本文へ進む
メニュー
医学部数学 過去問DB問題を探す

京都府立医科大学/2016年度/前期

京都府立医科大学 2016年 数学 第4問解答・解説

このページには広告が含まれます。

1問題

京都府立医科大学2016年度第4問

xyxy 平面上で xx 座標と yy 座標がともに整数である点を格子点と呼ぶ。すべての整数 l,ml,m に対し,直線 x=lx=l と直線 y=my=m を引き,xyxy 平面を格子点を頂点とする一辺の長さが1の正方形の集まりに分割する。その一つ一つの正方形(格子点を頂点とする1辺の長さが1の正方形)の内部を区画と呼ぶ。正の実数 kk に対して原点を通る直線 Lk:y=kxL_{k}:y=kx をとり,LkL_{k} が通る区画について考える。ここで LkL_{k} が区画を通るとは,直線 LkL_{k} と区画が共有点をもつことをいう。自然数 nn に対して,不等式 n−1<x<nn-1<x<n で表される xyxy 平面上の領域を DnD_{n} とする。DnD_{n} に含まれ,直線 LkL_{k} が通る区画の個数を ana_{n} とおく。

以下 kk は無理数とする。

(1) 直線 LkL_{k} は原点以外に格子点を通らないことを証明せよ。

(2) k<an<k+2k<a_{n}<k+2 であることを証明せよ。

(3) NN を自然数とするとき,極限 lim⁡N→∞1N∑n=1Nan\displaystyle\lim\limits _{N\to\infty}\frac{1}{N}\sum\limits _{n=1}^{N}a_{n} を求めよ。

(4) 0<k<10<k<1 とする。自然数 NN に対し,NN 以下の自然数 nn で an≧k+1a_{n}\geq k+1 となる nn の個数を ANA_{N} とおく。極限 lim⁡N→∞ANN\displaystyle\lim\limits _{N\to\infty}\frac{A_{N}}{N} を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

各縦1幅の帯の中で直線が横切る水平格子線を数え、ana_nを床関数の差に直す。小数部分の範囲、差の望遠和、床関数の基本評価を使って全問を解く。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 原点以外に格子点を通らない。\quad (2) k<an<k+2k<a_n<k+2\quad (3) 1+k1+k\quad (4) k

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 格子点 (p,q)(p,q) が直線 LkL_k 上にあるとする。このとき q=kpq=kp である。p=0p=0 ならば q=0q=0 となるので、その格子点は原点である。p≠0p\ne 0 ならば k=q/pk=q/p は有理数となり、kk が無理数であることに反する。したがって、LkL_k は原点以外に格子点を通らない。

(2) 直線が DnD_n 内で通る区画の個数を数える。n≧2n\ge 2 ならば、縦の境界 x=n−1,nx=n-1,n における直線の高さ k(n−1),knk(n-1),kn はともに整数ではない。実際、正の整数 tt に対して ktkt が整数ならば kk は有理数となるからである。n=1n=1 のときは左端が原点だが、D1D_1 では x>0x>0 であり、右端の高さ kk は整数ではない。

DnD_n 内で直線が水平格子線 y=jy=j(jj は整数)を横切るたびに、通る区画は次の一つへ移る。その交点が縦格子線上にもあると格子点を通ることになるが、(1)より原点以外に格子点はない。原点は D1D_1 に含まれない。よって境界上の交点で区画を飛ばしたり重複して数えたりすることはなく、区画数は水平格子線との交点数に 11 を加えた数である。両端の高さが整数でない場合、交点数は ⌊kn⌋−⌊k(n−1)⌋\lfloor kn\rfloor-\lfloor k(n-1)\rfloor である。n=1n=1 でも、原点は除いて 0<y<k0<y<k にある水平格子線の本数は ⌊k⌋−⌊0⌋\lfloor k\rfloor-\lfloor 0\rfloor であり、同じ式になる。したがって an=1+⌊kn⌋−⌊k(n−1)⌋.a_n=1+\lfloor kn\rfloor-\lfloor k(n-1)\rfloor. ここで {x}=x−⌊x⌋\{x\}=x-\lfloor x\rfloor とおくと ⌊kn⌋−⌊k(n−1)⌋=k+{k(n−1)}−{kn}.\lfloor kn\rfloor-\lfloor k(n-1)\rfloor =k+\{k(n-1)\}-\{kn\}. 0≦{x}<10\le \{x\}<1 より −1<{k(n−1)}−{kn}<1-1<\{k(n-1)\}-\{kn\}<1 だから、 k−1<⌊kn⌋−⌊k(n−1)⌋<k+1.k-1<\lfloor kn\rfloor-\lfloor k(n-1)\rfloor<k+1. 両辺に 11 を加えて k<an<k+2k<a_n<k+2 を得る。

