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福島県立医科大学/2016年度/前期

福島県立医科大学 2016年 数学 第3問解答・解説

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1問題

福島県立医科大学2016年度第3問

命題 PP「a (0≦a≦2π)a\ (0\leq a\leq 2\pi) を定数としたとき,方程式 x=sin⁡(x+a)x=\sin(x+a) はただ1つの実数解をもつ」が真であるとき,方程式 x=sin⁡(x+a)x=\sin(x+a) の解 xx を f(a)f(a) で表わす。以下の問いに答えよ。

(1) 命題 PP が真であることを示せ。

(2) n=0,1,2n=0,1,2 について,f(nπ)f(n\pi) の値を求めよ。

(3) 0<x<2π0<x<2\pi のとき,cos⁡(x+f(x))<1\cos(x+f(x))<1 であることを示せ。

(4) 次の各問いに答えよ。ただし,関数 f(x)f(x) は 0≦x≦2π0\leq x\leq 2\pi で連続,0<x<2π0<x<2\pi で微分可能であると仮定してよい。

(i) 関数 θ(x)=x+f(x)\theta(x)=x+f(x) は 0≦x≦2π0\leq x\leq 2\pi において増加することを示せ。

(ii) 関数 y=f(x) (0≦x≦2π)y=f(x)\ (0\leq x\leq 2\pi) の増減,グラフの凹凸を調べ,最大値と最小値を求めよ。

(iii) 曲線 y=f(x) (0≦x≦2π)y=f(x)\ (0\leq x\leq 2\pi) と xx 軸で囲まれた図形の面積を求めよ。

(5) 導関数の定義と lim⁡x→0sin⁡xx=1\displaystyle \lim\limits _{x\to 0}\frac{\sin x}{x}=1 を利用することにより,関数 f(x)f(x) が 0<x<2π0<x<2\pi において微分可能であることを示せ。ただし,f(x)f(x) は 0≦x≦2π0\leq x\leq 2\pi で連続であると仮定してよい。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 全aで一意解。(2) f(0)=f(π)=f(2π)=0f(0)=f(\pi)=f(2\pi)=0。(3) cos⁡(x+f(x))<1\cos(x+f(x))<1。(4) θ\theta狭義増加、最大値1(x=π2−1\displaystyle x=\frac\pi2-1)、最小値−1(x=3π2+1\displaystyle x=\frac{3\pi}{2}+1)、変曲点(π,0)(\pi,0)、面積4。(5) f′(x)=cos⁡(x+f(x))1−cos⁡(x+f(x))\displaystyle f'(x)=\frac{\cos(x+f(x))}{1-\cos(x+f(x))}。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) aa を固定し F(x)=x−sin⁡(x+a)F(x)=x-\sin(x+a) とおく。F(−1)=−1−sin⁡(a−1)≦0F(-1)=-1-\sin(a-1)\le0、F(1)=1−sin⁡(a+1)≧0F(1)=1-\sin(a+1)\ge0 なので、中間値の定理で −1≦x≦1-1\leq x\leq1 の範囲に解がある。解なら ∣x∣=∣sin⁡(x+a)∣≦1|x|=|\sin(x+a)|\le1。異なる解 u<vu<v があると仮定し d=v−ud=v-u とすると 0<d≦20<d\le2 で、 d=∣sin⁡(v+a)−sin⁡(u+a)∣≦2sin⁡(d/2)<d.d=|\sin(v+a)-\sin(u+a)| \le2\sin(d/2)<d. ここで差の公式と 0<d/2≦1<π/20<d/2\le1<\pi/2 における sin⁡t<t\sin t<t を用いた。矛盾するので解はただ一つである。

(2) a=nπa=n\pi(n=0,1,2n=0,1,2)では x=0x=0 が解なので、一意性から f(0)=f(π)=f(2π)=0.f(0)=f(\pi)=f(2\pi)=0.

以後 θ(x)=x+f(x)\theta(x)=x+f(x) とおくと f(x)=sin⁡θ(x)f(x)=\sin\theta(x)。もし 0<x<2π0<x<2\pi で cos⁡θ=1\cos\theta=1 なら sin⁡θ=0\sin\theta=0、従って f(x)=0f(x)=0、θ=x\theta=x となるが、cos⁡x=1\cos x=1 はこの区間では成り立たない。よって cos⁡(x+f(x))<1\cos(x+f(x))<1。

(4) では問題文の仮定どおり、まず ff が微分可能として扱う。(i) f=sin⁡θf=\sin\theta、θ′=1+f′\theta'=1+f' より (1−cos⁡θ)θ′=1.(1-\cos\theta)\theta'=1. 上で示した不等式から θ′>0\theta'>0。連続性と平均値の定理により 0≦x≦2π0\leq x\leq2\pi の範囲では、xx が大きくなると θ(x)\theta(x) は必ず大きくなる。

