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慶應義塾大学/2009年度

慶應義塾大学 2009年 数学 第IV問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2009年度第IV問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。また,設問(2),(3)に答えなさい。

平面上を運動する点 PP の,時刻 tt における座標 (x,y)(x,y) が x=f(t)=cos⁡2t+tsin⁡2t,y=g(t)=sin⁡2t−tcos⁡2tx=f(t)=\cos 2t+t\sin 2t,\qquad y=g(t)=\sin 2t-t\cos 2t と表されているとする。

(1) 点 PP の時刻 tt における加速度ベクトル α⃗\vec{\alpha} を求めると α⃗=((あ),(い))\vec{\alpha}=(\boxed{\text{(あ)}},\boxed{\text{(い)}}) である。

(2) 時刻 tt(ただし t≠0t\neq0)における点 PP を通り,その時刻における加速度ベクトル α⃗\vec{\alpha} に平行な直線を ll とするとき,ll は必ず原点を中心とする半径1の円 CC に接することを示しなさい。その接点 QQ の座標は ((う),(え))(\boxed{\text{(う)}},\boxed{\text{(え)}}) である。

(3) f(t)f(t) は区間 0≦t≦π2\displaystyle 0\leq t\leq\frac{\pi}{2} で減少することを示しなさい。

(4) tt が π4\displaystyle \frac{\pi}{4} から π2\displaystyle \frac{\pi}{2} まで変化するとき線分 PQPQ が動いてできる図形の面積 SS を求めると,S=(お)S=\boxed{\text{(お)}} である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

(1)  速度ベクトルはv⃗=(f′(t),g′(t))\vec v=(f\prime(t),g\prime(t))である。積の微分を用いるとf′(t)=−sin⁡2t+2tcos⁡2tf\prime(t)=-\sin2t+2t\cos2t、g′(t)=cos⁡2t+2tsin⁡2tg\prime(t)=\cos2t+2t\sin2tとなる。さらに微分してf′′(t)=−4tsin⁡2tf\prime\prime(t)=-4t\sin2t、g′′(t)=4tcos⁡2tg\prime\prime(t)=4t\cos2tを得る。従って加速度ベクトルはα⃗=(−4tsin⁡2t,4tcos⁡2t)\vec\alpha=(-4t\sin2t,4t\cos2t)である。

(2)  t≠0t\ne0ならばα⃗\vec\alphaは(−sin⁡2t,cos⁡2t)(-\sin2t,\cos2t)に平行であり、(cos⁡2t,sin⁡2t)(\cos2t,\sin2t)はこれに垂直な単位ベクトルである。点P=(f(t),g(t))P=(f(t),g(t))を通りα⃗\vec\alphaに平行な直線の方程式は(x−f(t))cos⁡2t+(y−g(t))sin⁡2t=0(x-f(t))\cos2t+(y-g(t))\sin2t=0である。ここでf(t)cos⁡2t+g(t)sin⁡2t=1f(t)\cos2t+g(t)\sin2t=1だから、この直線はxcos⁡2t+ysin⁡2t=1x\cos2t+y\sin2t=1となる。単位円x2+y2=1x^2+y^2=1の点Q=(cos⁡2t,sin⁡2t)Q=(\cos2t,\sin2t)における接線の方程式がこれと一致するので、直線は必ず円に接し、接点はQ=(cos⁡2t,sin⁡2t)Q=(\cos2t,\sin2t)である。

(3)  u=2tu=2tとおくと0≦u≦π0\leq u\leq\piである。h(u)=sin⁡u−ucos⁡uh(u)=\sin u-u\cos uとするとh(0)=0h(0)=0、h′(u)=usin⁡u≧0h\prime(u)=u\sin u\geq0なのでh(u)≧0h(u)\geq0である。従ってf′(t)=−h(2t)≦0f\prime(t)=-h(2t)\leq0となり、f(t)f(t)は指定区間で減少する。

(4)  a=π/4, b=π/2a=\pi/4,\ b=\pi/2とおく。 線分PQPQ上の点は、QQからの距離をssとして (x,y)=(cos⁡2t+ssin⁡2t, sin⁡2t−scos⁡2t),a≦t≦b,0≦s≦t(x,y)=(\cos2t+s\sin2t,\ \sin2t-s\cos2t), \qquad a\leq t\leq b,\quad 0\leq s\leq t と表せる。

まず、異なる時刻の線分が重ならないことを確かめる。 t1<t2t_1<t_2とし、δ=2(t2−t1)\delta=2(t_2-t_1)とおくと0<δ≦π/20<\delta\leq\pi/2である。 時刻t1t_1の線分上の点について xcos⁡2t2+ysin⁡2t2=cos⁡δ−ssin⁡δ<1x\cos2t_2+y\sin2t_2=\cos\delta-s\sin\delta<1 が成り立つ。一方、時刻t2t_2の線分は接線 xcos⁡2t2+ysin⁡2t2=1x\cos2t_2+y\sin2t_2=1上にあるので、両線分は交わらない。

