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兵庫医科大学/2022年度/一般

兵庫医科大学 2022年 数学 第2問解答・解説

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1問題

兵庫医科大学2022年度第2問

以下の問いに答えよ。なお,途中の式や考え方等も記入すること。ただし,(2) はグラフのみでよい。

(1) aa,bb を実数として,不等式 ∣a∣+∣b∣≧∣a−b∣|a|+|b|\geq|a-b| を証明せよ。また,等号が成り立つのはどのようなときか。

(2) 実数 xx の関数 f(x)=∣2x−1∣f(x)=|2x-1| について,f1(x)=f(x)f_{1}(x)=f(x),f2(x)=f(f1(x))f_{2}(x)=f(f_{1}(x)),f3(x)=f(f2(x))f_{3}(x)=f(f_{2}(x)) と定める。関数 y=f3(x)y=f_{3}(x) のグラフをかけ。

(3) 任意の実数 tt について,実数 xx の関数 f(x)=∣x−1∣+∣x−2∣+∣x−t∣f(x)=|x-1|+|x-2|+|x-t| は常に f(x)≧1f(x)\geq 1 であることを証明せよ。

(4) 実数 xx の関数 f(x)=∑k=1N∣x−k∣\displaystyle f(x)=\displaystyle\sum\limits _{k=1}^{N}|x-k| について,この関数の最小値を求めよ。また,そのときの xx を求めよ。ただし,NN は自然数とする。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

絶対値の平方差と三角不等式を用い,絶対値関数を区間ごとの一次式に分け,対称な項の組合せで和の下限を評価する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) ∣a∣+∣b∣≧∣a−b∣,=(1)\space{}|a|+|b|\ge|a-b|,\quad =の条件 ab≦0;ab\le0;
    (2) f3(2)\space{}f_3の折れ線;
    (3) f(x)≧1;(3)\space{}f(x)\ge1;
    (4) min⁡f=⌊N24⌋\displaystyle (4)\space{}\min f=\left\lfloor\frac{N^2}{4}\right\rfloor

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 左辺と右辺はいずれも0以上である。両辺の平方の差を計算すると (∣a∣+∣b∣)2−∣a−b∣2=2(∣a∣∣b∣+ab)=2(∣ab∣+ab)≧0(|a|+|b|)^2-|a-b|^2=2(|a||b|+ab)=2(|ab|+ab)\ge0 となる。したがって ∣a∣+∣b∣≧∣a−b∣|a|+|b|\ge|a-b|。等号は ∣ab∣+ab=0|ab|+ab=0,すなわち ab≦0ab\le0 のとき,そのときに限り成り立つ。

(2) f3(x)f_3(x) のグラフは次の折れ線である。 g(x)=f3(x)={1−8x(x≦1/8)8x−1(1/8≦x≦1/4)3−8x(1/4≦x≦3/8)8x−3(3/8≦x≦1/2)5−8x(1/2≦x≦5/8)8x−5(5/8≦x≦3/4)7−8x(3/4≦x≦7/8)8x−7(x≧7/8)g(x)=f_3(x)=\begin{cases} 1-8x & (x\le1/8) \\ 8x-1 & (1/8\le x\le1/4) \\ 3-8x & (1/4\le x\le3/8) \\ 8x-3 & (3/8\le x\le1/2) \\ 5-8x & (1/2\le x\le5/8) \\ 8x-5 & (5/8\le x\le3/4) \\ 7-8x & (3/4\le x\le7/8) \\ 8x-7 & (x\ge7/8) \end{cases} 従って頂点は順に (1/8,0),(1/4,1),(3/8,0),(1/2,1),(5/8,0),(3/4,1),(7/8,0)\left(1/8,0\right),\left(1/4,1\right),\left(3/8,0\right),\left(1/2,1\right),\left(5/8,0\right),\left(3/4,1\right),\left(7/8,0\right) で,両端は記した直線に沿って延びる。

(3) (1)を a=x−1,b=x−2a=x-1,b=x-2 に適用すると ∣x−1∣+∣x−2∣≧∣(x−1)−(x−2)∣=1.|x-1|+|x-2|\ge|(x-1)-(x-2)|=1. さらに ∣x−t∣≧0|x-t|\ge0 だから,任意の実数 t,xt,x について ∣x−1∣+∣x−2∣+∣x−t∣≧1|x-1|+|x-2|+|x-t|\ge1 である。等号は x=tx=t かつ 1≦x≦21\le x\le2 のときに限る。

(4) NN の偶奇に分ける。

N=2mN=2m のとき,jj と 2m+1−j2m+1-j を組にして j=1,2,…,mj=1,2,\ldots,m と動かすと ∣x−j∣+∣x−(2m+1−j)∣≧2m+1−2j.|x-j|+|x-(2m+1-j)|\ge 2m+1-2j. これらを加えれば f(x)≧∑j=1m(2m+1−2j)=m2.\displaystyle f(x)\ge\sum\limits _{j=1}^{m}(2m+1-2j)=m^2. 各組で等号となるのは j≦x≦2m+1−jj\le x\le2m+1-j のときであり,すべての組で等号となる範囲は共通部分 m≦x≦m+1m\le x\le m+1 である。よって最小値は m2m^2 で,m≦x≦m+1m\le x\le m+1 のときに限り達する。

N=2m+1N=2m+1 のときは中央の項を分け,jj と 2m+2−j2m+2-j を組にして j=1,2,…,mj=1,2,\ldots,m とすると f(x)=∣x−(m+1)∣+∑j=1m(∣x−j∣+∣x−(2m+2−j)∣)≧∣x−(m+1)∣+2∑r=1mr≧m(m+1).\displaystyle f(x)=|x-(m+1)|+\sum\limits _{j=1}^{m}\bigl(|x-j|+|x-(2m+2-j)|\bigr) \ge |x-(m+1)|+2\sum\limits _{r=1}^{m}r \ge m(m+1). この下限は x=m+1x=m+1 で達する。等号には中央の項が0であることが必要なので,このときに限る。以上より最小値は ⌊N2/4⌋\lfloor N^2/4\rfloor。偶数 N=2mN=2m では m≦x≦m+1m\le x\le m+1,奇数 N=2m+1N=2m+1 では x=m+1x=m+1 のときに達する。

この問題で使う考え方

  • 実数と無理数
  • 等式・不等式の証明
  • 直線の方程式
  • 等差数列の一般項と和

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