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日本医科大学/2013年度/前期

日本医科大学 2013年 数学 第I問解答・解説

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1問題

日本医科大学2013年度第I問

2つの行列 A=(12−36),B=(a−2−1a2−2a−42a−6)A=\begin{pmatrix}1&2\\-3&6\end{pmatrix},\qquad B=\begin{pmatrix}a-2&-1\\a^{2}-2a-4&2a-6\end{pmatrix} に対して,以下の各問いに答えよ。解答欄には答えのみを記せ。   問1 行列A−kEA-kEが逆行列をもたないような定数kkの値を求めよ。ただしEEは2次の単位行列を表す。   問2 問1で求めたkkの値を小さい順にα,β\alpha,\betaとするとき,αP+βQ=A\alpha P+\beta Q=A,P+Q=EP+Q=Eを満たす行列P,QP,Qを求めよ。   問3 行列の積P2,Q2,PQ,QPP^{2},Q^{2},PQ,QPを求めよ。   問4 行列AAのnn乗AnA^{n}(n=1,2,…n=1,2,\ldots)を求めよ。   問5 a>0a>0として,行列CCをC=A+BC=A+Bと定めるとき,行列C−kEC-kEが逆行列をもたないような定数kkの値がただ1つしかないという。このような定数kkおよびaaの値を求めよ。   問6 問5で求めたkkを用いて行列NNをN=C−kEN=C-kEと定めるとき,N2N^{2}を求めよ。   問7 行列CCのnn乗CnC^{n}(n=1,2,…n=1,2,\ldots)を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

2次行列の成分計算で各条件を処理し、具体的なP,Q,Nの積を直接確認して行列の累乗を帰納法で求める。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 問1 k=3,4;k=3,4;\quad問2 P=(3−23−2), Q=(−22−33);P=\begin{pmatrix}3&-2\\3&-2\end{pmatrix},\space{}Q=\begin{pmatrix}-2&2\\-3&3\end{pmatrix};\quad問3 P2=P, Q2=Q, PQ=QP=O;P^2=P,\space{}Q^2=Q,\space{}PQ=QP=O;\quad問4 An=3nP+4nQ;A^n=3^nP+4^nQ;\quad問5 (k,a)=(4,3);(k,a)=(4,3);\quad問6 N2=O;N^2=O;\quad問7 Cn=4n−1(4−2nn−4n4+2n)C^n=4^{n-1}\begin{pmatrix}4-2n&n\\-4n&4+2n\end{pmatrix}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

E=(1001)E=\begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix} とする。

問1 (A−kE)(xy)=(00)\displaystyle (A-kE)\binom{x}{y}=\binom00 が零ベクトルでない解をもつ条件を調べる。 (1−k)x+2y=0,−3x+(6−k)y=0.(1-k)x+2y=0,\qquad -3x+(6-k)y=0. 第1式から y=k−12x\displaystyle y=\frac{k-1}{2}x である。零でない解では x≠0x\ne0 なので、これを第2式へ代入すると −6+(6−k)(k−1)=0,k2−7k+12=(k−3)(k−4)=0.-6+(6-k)(k-1)=0,\qquad k^2-7k+12=(k-3)(k-4)=0. 逆に k=3,4k=3,4 ではそれぞれ (x,y)=(2,k−1)(x,y)=(2,k-1) が零でない解になる。したがって求める値は k=3,4k=3,4 であり、α=3,β=4\alpha=3,\beta=4。

問2 Q=E−PQ=E-P を 3P+4Q=A3P+4Q=A に代入すると P=4E−AP=4E-A、Q=A−3EQ=A-3E である。よって P=(3−23−2),Q=(−22−33).P=\begin{pmatrix}3&-2\\3&-2\end{pmatrix},\qquad Q=\begin{pmatrix}-2&2\\-3&3\end{pmatrix}.

問3 成分ごとに積を計算すると P2=(3−23−2)=P,Q2=(−22−33)=Q,P^2=\begin{pmatrix}3&-2\\3&-2\end{pmatrix}=P,\quad Q^2=\begin{pmatrix}-2&2\\-3&3\end{pmatrix}=Q, PQ=(0000),QP=(0000).PQ=\begin{pmatrix}0&0\\0&0\end{pmatrix},\qquad QP=\begin{pmatrix}0&0\\0&0\end{pmatrix}.

問4 問2から A=3P+4QA=3P+4Q である。問3の積の結果より、n=1n=1 で An=3nP+4nQA^n=3^nP+4^nQ が成り立ち、これが nn で成り立つとき An+1=(3nP+4nQ)(3P+4Q)=3n+1P+4n+1QA^{n+1}=(3^nP+4^nQ)(3P+4Q)=3^{n+1}P+4^{n+1}Q となる。したがって帰納法により、すべての自然数 nn について An=3nP+4nQ=(3n+1−2⋅4n2(4n−3n)3(3n−4n)−2⋅3n+3⋅4n).A^n=3^nP+4^nQ =\begin{pmatrix}3^{n+1}-2\cdot4^n&2(4^n-3^n)\\3(3^n-4^n)&-2\cdot3^n+3\cdot4^n\end{pmatrix}.

問5 C=A+BC=A+B を計算すると C=(a−11a2−2a−72a).C=\begin{pmatrix}a-1&1\\a^2-2a-7&2a\end{pmatrix}. (C−kE)(xy)=(00)\displaystyle (C-kE)\binom{x}{y}=\binom00 が零でない解をもつ条件を考える。第1行から y=(k−a+1)xy=(k-a+1)x となり、非零解では x≠0x\ne0。第2行へ代入して整理すると k2−(3a−1)k+a2+7=0.k^2-(3a-1)k+a^2+7=0. この二次方程式が実数の解 kk をただ1つだけもつためには判別式が0であるから、 (3a−1)2−4(a2+7)=5a2−6a−27=(a−3)(5a+9)=0.(3a-1)^2-4(a^2+7)=5a^2-6a-27=(a-3)(5a+9)=0. a>0a>0 より a=3a=3。このとき二次方程式は (k−4)2=0(k-4)^2=0 となり、k=4k=4 である。

問6 a=3a=3 のとき C=(21−46),N=C−4E=(−21−42).C=\begin{pmatrix}2&1\\-4&6\end{pmatrix},\qquad N=C-4E=\begin{pmatrix}-2&1\\-4&2\end{pmatrix}. よって N2=(4−4−2+28−8−4+4)=O.N^2=\begin{pmatrix}4-4&-2+2\\8-8&-4+4\end{pmatrix}=O.

問7 C=4E+NC=4E+N、N2=ON^2=O より、帰納法で Cn=4nE+n4n−1N=4n−1(4−2nn−4n4+2n)(n=1,2,…).C^n=4^nE+n4^{n-1}N =4^{n-1}\begin{pmatrix}4-2n&n\\-4n&4+2n\end{pmatrix}\qquad(n=1,2,\ldots). 実際、n=1n=1 では C=4E+NC=4E+N であり、この式に右から C=4E+NC=4E+N を掛けると、N2=ON^2=O により次の指数の式が得られる。

この問題で使う考え方

  • 二次方程式の判別式
  • 行列を用いた表現

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