(3) (2)で得た式を n=1n=1 から NN まで加えると、床関数の項は隣り合うものが消え、 ∑n=1Nan=N+∑n=1N(⌊kn⌋−⌊k(n−1)⌋)=N+⌊kN⌋.\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{N}a_n =N+\sum\limits _{n=1}^{N}\bigl(\lfloor kn\rfloor-\lfloor k(n-1)\rfloor\bigr) =N+\lfloor kN\rfloor. したがって 1N∑n=1Nan=1+⌊kN⌋N.\displaystyle \frac1N\sum\limits _{n=1}^{N}a_n=1+\frac{\lfloor kN\rfloor}{N}. ⌊kN⌋≦kN<⌊kN⌋+1\lfloor kN\rfloor\le kN<\lfloor kN\rfloor+1 から k−1N<⌊kN⌋N≦k.\displaystyle k-\frac1N<\frac{\lfloor kN\rfloor}{N}\le k. よって N→∞N\to\infty とすると、求める極限は 1+k1+k である。

(4) 0<k<10<k<1 のとき、 0<kn−k(n−1)=k<10<kn-k(n-1)=k<1 なので、⌊kn⌋−⌊k(n−1)⌋\lfloor kn\rfloor-\lfloor k(n-1)\rfloor は 00 または 11 である。(2)の式より ana_n は 11 または 22 であり、1<k+1<21<k+1<2 だから an≧k+1すなわちan=2すなわち⌊kn⌋−⌊k(n−1)⌋=1.a_n\ge k+1 \quad\text{すなわち}\quad a_n=2 \quad\text{すなわち}\quad \lfloor kn\rfloor-\lfloor k(n-1)\rfloor=1. この差は 00 または 11 であるから、その和は 11 となる項の個数に等しい。従って AN=∑n=1N(⌊kn⌋−⌊k(n−1)⌋)=⌊kN⌋,\displaystyle A_N=\sum\limits _{n=1}^{N}\bigl(\lfloor kn\rfloor-\lfloor k(n-1)\rfloor\bigr)=\lfloor kN\rfloor, ゆえに k−1N<ANN=⌊kN⌋N≦k.\displaystyle k-\frac1N<\frac{A_N}{N}=\frac{\lfloor kN\rfloor}{N}\le k. N→∞N\to\infty として、極限は kk となる。

検算 例えば 0<k<10<k<1 なら、n=1n=1 の式は a1=1+⌊k⌋=1a_1=1+\lfloor k\rfloor=1 となり、最初の帯に水平格子線を横切らない場合と一致する。また、(3)での和と(4)での該当個数はいずれも床関数の差がともに望遠和となり、それぞれ N+⌊kN⌋N+\lfloor kN\rfloor と ⌊kN⌋\lfloor kN\rfloor に正確に一致する。極限は両方とも k−1N<⌊kN⌋N≦k\displaystyle k-\frac1N<\frac{\lfloor kN\rfloor}{N}\le k という同じ評価で確認できる。

この問題で使う考え方

  • 実数と無理数
  • 対偶・背理法による証明
  • 一次不等式
  • 直線の方程式
  • 総和記号と数列の和
  • 階差・和の利用
  • 数列の極限

PR

数学を1対1で教わるオンライン塾「数強塾」

数強塾は、中学生・高校生のための数学専門のオンライン個別指導塾です。プロ講師がマンツーマンで教え、大学受験の数学にも対応しています。入塾の前に、今の学習状況と目標を確かめる診断授業(体験・3,000円、税込)を受けられます。

「数強塾」オンライン数学克服塾〈プロ講師〉

東大生と1対1で学べるオンライン個別指導「トウコベ」

トウコベは、東大生を中心に難関大学の学生が講師を務める、完全マンツーマンのオンライン個別指導です。はじめに、オンラインの説明会・勉強相談(無料)をWebで予約でき、その後にお試し授業を受けられます。

トウコベ公式サイト

似た問題を、ほかの大学で

答えや解説の誤りに気づいたら、お問い合わせから教えてください。