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福井大学/2018年度

福井大学 2018年 数学 第1問解答・解説

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1問題

福井大学2018年度第1問

方程式 x^3=1 の虚数解の1つを ω とする。複素数平面上で,原点 O でない点 A(z) に対して5点 B(-zω̄),C(zω),D(-z),E(zω̄),F(-zω) をとる。以下の問いに答えよ。ただし,iは虚数単位とする。

(1) z=1+2i のとき,三角形 ACE と三角形 BDF の共通部分の面積を求めよ。

(2) 六角形 ABCDEF の各頂点と O を線分で結ぶと,この六角形は6個の三角形に分割される。動点 P は O を出発して,1秒後に辺で結ばれている点のいずれかに移動する。さらにその点を出発してこの移動を繰り返す。ただし,P は今いる点からその点と辺で結ばれている点へは等しい確率で移動する。例えば,下図のような四角形の場合では, ・PがOにいるときはX,Y,Z,Wのいずれかに1/4の確率で移動する。 ・PがXにいるときはY,O,Wのいずれかに1/3の確率で移動する。

四角形の上辺の左端にX、右端にW、下辺の左端にY、右端にZ、2本の対角線XZとYWの交点にOと書かれている。外周の4辺と2本の対角線は実線で描かれている。

① Pが2秒後にOにいる確率 p₂,3秒後にOにいる確率 p₃ をそれぞれ求めよ。 ② Pがn秒後にOにいる確率 pₙ を求めよ。ただし,nは自然数とする。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

複素数の偏角と絶対値から2つの正三角形の相対配置を求め、正六角形の面積を計算する。確率は外側の頂点での対称性を使って中心確率の一次漸化式に帰着する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 532.\displaystyle \frac{5\sqrt3}{2}.\qquad (2) p2=13,p3=29,pn=14+34(−13)n(n∈N).\displaystyle p_2=\frac13,\quad p_3=\frac29,\quad p_n=\frac14+\frac34\left(-\frac13\right)^n\quad(n\in\mathbb N).

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) ω\omega は 11 以外の3乗根なので、複素平面上で 1,ω,ωˉ1,\omega,\bar\omega は偏角が 120∘120^\circ ずつ異なる。z=1+2iz=1+2i とすると ∣z∣=5|z|=\sqrt5 であり、A,C,EA,C,E は原点中心・半径 5\sqrt5 の円上で等間隔だから、三角形 ACEACE は正三角形である。同様に B,D,FB,D,F も正三角形で、前者を中心のまわりに 60∘60^\circ 回した位置にある(ω\omega の選択が共役なら鏡映になるだけで面積は変わらない)。

半径 R=5R=\sqrt5 の外接円をもつ正三角形の内接円半径は R/2R/2 である。2つの正三角形の辺の法線は合わせて 60∘60^\circ 間隔に並ぶため、共通部分は内接円半径 a=5/2a=\sqrt5/2 をもつ正六角形となる。その一辺は 2atan⁡30∘2a\tan30^\circ なので、面積は 6⋅12a (2atan⁡30∘)=6a2tan⁡30∘=532.\displaystyle 6\cdot\frac12a\,(2a\tan30^\circ)=6a^2\tan30^\circ=\frac{5\sqrt3}{2}.

(2) 6つの外側の頂点は対称なので、時刻 nn に各外側の頂点にいる確率を qnq_n とおく。中心にいる確率を pnp_n とすれば pn+6qn=1.p_n+6q_n=1. 各外側頂点からは3本の辺のうち1本で中心へ移るから、 pn+1=6⋅qn3=2qn=1−pn3.\displaystyle p_{n+1}=6\cdot\frac{q_n}{3}=2q_n=\frac{1-p_n}{3}. 初めに中心にいるので p0=1p_0=1。従って p1=0,p2=13,p3=29.\displaystyle p_1=0,\qquad p_2=\frac13,\qquad p_3=\frac29. また漸化式の不動値は 1/41/4 であり、 pn+1−14=−13(pn−14).\displaystyle p_{n+1}-\frac14=-\frac13\left(p_n-\frac14\right). これを繰り返すと、自然数 nn に対し pn=14+(p0−14)(−13)n=14+34(−13)n.\displaystyle p_n=\frac14+\left(p_0-\frac14\right)\left(-\frac13\right)^n =\frac14+\frac34\left(-\frac13\right)^n. したがって求める確率は p2=1/3, p3=2/9p_2=1/3,\ p_3=2/9 および pn=14+34(−1/3)n\displaystyle p_n=\frac14+\frac34(-1/3)^n である。

この問題で使う考え方

  • 複素数平面
  • 複素数の極形式
  • 三角比による面積
  • 確率の基本法則
  • 事象の数学化とモデル化
  • 漸化式
  • 数学的帰納法

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