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産業医科大学/2020年度/一般

産業医科大学 2020年 数学 第2問解答・解説

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1問題

産業医科大学2020年度第2問

空欄にあてはまる適切な数,式,記号などを解答用紙の所定の欄に記入しなさい。 1のmm乗根 zkz_{k} について偏角(≧0\geq 0)の小さいものから順に k=0,1,…,m−1k=0,1,\ldots,m-1 とする。複素数平面上の w0=1w_{0}=1 を基点 P0P_{0} として,幾つかのルールに従って順に複素数平面上を w1,w2,w3,⋯w_{1},w_{2},w_{3},\cdots と動かしていき,それらの示す点を P1,P2,P3,⋯P_{1},P_{2},P_{3},\cdots で図形を描いていくという遊びを行う。

【ルール1】 m=6m=6 の時,nn 回サイコロを振って,サイコロの目が a (a=1,⋯ ,6)a\ (a=1,\cdots,6) である時,wn=aza−1wn−1w_{n}=az_{a-1}w_{n-1} となる場合を考える。その時,nn 回目の試行が終わった時点で ∣wn∣=15|w_{n}|=15 である確率は,nn を用いて表すと ス\text{ス} で表され,nn 回目の試行で点 wn−1w_{n-1} と wnw_{n} を結んだ線分 Pn−1Pn\mathrm{P}_{n-1}\mathrm{P}_{n} が,はじめて虚軸と交わる確率は,nn を用いて表すと セ\text{セ} となる。また,nn 回目の試行で,点 wn−1w_{n-1} と wnw_{n} を結んだ線分 Pn−1Pn\mathrm{P}_{n-1}\mathrm{P}_{n} の長さが 5315\sqrt{31} となる確率は ソ\text{ソ} である。

【ルール2】 m=8m=8 の時を考えるが,今度はサイコロを使わず順に wn=2z1wn−1−1w_{n}=\sqrt{2}z_{1}w_{n-1}-1 と移る事にする。この時,wn=タw_{n}=\text{タ} で表され,PnP_{n} から Pn+4P_{n+4} までの連続する5点で結んだ不等辺五角形の面積は nn を用いて チ\text{チ} となる。

【ルール3】 m=20m=20 の時,コインを投げて表が出れば a=3a=3,裏が出れば a=1a=1 として,wn=hazawn−1 (h1=5, h3=15)\displaystyle w_{n}=h_{a}z_{a}w_{n-1}\ \left(h_{1}=\sqrt{5},\ h_{3}=\frac{1}{5}\right) となる試行を行う。今,nn 回目で運よく原点周りをちょうど1周して再び基点 P0P_{0} に戻ってきたとして,この多角形を TT と呼ぶことにする。実数で sin⁡π10=ツ\displaystyle \sin\frac{\pi}{10}=\boxed{\text{ツ}} と表現できる事を用いると,整数 t (t=0,±1,±2,⋯ )t\ (t=0,\pm1,\pm2,\cdots) に対して原点周りに πt2\displaystyle \frac{\pi t}{2} だけ回転させても(重なって)同一な TT のうち,最大面積となる TT の面積は テ\text{テ} である。

【ルール4】 ある m (m≧4)m\ (m\geq 4) の場合を考える。コインを投げて表が出れば a=2a=2,裏が出れば a=1a=1 として,nn 回目の試行で wn=zawn−1w_{n}=z_{a}w_{n-1} と進めていく時,原点周りをちょうど1周して再び基点 P0P_{0} に戻る確率は,mm を用いて表すと ト\text{ト} となる。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

