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日本医科大学/2013年度/前期

日本医科大学 2013年 数学 第III問解答・解説

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1問題

日本医科大学2013年度第III問

次の各問いに答えよ。

問1 x≧1, k=0,1,2,…x\geq 1,\ k=0,1,2,\ldotsとして Ik(x)=∫(log⁡x)kx2 dx\displaystyle I_k(x)=\int\frac{(\log x)^{k}}{x^{2}}\,dx とおくとき,I0(x)I_0(x)を求め,Ik+1(x)I_{k+1}(x)をIk(x)I_k(x)を用いて表せ。またI4(x)I_4(x)を求めよ。

問2 x>0x>0で不等式 log⁡x≦3ex1/3\displaystyle \log x\leq\frac{3}{e}x^{1/3} が成り立つことを証明せよ。

問3 関数 f(x)=(log⁡x)2x\displaystyle f(x)=\frac{(\log x)^{2}}{x} に関する以下の各問いに答えよ。

(a) y=f(x)y=f(x)(x≧1x\geq 1)の極値,極限lim⁡x→+∞f(x)\displaystyle \lim\limits _{x\to+\infty}f(x)を調べ,増減表を作り,グラフの概形を描け。解答欄には増減表とグラフの概形のみを記せ。

(b) n>1n>1として,y=f(x)y=f(x)と2直線x=n, x=n2x=n,\ x=n^{2}およびxx軸で囲まれる部分DnD_nの面積SnS_nを求めよ。

(c) DnD_nをxx軸のまわりに回転して得られる立体の体積VnV_nを求めよ。

(d) 極限 lim⁡n→∞nVn(log⁡n)Sn\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}\frac{nV_n}{(\log n)S_n} の値を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

部分積分で対数の冪の積分漸化式を作る。対数関数の微分と増減から不等式と関数の概形を調べ、定積分で面積、円断面の積分で体積を計算する。最後に t=log n とおいて極限を評価する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)I0(x)=−1x+C,Ik+1(x)=−(log⁡x)k+1x+(k+1)Ik(x),I4(x)=−(log⁡x)4+4(log⁡x)3+12(log⁡x)2+24log⁡x+24x+C.\displaystyle (1)\quad I_0(x)=-\frac1x+C,\quad I_{k+1}(x)=-\frac{(\log x)^{k+1}}x+(k+1)I_k(x),\quad I_4(x)=-\frac{(\log x)^4+4(\log x)^3+12(\log x)^2+24\log x+24}{x}+C.
    (2)log⁡x≦3ex1/3 (\displaystyle (2)\quad \log x\leq\frac3e x^{1/3}\space{}(等号は x=e3).x=e^3).
    (3)(a)min⁡f=0 (x=1), max⁡f=4e2 (x=e2);(b)Sn=73(log⁡n)3;(c)Vn=π{t4+4t3+12t2+24t+24n−16t4+32t3+48t2+48t+24n2}, t=log⁡n;(d)3π7.\displaystyle (3)(a)\quad \min f=0\space{}(x=1),\space{}\max f=\frac4{e^2}\space{}(x=e^2);\quad (b)\quad S_n=\frac73(\log n)^3;\quad (c)\quad V_n=\pi\left\{\frac{t^4+4t^3+12t^2+24t+24}{n}-\frac{16t^4+32t^3+48t^2+48t+24}{n^2}\right\},\space{}t=\log n;\quad (d)\quad \frac{3\pi}{7}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

問1 部分積分で u=(log⁡x)k+1,dv=x−2 dxu=(\log x)^{k+1},\quad dv=x^{-2}\,dx とすると、du=(k+1)(log⁡x)kx−1 dx,v=−x−1du=(k+1)(\log x)^k x^{-1}\,dx,\quad v=-x^{-1} である。したがって、積分定数を整合するように選べば Ik+1(x)=−(log⁡x)k+1x+(k+1)Ik(x)\displaystyle I_{k+1}(x)=-\frac{(\log x)^{k+1}}{x}+(k+1)I_k(x) となる(不定積分の任意定数を別々に選ぶ場合は、この式は定数の差を除いて成り立つ)。まず I0(x)=∫x−2 dx=−1x+C.\displaystyle I_0(x)=\int x^{-2}\,dx=-\frac1x+C. 定数を除いた原始関数を順に代入すると I1(x)=−log⁡x+1x,I2(x)=−(log⁡x)2+2log⁡x+2x,\displaystyle I_1(x)=-\frac{\log x+1}{x},\quad I_2(x)=-\frac{(\log x)^2+2\log x+2}{x}, I3(x)=−(log⁡x)3+3(log⁡x)2+6log⁡x+6x,\displaystyle I_3(x)=-\frac{(\log x)^3+3(\log x)^2+6\log x+6}{x}, ゆえに I4(x)=−(log⁡x)4+4(log⁡x)3+12(log⁡x)2+24log⁡x+24x+C.\displaystyle I_4(x)=-\frac{(\log x)^4+4(\log x)^3+12(\log x)^2+24\log x+24}{x}+C.

