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東京慈恵会医科大学/2013年度/前期

東京慈恵会医科大学 2013年 数学 第4問解答・解説

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1問題

東京慈恵会医科大学2013年度第4問

a,da,d は ad≠0ad\ne0 をみたす実数とする。OO を原点とする座標平面上において、行列 A=(a−10d)A=\begin{pmatrix}a&-1\\0&d\end{pmatrix} の表す1次変換(移動)を ff とし、以下の2つの条件をみたす直線 ℓ\ell がただ1つ存在するときを考える。   (i) ℓ\ell は OO を通る。   (ii) ff によって、ℓ\ell 上の点はすべて ℓ\ell と垂直に交わるある直線 mm 上に移される。 このとき、次の問いに答えよ。   (1) aa と dd の関係式を求めよ。   (2) d>0d>0 とする。ℓ\ell 上に OO からの距離が1で xx 座標が正となる点 PP をとり、PP の ff による像を QQ とする。線分 OQOQ の長さを求めよ。また、直線 PQPQ と yy 軸が交わる点を RR とするとき、線分 OROR の長さが最小となるように a,da,d の値を定めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

東京慈恵会医科大学 2013年度 数学 Q4

行列 A=(a−10d)A=\begin{pmatrix}a&-1\\0&d\end{pmatrix} は det⁡A=ad≠0\det A=ad\ne0 を満たす。直線 ℓ\ell の方向ベクトルを (x,y)≠(0,0)(x,y)\ne(0,0) とすると、その像の方向ベクトルは A(xy)=(ax−ydy).\displaystyle A\binom{x}{y}=\binom{ax-y}{dy}. 行列式が0でないため像は零ベクトルでなく、像の直線が ℓ\ell に垂直である条件は内積が0となることである。

(1) a,da,d の関係

垂直条件を成分で書くと (x,y)⋅(ax−y,dy)=ax2−xy+dy2=0.(x,y)\cdot(ax-y,dy)=ax^2-xy+dy^2=0. 垂直な像をもつ方向で x=0x=0 とすると左辺は dy2≠0dy^2\ne0 となるため、該当する方向は x≠0x\ne0 である。そこで傾き t=y/xt=y/x を用いると、条件は dt2−t+a=0.dt^2-t+a=0. d≠0d\ne0 なのでこれは二次方程式であり、直線の方向はその実数解 tt と一対一に対応する。条件を満たす直線がただ1つ存在するための必要十分条件は、重解をもつこと、すなわち判別式が0となることである。 1−4ad=0.1-4ad=0. よって ad=14.\displaystyle \boxed{ad=\frac14}. このとき唯一の傾きは t=1/(2d)t=1/(2d) である。

(2) d>0d>0 のとき

(1)より a=1/(4d)a=1/(4d)。唯一の直線 ℓ\ell の傾きは t=1/(2d)t=1/(2d) である。h=1+t2h=\sqrt{1+t^2} とおくと、ℓ\ell 上で x>0x>0、原点からの距離が1となる点は P=(1h,th).\displaystyle P=\left(\frac1h,\frac{t}{h}\right). その像 Q=A(P)Q=A(P) は、t=1/(2d)t=1/(2d) を代入して Q=(a−th,dth)=(−14dh,12h).\displaystyle Q=\left(\frac{a-t}{h},\frac{dt}{h}\right) =\left(-\frac{1}{4dh},\frac{1}{2h}\right). したがって OQ2=1/(16d2)+1/41+t2=(4d2+1)/(16d2)(4d2+1)/(4d2)=14,OQ=12.\displaystyle \begin{aligned} OQ^2 &=\frac{1/(16d^2)+1/4}{1+t^2}\\ &=\frac{(4d^2+1)/(16d^2)}{(4d^2+1)/(4d^2)} =\frac14, \end{aligned} \qquad\boxed{OQ=\frac12}.

直線 PQPQ が yy 軸と交わる点を R=(0,yR)R=(0,y_R) とする。P=(xP,yP),Q=(xQ,yQ)P=(x_P,y_P),Q=(x_Q,y_Q) とすれば、直線上の点を結ぶ式から yR=xPyQ−xQyPxP−xQ.\displaystyle y_R=\frac{x_Py_Q-x_Qy_P}{x_P-x_Q}. ここで xPyQ−xQyP=12h2+18d2h2=12,xP−xQ=1+1/(4d)h.\displaystyle x_Py_Q-x_Qy_P =\frac{1}{2h^2}+\frac{1}{8d^2h^2} =\frac12,\qquad x_P-x_Q=\frac{1+1/(4d)}{h}. また h=4d2+1/(2d)h=\sqrt{4d^2+1}/(2d) だから yR=4d2+14d+1>0,OR=4d2+14d+1.\displaystyle y_R=\frac{\sqrt{4d^2+1}}{4d+1}>0,\qquad OR=\frac{\sqrt{4d^2+1}}{4d+1}. この関数を f(d)f(d) とおくと f′(d)f(d)=4d4d2+1−44d+1=4(d−1)(4d2+1)(4d+1).\displaystyle \frac{f'(d)}{f(d)} =\frac{4d}{4d^2+1}-\frac4{4d+1} =\frac{4(d-1)}{(4d^2+1)(4d+1)}. 分母は d>0d>0 で正なので、ff は 0<d<10<d<1 で減少し、d>1d>1 で増加する。よって最小となるのは d=1d=1、(1)から a=1/4a=1/4 であり、最小値は (a,d)=(14,1),min⁡OR=55.\displaystyle \boxed{(a,d)=\left(\frac14,1\right)},\qquad \boxed{\min OR=\frac{\sqrt5}{5}}.

**使用解法:** 像の方向ベクトルと内積による垂直条件、判別式による重解条件、座標計算、導関数による最小値判定。

**issues:** なし。

この問題で使う考え方

  • 行列を用いた表現
  • ベクトルの内積
  • ベクトルの成分表示
  • 二次方程式の判別式
  • 直線の方程式
  • 座標による距離
  • 合成関数の微分

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