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金沢大学/2003年度

金沢大学 2003年 数学 第3問解答・解説

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1問題

金沢大学2003年度第3問

以下の問いに答えよ。

(1) 次の (i), (ii) のグラフの概形を別々にかけ。

(i) y = 1 - |x|

(ii) y = 1/(1 + |x|)

(2) 区間 -1 ≦ x ≦ 1 において不等式 (ax + b)(1 - x^2) ≦ 1 - |x| が成り立つとき,定数 a, b の満たす条件を求めよ。

(3) a, b が (2) で求めた条件を満たすとき,区間 -1 ≦ x ≦ 1 で y = 1 - |x| と y = (ax + b)(1 - x^2) のグラフによって囲まれた図形の面積を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)(i) y=1−∣x∣y=1-|x| は頂点 (0,1)(0,1)、x切片 (−1,0),(1,0)(-1,0),(1,0) の逆V字型。(ii) y=11+∣x∣\displaystyle y=\frac1{1+|x|} は偶関数で (0,1)(0,1) を最大点とし、(±1,12)\displaystyle (\pm1,\frac12) を通り、∣x∣|x| の増加とともに減少して y=0y=0 に近づく。(2) 必要十分条件は b+∣a∣≦12\displaystyle b+|a|\le\frac12。(3) 面積 S=1−4b3\displaystyle S=1-\frac{4b}{3}。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)(i) 絶対値を場合分けすると y=1−∣x∣={1+x(x≦0),1−x(x≧0).y=1-|x|=\begin{cases}1+x&(x\le 0),\\1-x&(x\ge 0).\end{cases} したがって原点の真上の頂点は (0,1)(0,1)、x切片は (−1,0),(1,0)(-1,0),(1,0) であり、左右に傾き 1,−11,-1 の線分を延ばした逆V字型である。

(1)(ii) 同様に y=11+∣x∣={11−x(x≦0),11+x(x≧0).\displaystyle y=\frac1{1+|x|}=\begin{cases}\frac1{1-x}&(x\le 0),\\[2pt]\frac1{1+x}&(x\ge 0).\end{cases} 偶関数で、(0,1)(0,1) を最大点とする。t=∣x∣≧0t=|x|\ge0 とすれば y=1/(1+t)y=1/(1+t) なので、∣x∣|x| が増すほど値は減少し、正のまま 00 に近づく。左右対称で水平漸近線は y=0y=0 である。

(2) −1<x<1-1<x<1 では 1−x2=(1−∣x∣)(1+∣x∣)1-x^2=(1-|x|)(1+|x|) かつ 1−∣x∣>01-|x|>0 だから、与不等式は ax+b≦11+∣x∣\displaystyle ax+b\le \frac1{1+|x|} と同値である。t=∣x∣ (0≦t<1)t=|x|\ (0\le t<1) とし、x=t,−tx=t,-t の両方を考えると b+at≦11+t,b−at≦11+t,\displaystyle b+at\le\frac1{1+t},\qquad b-at\le\frac1{1+t}, すなわち b+∣a∣t≦11+t(0≦t<1).\displaystyle b+|a|t\le\frac1{1+t}\qquad(0\le t<1). これがすべての t<1t<1 で成り立つなら、t→1−t\to1- として b+∣a∣≦12\displaystyle b+|a|\le\frac12 を得る。逆に b+∣a∣≦12\displaystyle b+|a|\le\frac12 なら、0≦t<10\le t<1 に対して b+∣a∣t≦b+∣a∣≦12≦11+t\displaystyle b+|a|t\le b+|a|\le\frac12\le\frac1{1+t} となるので、区間内の不等式が成り立つ。端点 x=±1x=\pm1 では元の不等式の両辺がともに 00 である。よって必要十分条件は b≦12−∣a∣(同値に b+∣a∣≦12).\displaystyle \boxed{b\le\frac12-|a|}\quad\text{(同値に }b+|a|\le\tfrac12\text{)}.

(3) (2)の条件の下で上側の曲線は y=1−∣x∣y=1-|x| であるから、面積は S=∫−11{(1−∣x∣)−(ax+b)(1−x2)} dx=1−a∫−11x(1−x2) dx−b∫−11(1−x2) dx=1−0−4b3=1−43b.\displaystyle \begin{aligned} S&=\int_{-1}^{1}\{(1-|x|)-(ax+b)(1-x^2)\}\,dx\\ &=1-a\int_{-1}^{1}x(1-x^2)\,dx-b\int_{-1}^{1}(1-x^2)\,dx\\ &=1-0-\frac{4b}{3} =\boxed{1-\frac43b}. \end{aligned} ここで x(1−x2)x(1-x^2) は奇関数であり、その対称区間上の積分は 00、また ∫−11(1−x2) dx=4/3\displaystyle \int_{-1}^1(1-x^2)\,dx=4/3 を用いた。条件 b≦12−∣a∣\displaystyle b\le\frac12-|a| より S≧(1+4∣a∣)/3>0S\ge(1+4|a|)/3>0 でもある。

右向きのx軸と上向きのy軸に矢印があり、原点Oの真上の頂点(0, 1)から傾き1で左下へ、傾き−1で右下へ延びる2本の直線(逆V字型)が描かれている。直線はx軸と(−1, 0)、(1, 0)で交わり、目盛−1、1は直線と重ならないよう交点の内側下に記されている。下に「(i) y=1−|x|」とある。
右向きのx軸と上向きのy軸に矢印があり、y軸上の曲線の頂点に(0,1)と表示されている。曲線はy軸を挟んで左右対称に下がりながらx軸へ近づく形で、下に「(ii) y=1/(1+|x|)」と表示されている。

絶対値を場合分けして二つのグラフを描く。区間内部の不等式を整理し、必要性と十分性を両方示す。最後に上下の曲線の差を積分する。

この問題で使う考え方

  • 絶対値の場合分け
  • 必要十分条件
  • 端点の極限
  • 奇関数の積分

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