問2 g(x)=log⁡xx1/3(x>0)\displaystyle g(x)=\dfrac{\log x}{x^{1/3}}\quad(x>0) とおくと、 g′(x)=1−13log⁡xx4/3.\displaystyle g'(x)=\frac{1-\frac13\log x}{x^{4/3}}. 分母は正であり、分子は x<e3x<e^3 で正、x=e3x=e^3 で0、x>e3x>e^3 で負である。よってggはx=e3x=e^3で最大となり、その値はg(e3)=3/eg(e^3)=3/eである。したがってg(x)≦3e\displaystyle g(x)\le\frac3e。x1/3>0x^{1/3}>0を掛ければ log⁡x≦3ex1/3\displaystyle \log x\le\frac3e x^{1/3} を得る。等号はx=e3x=e^3のときに成立する。

問3(a) x≧1x\ge1では f′(x)=2log⁡x−(log⁡x)2x2=log⁡x(2−log⁡x)x2.\displaystyle f'(x)=\frac{2\log x-(\log x)^2}{x^2}=\frac{\log x(2-\log x)}{x^2}. したがって1<x<e21<x<e^2でf′(x)>0f'(x)>0、x>e2x>e^2でf′(x)<0f'(x)<0である。また、f(1)=0f(1)=0、f(e2)=4/e2f(e^2)=4/e^2であり、x→+∞x\to+\inftyでは(log⁡x)2/x→0(\log x)^2/x\to0。よってx=1x=1で最小値0、x=e2x=e^2で最大値4/e24/e^2をとる。増減表と概形は x1e2+∞f′(x)0+0−f(x)0↗4/e2↘0概形:(1,0)から増加し (e2,4/e2)で最大となり,その後 y=0に近づく。\begin{array}{c|ccccc} x&1&&e^2&&+\infty\\\hline f'(x)&0&+&0&-&\\\hline f(x)&0&\nearrow&4/e^2&\searrow&0 \end{array}\qquad\text{概形:}(1,0)\text{から増加し }(e^2,4/e^2)\text{で最大となり,その後 }y=0\text{に近づく。}

問3(b) n>1n>1ならn<n2n<n^2であり、n≦x≦n2n\le x\le n^2の範囲でf(x)≧0f(x)\ge0だから Sn=∫nn2(log⁡x)2x dx=[(log⁡x)33]nn2=(2log⁡n)3−(log⁡n)33=73(log⁡n)3.\displaystyle S_n=\int_n^{n^2}\frac{(\log x)^2}{x}\,dx =\left[\frac{(\log x)^3}{3}\right]_n^{n^2} =\frac{(2\log n)^3-(\log n)^3}{3} =\frac73(\log n)^3.

問3(c) 回転軸に垂直な位置xxでの断面は半径f(x)f(x)の円で、その面積はπf(x)2\pi f(x)^2である。よって Vn=π∫nn2f(x)2 dx=π∫nn2(log⁡x)4x2 dx=π(I4(n2)−I4(n)).\displaystyle V_n=\pi\int_n^{n^2}f(x)^2\,dx =\pi\int_n^{n^2}\frac{(\log x)^4}{x^2}\,dx =\pi\bigl(I_4(n^2)-I_4(n)\bigr). t=log⁡nt=\log nとおけば Vn=π{t4+4t3+12t2+24t+24n−16t4+32t3+48t2+48t+24n2}.\displaystyle V_n=\pi\left\{ \frac{t^4+4t^3+12t^2+24t+24}{n} -\frac{16t^4+32t^3+48t^2+48t+24}{n^2} \right\}.

問3(d) t=log⁡nt=\log nとすると、(b)、(c)より nVn(log⁡n)Sn=3π7{t4+4t3+12t2+24t+24t4−16t4+32t3+48t2+48t+24nt4}.\displaystyle \frac{nV_n}{(\log n)S_n} =\frac{3\pi}{7}\left\{ \frac{t^4+4t^3+12t^2+24t+24}{t^4} -\frac{16t^4+32t^3+48t^2+48t+24}{nt^4} \right\}. n→∞n\to\inftyのときt→∞t\to\inftyであり、第1項の括弧内は1に、第2項は0に近づく。したがって求める極限は 3π7.\displaystyle \boxed{\frac{3\pi}{7}}.

検算 問1のI4I_4は問1の漸化式にk=0,1,2,3k=0,1,2,3を順に代入して得た。問3(b)の原始関数の微分は(log⁡x)2/x(\log x)^2/xであり、問3(c)の被積分関数は区間全体で正なので体積も正である。問3(d)ではt=log⁡nt=\log nとおいた各係数を明示したため、1/n1/nを含む項が0に近づくことも確認できる。

この問題で使う考え方

  • 定積分による面積
  • 指数・対数関数の微分
  • 関数の極限
  • 不定積分・定積分の性質
  • 部分積分法
  • 商の微分
  • 定積分による体積

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