第1問
辺の長さと角の記号は問題文のとおりとする。a>b>c>0 で、三角形の 不等式も成り立つ。
(1) 三角形の不等式と c<b より a<b+c<2b. したがって ab/2<b2 であり、両辺は正なので 2ab<b.
(2) 正弦定理から b=2RsinB, c=2RsinC。よって c(1−cosB)−b(1−cosC)=2R{sinC(1−cosB)−sinB(1−cosC)}=4R{sinCsin22B−sinBsin22C}=8Rsin2Bsin2C(sin2Bcos2C−cos2Bsin2C)=8Rsin2Bsin2Csin2B−C. したがって、示すべき等式が成り立つ。
(3) AM=m, AN=n とおく。線分 MN が面積を二等分するので 21mnsinA=21(21bcsinA),mn=2bc. 余弦定理と m2+n2≧2mn より MN2=m2+n2−2mncosA≧2mn−2mncosA=bc(1−cosA). ゆえに MN2≧bc(1−cosA)。
(4) 面積を二等分する線分は、(i) ある頂点 X の両隣の辺上の2点を結んで X の三角形を切り取るもの、または (ii) 頂点と対辺上の点を結ぶものに 限られる。(ii) では対辺上の点は中点なので、その線分は中線である。
(i) の各場合に (3) を適用する。頂点 A,B,C で得られる長さの下界の 二乗をそれぞれ LA2=bc(1−cosA)=2a2−(b−c)2,LB2=ac(1−cosB)=2b2−(a−c)2,LC2=ab(1−cosC)=2c2−(a−b)2 とする。余弦定理で表した式から LA2−LC2=(a−c)(a+c−b)>0,LB2−LC2=(b−c)(b+c−a)>0, である。したがって、どの頂点を切り取る線分も長さは LC 以上。
(ii) の中線の長さを mA,mB,mC とする。中線定理から mA2=42b2+2c2−a2,mB2=42a2+2c2−b2,mC2=42a2+2b2−c2. これらと LC2={c2−(a−b)2}/2 を比べると mA2−LC2=4(a−2b)2≧0,mB2−LC2=4(2a−b)2>0, mC2−LC2=44(a2−ab+b2)−3c2>0. 最後の正値は a>b>c より a2−ab+b2>b2>c2 から従う。従って 中線もすべて長さ LC 以上。
この下界は頂点 C の両隣の辺上で達成できる。実際、CM=CN=ab/2 とする。(1) より ab/2<b であり、また a>b より ab/2<a なので、M,N はそれぞれ辺 CB,CA 上にある。 このとき CM⋅CN=ab/2 だから △CMN の面積は △ABC の半分である。また余弦定理から MN2=ab−abcosC=ab(1−cosC)=2c2−(a−b)2. よって求める最小値は 2c2−(a−b)2.