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日本医科大学/2025年度/前期

日本医科大学 2025年 数学 第IV問解答・解説

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1問題

日本医科大学2025年度第IV問

以下の各問いに答えよ。

問1 全ての実数xxに対して定義された関数a(x)a(x)に対して,関数b(x),c(x)b(x),c(x)を次で定める。 b(x)=12{a(x)+a(−x)},c(x)=12{a(x)−a(−x)}\displaystyle b(x)=\frac{1}{2}\left\{a(x)+a(-x)\right\},\quad c(x)=\frac{1}{2}\left\{a(x)-a(-x)\right\} このとき,b(x)b(x)はxxの偶関数,c(x)c(x)はxxの奇関数,となることをそれぞれ示せ。

問2 全ての実数xxに対して定義された連続関数f(x)f(x)は次の条件(i),(ii)を満たすものとする。

(i) f(0)=2,f(0)=2,

(ii) f(x+h)+∫xx+hg(t)f(t) dt=f(x)\displaystyle f(x+h)+\int_{x}^{x+h}g(t)f(t)\,dt=f(x) が全ての実数x,hx,hに対して成り立つ。

ただし, g(x)=ex1+ex+sin⁡x3+cos⁡x\displaystyle g(x)=\frac{e^{x}}{1+e^{x}}+\frac{\sin x}{3+\cos x} である。このとき,以下の(1)〜(3)の各問いに答えよ。

(1) 関数f(x)f(x)は微分可能であることを示し,f(x)f(x)の導関数f′(x)f'(x)を,f(x)f(x)とg(x)g(x)を用いて表せ。

(2) (ii)で与えた関数g(x)g(x)の原始関数G(x)G(x)でG(0)=0G(0)=0を満たすものを求めよ。答えのみでよい。

(3) (2)のG(x)G(x)に対して関数h(x)h(x)を h(x)=eG(x)f(x)h(x)=e^{G(x)}f(x) で定めるとき,h(x)h(x)の導関数h′(x)h'(x)を計算することによりf(x)f(x)を求めよ。

問3 問2で求めた関数f(x)f(x)に対して,次の定積分の値を求めよ。 I=∫−ππf(x) dx\displaystyle I=\int_{-\pi}^{\pi}f(x)\,dx

(計算用紙)

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

条件(ii)から差商の極限で微分方程式の形の関係を直接導き、問題で指定された積の導関数を計算してfを決める。問3はf(x)+f(−x)を用いて対称区間の積分を評価する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 問1: b は偶関数,c は奇関数\quad 問2(1): f′(x)=−g(x)f(x)f'(x)=-g(x)f(x)\quad 問2(2): G(x)=log⁡2(1+ex)3+cos⁡x\displaystyle G(x)=\log\frac{2(1+e^x)}{3+\cos x}\quad 問2(3): f(x)=3+cos⁡x1+ex\displaystyle f(x)=\frac{3+\cos x}{1+e^x}\quad 問3: I=3πI=3\pi

4解答

解答を見る途中式つきの解答

問1について,実数 xx に対して b(−x)=12{a(−x)+a(x)}=b(x),c(−x)=12{a(−x)−a(x)}=−c(x).\displaystyle b(-x)=\frac12\{a(-x)+a(x)\}=b(x),\qquad c(-x)=\frac12\{a(-x)-a(x)\}=-c(x). よって b(−x)=b(x)b(-x)=b(x) なので b(x)b(x) は偶関数であり,c(−x)=−c(x)c(-x)=-c(x) なので c(x)c(x) は奇関数である。

問2(1)では,g(x)g(x) は全ての実数で連続である。実際,1+ex>01+e^x>0,3+cos⁡x≧23+\cos x\geq2 である。条件(ii)を変形し,h≠0h\neq0 に対して差商をとると f(x+h)−f(x)h=−1h∫xx+hg(t)f(t) dt.\displaystyle \frac{f(x+h)-f(x)}{h}=-\frac1h\int_x^{x+h}g(t)f(t)\,dt. g(t)f(t)g(t)f(t) は連続だから,右辺は h→0h\to0 のとき −g(x)f(x)-g(x)f(x) に収束する。したがって ff は微分可能であり, f′(x)=−g(x)f(x)f'(x)=-g(x)f(x) である。

問2(2)では,各分母が正なので対数を用いることができ, G(x)=log⁡(1+ex)−log⁡(3+cos⁡x)+log⁡2=log⁡2(1+ex)3+cos⁡x.\displaystyle G(x)=\log(1+e^x)-\log(3+\cos x)+\log2 =\log\frac{2(1+e^x)}{3+\cos x}. 実際,この導関数は g(x)g(x) であり,G(0)=log⁡2−log⁡4+log⁡2=0G(0)=\log2-\log4+\log2=0 を満たす。

問2(3)で h(x)=eG(x)f(x)h(x)=e^{G(x)}f(x) とおく。積の微分法と G′(x)=g(x)G'(x)=g(x),問2(1)から h′(x)=eG(x){G′(x)f(x)+f′(x)}=eG(x){g(x)f(x)−g(x)f(x)}=0.h'(x)=e^{G(x)}\{G'(x)f(x)+f'(x)\} =e^{G(x)}\{g(x)f(x)-g(x)f(x)\}=0. よって h(x)h(x) は定数であり,h(0)=eG(0)f(0)=2h(0)=e^{G(0)}f(0)=2 から h(x)=2h(x)=2 である。したがって f(x)=2e−G(x)=3+cos⁡x1+ex.\displaystyle f(x)=2e^{-G(x)}=\frac{3+\cos x}{1+e^x}.

問3では,任意の実数 xx について f(−x)=3+cos⁡x1+e−x=ex(3+cos⁡x)1+ex,f(x)+f(−x)=3+cos⁡x.\displaystyle f(-x)=\frac{3+\cos x}{1+e^{-x}} =\frac{e^x(3+\cos x)}{1+e^x},\qquad f(x)+f(-x)=3+\cos x. 積分区間を 0≦x≦π0\le x\le\pi と −π≦x≦0-\pi\le x\le0 の範囲に分け,後者で変数を −x-x に置き換えると I=∫0π{f(x)+f(−x)} dx=∫0π(3+cos⁡x) dx=3π.\displaystyle I=\int_0^{\pi}\{f(x)+f(-x)\}\,dx =\int_0^{\pi}(3+\cos x)\,dx =3\pi.

この問題で使う考え方

  • 不定積分
  • 定積分
  • 微分係数と導関数
  • 指数関数のグラフ・増減
  • 対数とその性質
  • 三角関数の相互関係
  • 合成関数の微分
  • 指数・対数関数の微分

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