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島根大学/2019年度/前期

島根大学 2019年 数学 第4問解答・解説

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1問題

島根大学2019年度第4問

関数f(x)f(x)(x>0x>0)と正の定数aaに対して,等式∫axf(t) dt=(log⁡x)2−2log⁡x−8\displaystyle \int_{a}^{x}f(t)\,dt=(\log x)^{2}-2\log x-8が成り立っているとする。ただし,対数は自然対数とする。このとき,次の問いに答えよ。

(1) 関数f(x)f(x)を求めよ。

(2) 上の等式をみたすaaをすべて求めよ。

(3) x>0x>0のとき,log⁡x<x\log x<\sqrt{x}であることを示し,極限lim⁡x→∞f(x)\displaystyle \lim\limits _{x\to\infty}f(x)を求めよ。

(4) 関数y=f(x)y=f(x)の増減,極値,グラフの凹凸および変曲点を調べ,そのグラフをかけ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

原文における連続性などの条件を独立に確認する。積分等式はfの積分値を決めるが、連続性がないと点ごとの値を決めないため、その反例を示す。決定できるaと対数不等式はそのまま解き、fの極限・グラフは連続性を補った場合の条件付き解として与える。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) HOLD(連続性がないため点ごとのfは一意でない。連続なら f(x)=2(log⁡x−1)x\displaystyle f(x)=\frac{2(\log x-1)}{x})
    (2) a=e−2, e4(2)\space{}a=e^{-2},\space{}e^4
    (3) log⁡x<x(3)\space{}\log x<\sqrt{x} は真。極限は条件不足でHOLD(連続なら 0)

    (4) 条件不足でHOLD。連続なら最大値 2e2\displaystyle \frac{2}{e^2} を x=e2x=e^2 でとり,変曲点は (e5/2,3e5/2).\displaystyle \left(e^{5/2},\frac{3}{e^{5/2}}\right).

4解答

解答を見る途中式つきの解答

問題文では,関数 ff の連続性が明記されていない。積分の等式だけから f(x)f(x) を各点で一意に定めることはできないため,まずその点を明らかにし,連続性を仮定した場合の解答も示す。

(1) F(x)=(log⁡x)2−2log⁡x−8F(x)=(\log x)^2-2\log x-8 とおく。ff が連続なら,微分積分学の基本定理により f(x)=F′(x)=2log⁡x−2x=2(log⁡x−1)x=:f0(x)(x>0)\displaystyle f(x)=F'(x)=\frac{2\log x-2}{x}=\frac{2(\log x-1)}{x}=:f_0(x)\qquad(x>0) となる。しかし,連続性がなければこの結論は各点での一意性を意味しない。実際,任意の c>0c>0 に対し,fc(c)=f0(c)+1f_c(c)=f_0(c)+1,fc(x)=f0(x) (x≠c)f_c(x)=f_0(x)\ (x\ne c) と定めると,一点での値の変更はリーマン積分を変えない。したがって,f0f_0 と fcf_c は同じ積分等式を満たす一方,fc(c)≠f0(c)f_c(c)\ne f_0(c) である。ゆえに,問題文のままでは (1) の点ごとの解は一意に決まらず,連続性を補う場合の答えは f0(x)=2(log⁡x−1)/xf_0(x)=2(\log x-1)/x である。

(2) x=ax=a を代入すると,左辺は 00 だから (log⁡a)2−2log⁡a−8=0,(log⁡a−4)(log⁡a+2)=0.(\log a)^2-2\log a-8=0, \qquad (\log a-4)(\log a+2)=0. よって必要な値は a=e4a=e^4 または a=e−2a=e^{-2} である。いずれも F(a)=0F(a)=0 となり,f=f0f=f_0 とすれば ∫axf0(t) dt=[(log⁡t)2−2log⁡t]ax=(log⁡x)2−2log⁡x−8\displaystyle \int_a^x f_0(t)\,dt=[(\log t)^2-2\log t]_a^x=(\log x)^2-2\log x-8 が成り立つので,両方とも実現する。

