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慶應義塾大学/2009年度

慶應義塾大学 2009年 数学 第I問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2009年度第I問

以下の文章の空欄に適切な数,式または行列を入れて文章を完成させなさい。(設問(3)では,適切な行列が複数個ある場合は,それらをすべて答えなさい。)   (1) x,yx,y が3つの不等式 x>2,y≧xx−2,x+y≦6\displaystyle x>2,\qquad y\geq\frac{x}{x-2},\qquad x+y\leq6 を満たすとき,3x+2y3x+2y の最大値は (あ)\boxed{\text{(あ)}} であり,最小値は (い)\boxed{\text{(い)}} である。   (2) 実数 α\alpha に対して α\alpha を超えない最大の整数を [α][\alpha] と書く。 [ ][\,] をガウス記号という。   (i) 自然数 mm の桁数 kk をガウス記号を用いて表すと k=[(う)]k=\left[\boxed{\text{(う)}}\right] である。   (ii) 自然数 nn に対して 3n3^n の桁数を knk_n で表すと,lim⁡n→∞knn=(え)\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}\frac{k_n}{n}=\boxed{\text{(え)}} である。   (3) B=(1221)B=\begin{pmatrix}1&2\\2&1\end{pmatrix} のとき,A2=B2A^2=B^2 を満たす2次の正方行列 AA をすべて求めると A=(お)A=\boxed{\text{(お)}} である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

不等式の実現可能範囲を先に定め、常用対数と床関数で桁数・極限を処理し、最後は2次正方行列の成分を文字で置いて条件を連立方程式に直した。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 最大値 16, 最小値 8+43.\space{}8+4\sqrt{3}.
    (2)(i) k=[log⁡10m]+1,(2)(i)\space{}k=\left[\log_{10}m\right]+1,
    (ii) lim⁡n→∞knn=log⁡103.\displaystyle (ii)\space{}\lim\limits _{n\to\infty}\frac{k_n}{n}=\log_{10}3.
    (3) A=(1221),(−1−2−2−1),(2112),(−2−1−1−2).(3)\space{}A=\begin{pmatrix}1&2\\2&1\end{pmatrix},\begin{pmatrix}-1&-2\\-2&-1\end{pmatrix},\begin{pmatrix}2&1\\1&2\end{pmatrix},\begin{pmatrix}-2&-1\\-1&-2\end{pmatrix}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)  x>2 より x-2>0 である。 y≧\geqxx−2\displaystyle \dfrac{x}{x-2} と x+y≦\leq6 が両立するためには、xx−2\displaystyle \dfrac{x}{x-2}≦\leq6-x が必要十分である。分母は正なので両辺に x-2 を掛けると、 x^2-7x+12≦\leq0、すなわち (x-3)(x-4)≦\leq0 となり、 3≦\leq x≦\leq4 である。この範囲で、固定した x に対し 3x+2y は y とともに増加するから、最大値を与えるとき y=6-x であり、 3x+2y=x+12≦\leq16 となる。 x=4,y=2 は条件を満たすので最大値は 16 である。最小値については t=x-2 とおくと 1≦\leq t≦\leq2 であり、 y≧\geq x/(x-2) から 3x+2y≧\geq3(t+2)+2(t+2)/t=8+3t+4/t≧\geq8+43\sqrt3 となる。最後の不等式は正の数 3t と 4/t に相加相乗平均を用いた。等号は t=2/3\sqrt3、すなわち x=2+2/3\sqrt3、 y=x/(x-2)=1+3\sqrt3 で成立し、この組は全条件を満たす。よって最小値は 8+43\sqrt3 である。  (2)(i)  自然数 m の桁数を k とすると 10^{k-1}≦\leq m<10^k である。常用対数を取れば k-1≦\leqlog⁡10\log_{10}m<k だから、 k=[log⁡10m]\left[\log_{10}m\right]+1 である。  (ii)  L=log⁡103L=\log_{10}3 とおく。3n3^n の桁数は kn=⌊nL⌋+1k_n=\lfloor nL\rfloor+1 である。一般に実数 uu に対して u−1<⌊u⌋≦uu-1<\lfloor u\rfloor\leq u だから、nL<kn≦nL+1.nL<k_n\leq nL+1.ここで本問ではさらに nLnL は整数ではない。実際、もし整数 mm を用いて nL=mnL=m と表せるなら 3n=10m3^n=10^m となる。nn は自然数なので m>0m>0 であり、右辺は偶数、左辺は奇数で矛盾する。したがって上の右側も厳密に kn<nL+1k_n<nL+1 と書ける。いずれの評価でも L<knn≦L+1n\displaystyle L<\frac{k_n}{n}\leq L+\frac1n と挟めるので、はさみうちにより lim⁡n→∞kn/n=L=log⁡103\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}k_n/n=L=\log_{10}3 である。  (3)  A=(uvwz)A=\begin{pmatrix}u&v\\w&z\end{pmatrix} とおく。B2=(5445)B^2=\begin{pmatrix}5&4\\4&5\end{pmatrix} であり、A2=B2A^2=B^2 の各成分を比べると u^2+vw=5, v(u+z)=4, w(u+z)=4, vw+z^2=5 となる。中央の二式から u+z≠\ne0 および v=w が従う。また最初と最後の式の差から (u-z)(u+z)=0 なので u=z である。u=z=tu=z=t とおけば v=w=2/t、また t≠\ne0 であり、最初の式は t^2+4/t^2=5、すなわち (t^2-1)(t^2-4)=0 となる。従って t=1,-1,2,-2 である。対応する行列は答案に掲げた四つであり、いずれも二乗すると(5445)\begin{pmatrix}5&4\\4&5\end{pmatrix} になる。

この問題で使う考え方

  • 二次不等式とグラフ
  • 等式・不等式の証明
  • 常用対数
  • 数列の極限
  • 行列を用いた表現

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