次に、図形を鉛直な線で切った断面を求める。 a≦t≦ba\le t\le bではf′(t)=−sin⁡2t+2tcos⁡2t<0f'(t)=-\sin2t+2t\cos2t<0であり、 f(a)=a, f(b)=−1f(a)=a,\ f(b)=-1である。 したがって、−1<x<a-1<x<aに対しa<T<ba<T<b の範囲でf(T)=xf(T)=xを満たすTTがただ一つ存在する。 t<bt<bではsin⁡2t>0\sin2t>0だから、線分が鉛直線X=xX=xと交わる条件は cos⁡2t≦x≦f(t)\cos2t\leq x\leq f(t) であり、その交点の高さは Yx(t)=1−xcos⁡2tsin⁡2t\displaystyle Y_x(t)=\frac{1-x\cos2t}{\sin2t} となる。 −1<x≦0-1<x\leq0のときはa≦t0<ba\le t_0<b の範囲でcos⁡2t0=x\cos2t_0=xとなるt0t_0をとれば、 交点が存在する時刻はちょうどt0≦t≦Tt_0\leq t\leq Tである。 0≦x<a0\leq x<aのときは、ちょうどa≦t≦Ta\leq t\leq Tである。 いずれもこの区間で Yx′(t)=2(x−cos⁡2t)sin⁡22t≧0\displaystyle Y_x'(t)=\frac{2(x-\cos2t)}{\sin^2 2t}\geq0 となる。YxY_xは連続なので、断面は下端から上端まで隙間なく埋まる。 上端はYx(T)=g(T)Y_x(T)=g(T)であり、下端は Yx(t0)=1−x2(−1<x≦0),Yx(a)=1(0≦x<a)Y_x(t_0)=\sqrt{1-x^2}\quad(-1<x\leq0), \qquad Y_x(a)=1\quad(0\leq x<a) である。 またx=−1x=-1ではt=bt=bの線分0≦y≦b0\leq y\leq b、 x=ax=aでは点(a,1)(a,1)が境界となる。 これで図形の上下の境界と両端がすべて定まった。

【表示上の注記】補助図はこのローカルプレビューでは未表示です。元の図データ・参照は保持しています。座標・範囲・計算・証明は採用稿の本文に記載されています。

図は上側のPPの軌跡、下側の円弧と水平線分、左端の鉛直線分を示す。薄紫色は−1≦x≦0-1\leq x\leq0、薄青色は0≦x≦a0\leq x\leq aの部分であり、両者の和が求める図形である。

上側の境界をy=U(x)y=U(x)と書くと、U(f(t))=g(t)U(f(t))=g(t)だから、 通常の一変数の面積積分と置換x=f(t)x=f(t)により S=∫−1aU(x) dx−∫−101−x2 dx−∫0a1 dx=∫abg(t)(−f′(t)) dt−π4−a=∫abg(t)(−f′(t)) dt−π2.\displaystyle \begin{aligned} S&=\int_{-1}^{a}U(x)\,dx -\int_{-1}^{0}\sqrt{1-x^2}\,dx-\int_0^a1\,dx\\ &=\int_a^b g(t)(-f'(t))\,dt-\frac\pi4-a =\int_a^b g(t)(-f'(t))\,dt-\frac\pi2. \end{aligned} ここで∫−101−x2 dx=π/4\displaystyle \int_{-1}^{0}\sqrt{1-x^2}\,dx=\pi/4は単位円の四分の一の面積である。 被積分関数を倍角公式で整理すると g(t)(−f′(t))=(sin⁡2t−tcos⁡2t)(sin⁡2t−2tcos⁡2t)=12+t2+(t2−12)cos⁡4t−32tsin⁡4t.\displaystyle \begin{aligned} g(t)(-f'(t)) &=(\sin2t-t\cos2t)(\sin2t-2t\cos2t)\\ &=\frac12+t^2+\left(t^2-\frac12\right)\cos4t -\frac32t\sin4t. \end{aligned} 部分積分により、または次の右辺を微分して、 ∫g(t)(−f′(t)) dt=t2+t33+t2sin⁡4t4+tcos⁡4t2−sin⁡4t4+C\displaystyle \int g(t)(-f'(t))\,dt =\frac t2+\frac{t^3}{3} +\frac{t^2\sin4t}{4}+\frac{t\cos4t}{2} -\frac{\sin4t}{4}+C を得る。sin⁡4a=sin⁡4b=0, cos⁡4a=−1, cos⁡4b=1\sin4a=\sin4b=0,\ \cos4a=-1,\ \cos4b=1より ∫abg(t)(−f′(t)) dt=b−a2+b3−a33+b+a2=π2+7π3192.\displaystyle \int_a^b g(t)(-f'(t))\,dt =\frac{b-a}{2}+\frac{b^3-a^3}{3}+\frac{b+a}{2} =\frac\pi2+\frac{7\pi^3}{192}. したがって求める面積は S=7π3192.\displaystyle \boxed{S=\frac{7\pi^3}{192}}.

この問題で使う考え方

  • 積の微分
  • 三角関数の微分
  • 第二次導関数
  • 速度と加速度
  • 導関数と増減
  • 三角関数の相互関係
  • ベクトルによる図形の考察
  • 曲線の媒介変数表示

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