a,(お,か,き)=(1,−2,−1),(く,け)=(47,67),こ=1,さ=15,(し,す,せ)=(∣b∣,a,∣c∣),(5) 三角形は存在しない,そ=a4−a2,た=−1,ち=2,つ=48.\displaystyle \begin{gathered} \text{あ}=7,\quad \text{い}=\frac27,\quad \text{う}=a^2-2,\quad \text{え}=a^3-3a,\quad (\text{お},\text{か},\text{き})=(1,-2,-1),\\ (\text{く},\text{け})=\left(\frac47,\frac67\right),\quad \text{こ}=1,\quad \text{さ}=15,\\ (\text{し},\text{す},\text{せ})=(|b|,a,|c|),\quad \text{(5) 三角形は存在しない},\\ \text{そ}=a\sqrt{4-a^2},\quad \text{た}=-1,\quad \text{ち}=2,\quad \text{つ}=48. \end{gathered}

この問題で使う考え方

  • 等比数列の一般項と和
  • 複素数の四則演算
  • 三角関数の周期・グラフ
  • 二倍角の公式
  • 多項式の導関数
  • 導関数と増減
  • 解と係数の関係
  • 関数の連続性

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