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長崎大学/2020年度/前期

長崎大学 2020年 数学 第3問解答・解説

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1問題

長崎大学2020年度第3問

以下はそれぞれ個別の問題である。各問いに答えよ。

(1) −π≦x≦π-\pi\leq x\leq\pi で定義された関数 f(x)=3sin⁡xsin⁡2x+cos⁡3xf(x)=3\sin x\sin 2x+\cos 3x がある。f(x)f(x) を cos⁡x\cos x の式で表し、f(x)f(x) の最大値および最小値を求めよ。また、そのときの xx の値を求めよ。

(2) 不等式 23+log⁡8(2x2−x+1)≦log⁡2(x+1)\displaystyle \frac{2}{3}+\log_{8}(2x^2-x+1)\leq\log_{2}(x+1) を解け。

(3) 0でなく、かつ1でもない複素数 zz に対して、複素数平面上に3点 P(1z), Q(11−z), R(1)\displaystyle P\left(\frac{1}{z}\right),\ Q\left(\frac{1}{1-z}\right),\ R(1) をとる。点 RR が線分 PQPQ を t:(1−t) (0≦t≦1)t:(1-t)\ (0\leq t\leq1) の比に分けるとき、zz は実数ではないことを示せ。

(4) α=1+2, β=1−2\alpha=1+\sqrt{2},\ \beta=1-\sqrt{2} に対して、Pn=αn+βnP_n=\alpha^n+\beta^n とする。このとき、P1P_1 および P2P_2 の値を求めよ。また、すべての自然数 nn に対して、PnP_n は4の倍数ではない偶数であることを証明せよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

各小問を独立に処理し、三角関数は u=cos x に置換、対数不等式は真数条件を確認して同値変形、複素数の内分条件は複素数表示に代入、数列は漸化式と数学的帰納法で処理した。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) f(x)=3cos⁡x−2cos⁡3x,max⁡f=2 (x=±π4),min⁡f=−2 (x=±3π4).\displaystyle (1)\space{}f(x)=3\cos x-2\cos^3 x,\quad \max f=\sqrt{2}\space{}(x=\pm\tfrac{\pi}{4}),\quad \min f=-\sqrt{2}\space{}(x=\pm\tfrac{3\pi}{4}).
    (2) x=1(2)\space{}x=1 または x≧3.x\ge 3.
    (3) z∉R.(3)\space{}z\notin\mathbb{R}.
    (4) P1=2, P2=6; Pn(4)\space{}P_1=2,\space{}P_2=6;\space{}P_n はすべての自然数 n について4の倍数ではない偶数。

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) u=cos⁡xu=\cos x とおくと、−1≦u≦1-1\le u\le1 である。倍角・加法定理より f(x)=3sin⁡x(2sin⁡xcos⁡x)+4cos⁡3x−3cos⁡x=6(1−u2)u+4u3−3u=3u−2u3.\begin{aligned} f(x)&=3\sin x(2\sin x\cos x)+4\cos^3x-3\cos x\\ &=6(1-u^2)u+4u^3-3u=3u-2u^3. \end{aligned} g(u)=3u−2u3g(u)=3u-2u^3 とおけば、g′(u)=3−6u2g'(u)=3-6u^2 である。したがって gg は −1<u<−1/2-1<u<-1/\sqrt2 および 1/2<u<11/\sqrt2<u<1 で減少し、−1/2<u<1/2-1/\sqrt2<u<1/\sqrt2 で増加する。端点と極値候補での値は g(−1)=−1, g(1)=1, g(−1/2)=−2, g(1/2)=2g(-1)=-1,\ g(1)=1,\ g(-1/\sqrt2)=-\sqrt2,\ g(1/\sqrt2)=\sqrt2である。よって最大値は 2\sqrt2 で、cos⁡x=1/2\cos x=1/\sqrt2 より x=±π/4x=\pm\pi/4、最小値は −2-\sqrt2 で、cos⁡x=−1/2\cos x=-1/\sqrt2 より x=±3π/4x=\pm3\pi/4 である(いずれも −π≦x≦π-\pi\le x\le\pi)。

(2) 定義域は x>−1x>-1 である。また 2x2−x+1=2(x−1/4)2+7/8>02x^2-x+1=2(x-1/4)^2+7/8>0 なので、この対数の真数は常に正である。 23+log⁡8(2x2−x+1)=13log⁡2{4(2x2−x+1)}.\displaystyle \frac23+\log_8(2x^2-x+1)=\frac13\log_2\{4(2x^2-x+1)\}. 底2の対数関数は増加関数であるから、もとの不等式は、定義域 x>−1x>-1 のもとで 4(2x2−x+1)≦(x+1)34(2x^2-x+1)\le (x+1)^3 と同値である。整理すると (x+1)3−4(2x2−x+1)=x3−5x2+7x−3=(x−1)2(x−3)≧0.(x+1)^3-4(2x^2-x+1)=x^3-5x^2+7x-3=(x-1)^2(x-3)\ge0. よって解は x=1x=1 または x≧3x\ge3 である。

(3) PR:RQ=t:(1−t)PR:RQ=t:(1-t) より、点 RR の複素数表示は (1−t)P+tQ(1-t)P+tQ である。したがって 1=1−tz+t1−z.\displaystyle 1=\frac{1-t}{z}+\frac{t}{1-z}. z≠0,1z\ne0,1 なので両辺に z(1−z)z(1-z) を掛けてよく、整理すると z2−2(1−t)z+(1−t)=0,(z−(1−t))2=−t(1−t).z^2-2(1-t)z+(1-t)=0,\qquad (z-(1-t))^2=-t(1-t). t=0t=0 なら z=1z=1、t=1t=1 なら z=0z=0 となり、いずれも条件に反する。よって 0<t<10<t<1 である。このとき右辺 −t(1−t)-t(1-t) は負である。zz が実数なら左辺は実数の平方として0以上になるため矛盾する。ゆえに zz は実数ではない。

(4) α+β=2, αβ=−1\alpha+\beta=2,\ \alpha\beta=-1 なので、α,β\alpha,\beta はともに方程式 y2−2y−1=0y^2-2y-1=0 を満たし、y2=2y+1y^2=2y+1 である。したがって P1=α+β=2, P2=(α+β)2−2αβ=6P_1=\alpha+\beta=2,\ P_2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta=6 であり、すべての n≧1n\ge1 について Pn+2=2Pn+1+PnP_{n+2}=2P_{n+1}+P_n が成り立つ。ここで各 nn について Pn=4q+2P_n=4q+2(qq は整数)となることを示す。n=1,2n=1,2 では P1=4⋅0+2, P2=4⋅1+2P_1=4\cdot0+2,\ P_2=4\cdot1+2 で成立する。Pn=4a+2, Pn+1=4b+2P_n=4a+2,\ P_{n+1}=4b+2(a,ba,b は整数)と仮定すると、 Pn+2=2(4b+2)+(4a+2)=4(2b+a+1)+2P_{n+2}=2(4b+2)+(4a+2)=4(2b+a+1)+2 となり、同じ形である。数学的帰納法によりすべての自然数 nn で PnP_n は4で割ると2余る。したがって PnP_n は偶数であり、4の倍数ではない。

この問題で使う考え方

  • 二倍角の公式
  • 三角関数の加法定理
  • 三角関数の相互関係
  • 多項式の導関数
  • 導関数と増減
  • 対数とその性質
  • 対数関数のグラフ・増減
  • 内分・外分点

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