複素数の極形式で回転と倍率を分離し、確率と面積を扱う。ルール3では三角関数の公式で厳密値を導出し、四分の一回転対称から3手列の反復を示して面積を比較する。ルール4は確率漸化式を解く。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • ス=n(n−1)6n,\displaystyle =\frac{n(n-1)}{6^n},\quad セ=12n,\displaystyle =\frac1{2^n},\quad ソ=2(n−1)6n,\displaystyle =\frac{2(n-1)}{6^n},\quad タ=(1+i)n+1−i,=(1+i)^{n+1}-i,\quad チ=15⋅2n,=15\cdot2^n,\quad ツ=5−14,\displaystyle =\frac{\sqrt5-1}{4},\quad テ=35−52,\displaystyle =\frac{35-\sqrt5}{2},\quad ト=2+(−1/2)m3.\displaystyle =\frac{2+(-1/2)^m}{3}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

ルール1. 各回の倍率の絶対値は出目 aa なので ∣wn∣|w_n| は出目の積である。積が15となるには、nn 回のうち一度ずつ3と5が出て、他はすべて1となる。従って ス=n(n−1)6n.\displaystyle \text{ス}=\frac{n(n-1)}{6^n}. 偏角は各回 (a−1)π/3(a-1)\pi/3 だけ進む。頂点の偏角は6方向のいずれかであり、実部が正の方向は3個、負の方向も3個である。線分が虚軸と交わるのは両端の実部の符号が異なるときで、各回の出目は次の方向を6方向から等確率に選ぶ。従って各試行で交わる確率は 1/21/2、初めて第n回に交わる確率は セ=(12)n−112=12n.\displaystyle \text{セ}=\left(\frac12\right)^{n-1}\frac12=\frac1{2^n}. 線分の長さは ∣wn−1∣ ∣aza−1−1∣|w_{n-1}|\,|az_{a-1}-1| であり、三角関数から a=1,2,3,4,5,6a=1,2,3,4,5,6 に対する後者の値は順に 0,3,13,5,31,310,\sqrt3,\sqrt{13},5,\sqrt{31},\sqrt{31}。目標値 5315\sqrt{31} には、直前までの積が5で、当回の出目が5または6である必要十分がある。直前の n−1n-1 回で積5となる並びは n−1n-1 通りなので ソ=2(n−1)6n.\displaystyle \text{ソ}=\frac{2(n-1)}{6^n}.

ルール2. 2z1=1+i\sqrt2 z_1=1+i である。固定点は −i-i なので、漸化式を wn+i=(1+i)(wn−1+i)w_n+i=(1+i)(w_{n-1}+i) と変形して wn+i=(1+i)n+1,タ=(1+i)n+1−i.w_n+i=(1+i)^{n+1},\qquad \text{タ}=(1+i)^{n+1}-i. 5頂点 Pn,…,Pn+4P_n,\ldots,P_{n+4} は Qj=(1+i)j (j=0,…,4)Q_j=(1+i)^j\ (j=0,\ldots,4) を (1+i)n+1(1+i)^{n+1} 倍し、平行移動したものだから、面積は基準五角形の面積の 2n+12^{n+1} 倍である。基準頂点は (1,0),(1,1),(0,2),(−2,2),(−4,0)(1,0),(1,1),(0,2),(-2,2),(-4,0) で、三角形に分けると面積は (1+2+4+8)/2=15/2(1+2+4+8)/2=15/2。従って チ=152⋅2n+1=15⋅2n.\displaystyle \text{チ}=\frac{15}{2}\cdot2^{n+1}=15\cdot2^n.

ルール3. a=1a=1 を LL 回、a=3a=3 を HH 回選んで原点の周りをちょうど1周し、P0P_0 に戻ったとする。回転角と原点からの距離から L+3H=20,(5)L(1/5)H=5L/2−H=1.L+3H=20,\qquad (\sqrt5)^L(1/5)^H=5^{L/2-H}=1. 従って L=2HL=2H、H=4H=4、L=8L=8 で、辺の数は12である。

まず s=sin⁡(π/10)s=\sin(\pi/10) を求める。三倍角の公式と余角・二倍角の公式から sin⁡3π10=3s−4s3=cos⁡π5=1−2s2.\displaystyle \sin\frac{3\pi}{10}=3s-4s^3 =\cos\frac\pi5=1-2s^2. 整理すると (s−1)(4s2+2s−1)=0(s-1)(4s^2+2s-1)=0 であり、0<s<10<s<1 より ツ=s=5−14,s3=sin⁡3π10=1−2s2=5+14.\displaystyle \text{ツ}=s=\frac{\sqrt5-1}{4},\qquad s_3=\sin\frac{3\pi}{10}=1-2s^2=\frac{\sqrt5+1}{4}.

