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順天堂大学/2026年度/一般選抜A方式

順天堂大学 2026年 数学 第III問解答・解説

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1問題

順天堂大学2026年度第III問

以下の問いに答えよ。

(1) 導関数の定義にしたがって (sin⁡x)′=cos⁡x(\sin x)'=\cos x を示せ。ただし, lim⁡x→0sin⁡xx=1\displaystyle \lim\limits _{x\to0}\frac{\sin x}{x}=1 は用いてよい。

(2) x≧0x\geq0 のとき, sin⁡x≦x\sin x\leq x が成り立つことを示せ。

(3) 自然数 nn に対して, Sn(x)=∑k=1n(−1)k−1x2k−1(2k−1)!,Tn(x)=∑k=1n(−1)k−1x2k−2(2k−2)!\displaystyle S_{n}(x)=\sum\limits _{k=1}^{n}(-1)^{k-1}\frac{x^{2k-1}}{(2k-1)!},\qquad T_{n}(x)=\sum\limits _{k=1}^{n}(-1)^{k-1}\frac{x^{2k-2}}{(2k-2)!} とし, これらを用いて Fn(x)=(−1)n−1{Sn(x)−sin⁡x},Gn(x)=(−1)n−1{Tn(x)−cos⁡x}F_{n}(x)=(-1)^{n-1}\{S_{n}(x)-\sin x\},\qquad G_{n}(x)=(-1)^{n-1}\{T_{n}(x)-\cos x\} とする。x≧0x\geq0 のとき, すべての自然数 nn に対して, Fn(x)≧0F_{n}(x)\geq0 および Gn(x)≧0G_{n}(x)\geq0 が成り立つことを示せ。ただし, x=0x=0 のとき, Tn(0)=1T_{n}(0)=1 とする。

(4) 0.83<sin⁡1<0.850.83<\sin 1<0.85 を示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

三角関数の加法定理と与えられた基本極限から導関数を求める。導関数の符号と自然数 n に関する帰納法で有限部分和の誤差の符号を示し、その n=2,3 の結果で sin 1 を挟む。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) (sin⁡x)′=cos⁡x(2) sin⁡x≦x(x≧0)(3) Fn(x)≧0, Gn(x)≧0(x≧0, n∈N)(4) 0.83<sin⁡1<0.85\begin{gathered} (1)\space{}(\sin x)'=\cos x\\ (2)\space{}\sin x\le x\quad(x\ge0)\\ (3)\space{}F_n(x)\ge0,\space{}G_n(x)\ge0\quad(x\ge0,\space{}n\in\mathbb N)\\ (4)\space{}0.83<\sin 1<0.85 \end{gathered}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 加法定理より sin⁡(x+h)−sin⁡xh=sin⁡x cos⁡h−1h+cos⁡x sin⁡hh.\displaystyle \frac{\sin(x+h)-\sin x}{h} =\sin x\,\frac{\cos h-1}{h}+\cos x\,\frac{\sin h}{h}. また,cos⁡h−1=−2sin⁡2(h/2)\cos h-1=-2\sin^2(h/2) だから cos⁡h−1h=−h2(sin⁡(h/2)h/2)2⟶0(h→0).\displaystyle \frac{\cos h-1}{h} =-\frac h2\left(\frac{\sin(h/2)}{h/2}\right)^2\longrightarrow0 \quad(h\to0). 問題文で与えられた極限と合わせると (sin⁡x)′=lim⁡h→0sin⁡(x+h)−sin⁡xh=cos⁡x\displaystyle (\sin x)'=\lim\limits _{h\to0}\frac{\sin(x+h)-\sin x}{h} =\cos x を得る。

(2) f(x)=x−sin⁡xf(x)=x-\sin x とおく。(1)より f′(x)=1−cos⁡xf'(x)=1-\cos x である。三角関数の基本関係 sin⁡2x+cos⁡2x=1\sin^2x+\cos^2x=1 から cos⁡x≦1\cos x\le1 なので,f′(x)≧0f'(x)\ge0 である。したがって ff は x≧0x\ge0 の範囲で増加し,f(0)=0f(0)=0 から f(x)≧0f(x)\ge0,すなわち sin⁡x≦x\sin x\le x である。

(3) まず n=1n=1 では F1(x)=x−sin⁡x≧0F_1(x)=x-\sin x\ge0 は (2) の結果であり, G1(x)=1−cos⁡x≧0G_1(x)=1-\cos x\ge0 も cos⁡x≦1\cos x\le1 から成り立つ。

n≧2n\ge2 とする。有限和を項別に微分すると Sn′(x)=Tn(x),Tn′(x)=∑k=2n(−1)k−1x2k−3(2k−3)!=−Sn−1(x).\displaystyle S_n'(x)=T_n(x),\qquad T_n'(x)=\sum\limits _{k=2}^{n}(-1)^{k-1}\frac{x^{2k-3}}{(2k-3)!} =-S_{n-1}(x). また,加法定理と (1) で用いた極限から (cos⁡x)′=lim⁡h→0(cos⁡x cos⁡h−1h−sin⁡x sin⁡hh)=−sin⁡x.\displaystyle (\cos x)'=\lim\limits _{h\to0} \left(\cos x\,\frac{\cos h-1}{h}-\sin x\,\frac{\sin h}{h}\right) =-\sin x. よって Fn′(x)=Gn(x),Gn′(x)=(−1)n−1{−Sn−1(x)+sin⁡x}=Fn−1(x).F_n'(x)=G_n(x),\qquad G_n'(x)=(-1)^{n-1}\{-S_{n-1}(x)+\sin x\}=F_{n-1}(x). さらに Fn(0)=0F_n(0)=0 であり,問題文の Tn(0)=1T_n(0)=1 と cos⁡0=1\cos0=1 から Gn(0)=0G_n(0)=0 である。いま Fn−1(x)≧0F_{n-1}(x)\ge0 と仮定すると,Gn′(x)≧0G_n'(x)\ge0 かつ Gn(0)=0G_n(0)=0 より Gn(x)≧0G_n(x)\ge0 である。続いて Fn′(x)=Gn(x)≧0F_n'(x)=G_n(x)\ge0 および Fn(0)=0F_n(0)=0 より Fn(x)≧0F_n(x)\ge0 となる。n=1n=1 で成り立ち,この議論で nn から n+1n+1 へ進めるので,すべての自然数 nn について両不等式が成り立つ。

(4) x=1x=1 として (3) の n=2n=2 を用いると 0≦F2(1)=sin⁡1−(1−13!)\displaystyle 0\le F_2(1)=\sin1-\left(1-\frac1{3!}\right) より 56≦sin⁡1\displaystyle \frac56\le\sin1 である。また n=3n=3 では 0≦F3(1)=1−13!+15!−sin⁡1\displaystyle 0\le F_3(1)=1-\frac1{3!}+\frac1{5!}-\sin1 だから sin⁡1≦101120\displaystyle \sin1\le\frac{101}{120} である。最後に 56−83100=1300>0,85100−101120=1120>0\displaystyle \frac56-\frac{83}{100}=\frac1{300}>0,\qquad \frac{85}{100}-\frac{101}{120}=\frac1{120}>0 なので 0.83<56≦sin⁡1≦101120<0.85.\displaystyle 0.83<\frac56\le\sin1\le\frac{101}{120}<0.85. 以上より示された。

この問題で使う考え方

  • 導関数と増減
  • 多項式の導関数
  • 三角関数の相互関係
  • 数学的帰納法
  • 総和記号と数列の和
  • 関数の極限
  • 三角関数の微分

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