(ii) θ(0)=0,θ(2π)=2π\theta(0)=0,\theta(2\pi)=2\pi で、f′=cos⁡θ/(1−cos⁡θ)f'=\cos\theta/(1-\cos\theta)。従って ff は 0<θ<π/20<\theta<\pi/2 または 3π/2<θ<2π3\pi/2<\theta<2\pi のとき増加し、π/2<θ<3π/2\pi/2<\theta<3\pi/2 のとき減少する。x=θ−sin⁡θx=\theta-\sin\theta なので、θ=π/2\theta=\pi/2 は x=π/2−1, f=1x=\pi/2-1,\ f=1、θ=3π/2\theta=3\pi/2 は x=3π/2+1, f=−1x=3\pi/2+1,\ f=-1 に対応する。よって最大値は1、最小値は−1である。また f′′=−sin⁡θ(1−cos⁡θ)3.\displaystyle f''=-\frac{\sin\theta}{(1-\cos\theta)^3}. 0<θ<π0<\theta<\pi では f′′<0f''<0(上に凸)、π<θ<2π\pi<\theta<2\pi では f′′>0f''>0(下に凸)。θ=π\theta=\pi に対応する x=π, f=0x=\pi,\ f=0 が変曲点である。

(iii) x=θ−sin⁡θx=\theta-\sin\theta とおけば dx=(1−cos⁡θ)dθdx=(1-\cos\theta)d\theta。ff は 0<x<π0<x<\pi で正、π<x<2π\pi<x<2\pi で負なので、 面積=∫0πsin⁡θ(1−cos⁡θ) dθ−∫π2πsin⁡θ(1−cos⁡θ) dθ=2−(−2)=4.\displaystyle \text{面積}=\int_0^\pi\sin\theta(1-\cos\theta)\,d\theta -\int_\pi^{2\pi}\sin\theta(1-\cos\theta)\,d\theta=2-(-2)=4.

(5) 0<x0<2π0<x_0<2\pi を固定し、θ0=x0+f(x0)\theta_0=x_0+f(x_0) とする。小さい h≠0h\ne0 に対して Δ=f(x0+h)−f(x0),δ=h+Δ\Delta=f(x_0+h)-f(x_0),\qquad \delta=h+\Delta とおく。連続性から δ→0\delta\to0。もし δ=0\delta=0 なら Δ=sin⁡(θ0+δ)−sin⁡θ0=0\Delta=\sin(\theta_0+\delta)-\sin\theta_0=0。このとき h=δ−Δ=0h=\delta-\Delta=0 となり、仮定 h≠0h\ne0 に反する。従って δ≠0\delta\ne0。方程式より Δ=sin⁡(θ0+δ)−sin⁡θ0,h=δ−Δ.\Delta=\sin(\theta_0+\delta)-\sin\theta_0,\qquad h=\delta-\Delta. 加法定理と lim⁡t→0sin⁡t/t=1\displaystyle \lim\limits _{t\to0}\sin t/t=1 から Δδ=cos⁡(θ0+δ2)sin⁡(δ/2)δ/2⟶cos⁡θ0.\displaystyle \frac{\Delta}{\delta} =\cos\left(\theta_0+\frac{\delta}{2}\right)\frac{\sin(\delta/2)}{\delta/2} \longrightarrow\cos\theta_0. 従って h/δ=1−Δ/δ→1−cos⁡θ0>0h/\delta=1-\Delta/\delta\to1-\cos\theta_0>0((3))であり、 lim⁡h→0f(x0+h)−f(x0)h=lim⁡h→0Δδδh=cos⁡θ01−cos⁡θ0.\displaystyle \lim\limits _{h\to0}\frac{f(x_0+h)-f(x_0)}h =\lim\limits _{h\to0}\frac{\Delta}{\delta}\frac{\delta}{h} =\frac{\cos\theta_0}{1-\cos\theta_0}. 極限が存在するので ff は微分可能であり、求める導関数は f′(x)=cos⁡(x+f(x))1−cos⁡(x+f(x))(0<x<2π).\displaystyle f'(x)=\frac{\cos(x+f(x))}{1-\cos(x+f(x))}\quad(0<x<2\pi).

答え

(1) 各 aa で解はただ一つ。(2) f(0)=f(π)=f(2π)=0f(0)=f(\pi)=f(2\pi)=0。(3) cos⁡(x+f(x))<1\cos(x+f(x))<1。(4)(i) xx が大きくなると θ(x)\theta(x) は必ず大きくなる。(ii) 最大値1、最小値−1、変曲点 (π,0)(\pi,0)、増減・凹凸は上記のとおり。(iii) 面積4。(5) f′(x)=cos⁡(x+f(x))/(1−cos⁡(x+f(x)))f'(x)=\cos(x+f(x))/(1-\cos(x+f(x)))。

この問題で使う考え方

  • 中間値の定理と差の評価
  • 陰関数関係の整理
  • 媒介変数置換
  • 差商による微分可能性の証明

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