(3) g(x)=x−log⁡xg(x)=\sqrt{x}-\log x とおくと g′(x)=x−22x.\displaystyle g'(x)=\frac{\sqrt{x}-2}{2x}. したがって gg は 0<x<40<x<4 で減少し,x>4x>4 で増加するから,最小値は g(4)=2−log⁡4=2−2log⁡2g(4)=2-\log4=2-2\log2 である。また log⁡2=∫12dtt<∫12dt=1\displaystyle \log2=\int_1^2\frac{dt}{t}<\int_1^2dt=1 より g(4)>0g(4)>0 であり,すべての x>0x>0 について log⁡x<x\log x<\sqrt{x} である。

f=f0f=f_0 と仮定すれば,x>ex>e に対して 0<f0(x)=2(log⁡x−1)x<2log⁡xx<2x⟶0\displaystyle 0<f_0(x)=\frac{2(\log x-1)}{x}<\frac{2\log x}{x}<\frac{2}{\sqrt{x}}\longrightarrow0 だから lim⁡x→∞f0(x)=0\displaystyle \lim\limits _{x\to\infty}f_0(x)=0 である。しかし,問題文の条件だけでは ff の極限も定まらない。例えば正の整数 nn でのみ f1(n)=f0(n)+1f_1(n)=f_0(n)+1 とし,他では f1(x)=f0(x)f_1(x)=f_0(x) とすると,各有界区間内の有限個の点の変更なので積分等式は変わらない。一方,整数列では f1(n)→1f_1(n)\to1,n+12\displaystyle n+\tfrac12 の列では f1(n+12)→0\displaystyle f_1(n+\tfrac12)\to0 となり,f1f_1 の極限は存在しない。従って (3) の不等式は証明できるが,極限値は連続性などを補わない限り決定できない。

(4) 連続性を補い f=f0f=f_0 とすると f0′(x)=2(2−log⁡x)x2,f0′′(x)=2(2log⁡x−5)x3.\displaystyle f_0'(x)=\frac{2(2-\log x)}{x^2},\qquad f_0''(x)=\frac{2(2\log x-5)}{x^3}. よって f0f_0 は 0<x<e20<x<e^2 で増加し,x>e2x>e^2 で減少する。x=e2x=e^2 で極大かつ最大となり,f0(e2)=2/e2f_0(e^2)=2/e^2 である。f0(x)=0f_0(x)=0 となるのは x=ex=e である。また f0′′(x)<0f_0''(x)<0 は 0<x<e5/20<x<e^{5/2},f0′′(x)>0f_0''(x)>0 は x>e5/2x>e^{5/2} で成り立つため,x=e5/2x=e^{5/2} で凹凸が変わり,変曲点は (e5/2,3e5/2)\displaystyle \left(e^{5/2},\frac{3}{e^{5/2}}\right) である。さらに x→0+ (u=1/x→∞)x\to0+\ (u=1/x\to\infty) では f0(x)=−2u(log⁡u+1)→−∞f_0(x)=-2u(\log u+1)\to-\infty,x→∞x\to\infty では f0(x)→0+f_0(x)\to0+ となる。以上より,連続性を仮定した場合の概形は次のとおりである。 x0+e2∞f0′(x)+0−f0(x)−∞↗2/e2↘0+\begin{array}{c|ccccc} x&0+&&e^2&&\infty\\ \hline f_0'(x)&&+&0&-&\\ \hline f_0(x)&-\infty&\nearrow&2/e^2&\searrow&0+ \end{array} 凹凸は 0<x<e5/20<x<e^{5/2} で上に凸(f0′′<0f_0''<0),x>e5/2x>e^{5/2} で下に凸(f0′′>0f_0''>0)である。点 (e,0)(e,0) を通り,変曲点は上記のとおりで,y=0y=0 は x→∞x\to\infty における漸近線である。

横軸x、縦軸y、原点Oの座標平面に、青い曲線y=2(log x−1)/xが描かれている。曲線はy軸のすぐ右を下から(x→0+でy→−∞)急に上がって、x軸と点eで交わり、極大点(e², 2/e²)に達したあと変曲点(e^{5/2}, 3/e^{5/2})を経てゆるやかに下がり、右へ行くほどx軸に上から近づく(そのことが右下に注記されている)。3つの点はいずれも黒点で示されている。

ただし,連続性がないままでは一点の値を変えても積分等式は保たれ,単調性やグラフも変わり得るため,問題文から (4) のグラフを一意に定めることはできない。

この問題で使う考え方

  • 対数とその性質
  • 対数関数のグラフ・増減
  • 導関数と増減
  • 極大・極小
  • 関数の極限
  • 無理関数の性質
  • 積の微分
  • 商の微分

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