次に90度回転しても同じ多角形となる条件を調べる。角度は毎回正の π/10\pi/10 または 3π/103\pi/10 だけ増すため、1周の間に同じ偏角の頂点は重ならない。回転対称なら P0P_0 の像である偏角 π/2\pi/2、原点からの距離1の頂点が必要である。その頂点までの回数を l,hl,h とすれば、l+3h=5l+3h=5 かつ 5l/2−h=15^{l/2-h}=1 なので l=2hl=2h、よって h=1,l=2h=1,l=2 である。回転は辺と頂点の順序も保存するから、各90度区間は同じ3手列を繰り返す。候補は (1,1,3),(1,3,1),(3,1,1)(1,1,3),(1,3,1),(3,1,1) の3通りに限られる。逆にこれらを4回繰り返せば90度回転対称となる。

角度増分は常に 00 と π\pi の間なので、原点と各辺で作る三角形の内部は隣の扇形と重ならず、面積を足せる。直前の距離を rr、選ぶ値を aa とした1辺の寄与は 12r2hasin⁡(aπ/10)\displaystyle \frac12r^2h_a\sin(a\pi/10) である。各90度区間の最初の距離は1に戻る。3候補の区間内の r2r^2 と全体の面積を計算すると 3手列各手の直前の r2全体の面積(1,1,3)1,5,254⋅12(65 s+5s3)=35−52(1,3,1)1,5,1/54⋅12(655s+s3)=35−510(3,1,1)1,1/25,1/54⋅12(6525s+s35)=35−550\displaystyle \begin{array}{c|c|c} \text{3手列}&\text{各手の直前の }r^2&\text{全体の面積}\\ \hline (1,1,3)&1,5,25&4\cdot\frac12(6\sqrt5\,s+5s_3)=\frac{35-\sqrt5}{2}\\ (1,3,1)&1,5,1/5&4\cdot\frac12\left(\frac{6\sqrt5}{5}s+s_3\right)=\frac{35-\sqrt5}{10}\\ (3,1,1)&1,1/25,1/5&4\cdot\frac12\left(\frac{6\sqrt5}{25}s+\frac{s_3}{5}\right)=\frac{35-\sqrt5}{50} \end{array} となる。35−5>035-\sqrt5>0 なので最初の列が最大であり、テ=(35−5)/2\text{テ}=(35-\sqrt5)/2 である。

ルール4. 出目1なら偏角が 2π/m2\pi/m、出目2なら 4π/m4\pi/m だけ進む。全周までの残りを mm 単位とした確率を pmp_m とおけば、最初の一投から p0=1,p1=12,pm=12pm−1+12pm−2(m≧2).\displaystyle p_0=1,\quad p_1=\frac12,\quad p_m=\frac12p_{m-1}+\frac12p_{m-2}\quad(m\ge2). この漸化式を解くと pm=23+13(−12)m\displaystyle p_m=\frac23+\frac13(-\frac12)^m となる。したがって ト=2+(−1/2)m3.\displaystyle \text{ト}=\frac{2+(-1/2)^m}{3}.

この問題で使う考え方

  • 複素数平面
  • 複素数の極形式
  • ド・モアブルの定理
  • 確率の基本法則
  • 和の法則
  • 三角比による面積
  • 三角関数の相互関係
  • 漸化式

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