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鹿児島大学/2003年度/前期

鹿児島大学 2003年 数学 第2問解答・解説

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1問題

鹿児島大学2003年度第2問

次の3問のうちから1問を選択して解答せよ。解答用紙の所定の欄に解答する問題の番号を記入すること。

2-12\text{-}1 a,b,ca,b,c を奇数とする。xx についての2次方程式 ax2+bx+c=0ax^{2}+bx+c=0 に関して,次の各問いに答えよ。   (1) この2次方程式が有理数の解 qp\displaystyle \dfrac{q}{p} をもつならば,pp と qq はともに奇数であることを背理法で証明せよ。ただし qp\displaystyle \dfrac{q}{p} は既約分数とする。   (2) この2次方程式が有理数の解をもたないことを(1)を利用して証明せよ。

2-22\text{-}2 下記の一連の等式が成立しているという(ただし mm は自然数)。これについて,次の各問いに答えよ。   (1) ①① の等式を証明せよ。   (2) 最下行の右辺の空欄に入る式を推測し,最下行の等式が成り立つことを証明せよ。なお,推測する式の中では,左辺と同様「…」を用いてよい。 ∑k=1nk=12n(n+1)\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{n}k=\frac{1}{2}n(n+1) ∑k=1nk(k+1)=13n(n+1)(n+2)①\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{n}k(k+1)=\frac{1}{3}n(n+1)(n+2)\qquad① ∑k=1nk(k+1)(k+2)=14n(n+1)(n+2)(n+3)\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{n}k(k+1)(k+2)=\frac{1}{4}n(n+1)(n+2)(n+3) ⋮\vdots ∑k=1nk(k+1)(k+2)⋯(k+m)=\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{n}k(k+1)(k+2)\cdots(k+m)=\boxed{\quad}

2-32\text{-}3 次の各問いに答えよ。   (1) 点 PP は,定点 B,CB,C を通る直線 BCBC の一方の側にあって,∠BPC\angle BPC の大きさが一定であるように動くとする。点 II が △PBC\triangle PBC の内心であるとき,∠BIC\angle BIC が一定であることを示せ。   (2) 点 PP が正3角形 ABCABC の外接円上を動くとする(ただし点 PP は点 B,CB,C に一致しないとする)。△PBC\triangle PBC の内心 II の軌跡を求め,これを図示せよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

整数の偶奇性による背理法、連続積の差を用いた総和、内心の角の二等分線と円周角の定理による軌跡の決定。逆向きには底角を二倍にした三角形を構成し、両円弧の全点が得られることを示す。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 2-11\quad (1) p,q\quad p,q\quad はともに奇数である。 (2) この方程式は有理数解をもたない。 / 2\quad 2-22\quad (1) ∑k=1nk(k+1)=13n(n+1)(n+2)\displaystyle \quad \displaystyle\sum\limits _{k=1}^{n}k(k+1)=\frac{1}{3}n(n+1)(n+2)\quad 。 (2) ∑k=1nk(k+1)⋯(k+m)=1m+2n(n+1)⋯(n+m+1)\displaystyle \quad \displaystyle\sum\limits _{k=1}^{n}k(k+1)\cdots(k+m)=\frac{1}{m+2}n(n+1)\cdots(n+m+1)\quad 。 / 2\quad 2-33\quad (1) ∠BIC=90∘+12∠BPC。 (2) Aを含む弧上のPに対しては、BCのA側にある、BCを弦とし中心が外接円の中心をBCについて対称移動した点である円の開弧(半径は外接円半径)。Aを含まない弧上のPに対しては、BCのAと反対側にある、中心A・半径ABの円の開弧。両弧とも端点B,Cを除く。軌跡を表す図は答案本文に示す。\displaystyle \quad \angle BIC=90^\circ+\frac12\angle BPC\quad \text{。 (2) Aを含む弧上のPに対しては、BCのA側にある、BCを弦とし中心が外接円の中心をBCについて対称移動した点である円の開弧(半径は外接円半径)。Aを含まない弧上のPに対しては、BCのAと反対側にある、中心A・半径ABの円の開弧。両弧とも端点B,Cを除く。\quad 軌跡を表す図は答案本文に示す。}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

2-1 (1) 有理数解が q/pq/p であるとすると、p≠0p\ne0 であり、方程式に代入して p2p^2 を掛けると aq2+bpq+cp2=0aq^2+bpq+cp^2=0 を得る。背理法で、p,qp,q の少なくとも一方が偶数と仮定する。p,qp,q は互いに素だから、ちょうど一方だけが偶数である。pp が偶数なら qq は奇数であり、左辺の aq2,bpq,cp2aq^2,bpq,cp^2 は順に奇数、偶数、偶数となるので、その和は奇数である。qq が偶数なら pp は奇数であり、同じ三項は順に偶数、偶数、奇数となり、その和はやはり奇数である。いずれも左辺が0であることに矛盾する。したがって p,qp,q はともに奇数である。

2-1 (2) 有理数解があると仮定する。(1)より、その既約分数表示 q/pq/p の分子・分母はともに奇数である。このとき aq2,bpq,cp2aq^2,bpq,cp^2 はすべて奇数なので、その和は奇数となり、aq2+bpq+cp2=0aq^2+bpq+cp^2=0 に矛盾する。よって有理数解はない。

2-2 (1) 各 kk について k(k+1)(k+2)−(k−1)k(k+1)=3k(k+1)k(k+1)(k+2)-(k-1)k(k+1)=3k(k+1) である。これを k=1k=1 から nn まで加えると左辺は望遠和となり、 3∑k=1nk(k+1)=n(n+1)(n+2)−0⋅1⋅2=n(n+1)(n+2)\displaystyle 3\sum\limits _{k=1}^{n}k(k+1)=n(n+1)(n+2)-0\cdot1\cdot2=n(n+1)(n+2) を得る。両辺を3で割れば、示す等式を得る。

2-2 (2) k(k+1)⋯(k+m+1)−(k−1)k⋯(k+m)=(m+2)k(k+1)⋯(k+m)k(k+1)\cdots(k+m+1)-(k-1)k\cdots(k+m)=(m+2)k(k+1)\cdots(k+m) である。実際、共通因数 k(k+1)⋯(k+m)k(k+1)\cdots(k+m) をくくると、残りの差は (k+m+1)−(k−1)=m+2(k+m+1)-(k-1)=m+2 となる。この等式を k=1k=1 から nn まで加えると、左辺は望遠和になり、 (m+2)∑k=1nk(k+1)⋯(k+m)=n(n+1)⋯(n+m+1)−0⋅1⋯(m+1)\displaystyle (m+2)\sum\limits _{k=1}^{n}k(k+1)\cdots(k+m)=n(n+1)\cdots(n+m+1)-0\cdot1\cdots(m+1) を得る。最後の積は0であるから、両辺を m+2m+2 で割って ∑k=1nk(k+1)⋯(k+m)=1m+2n(n+1)⋯(n+m+1)\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{n}k(k+1)\cdots(k+m)=\frac{1}{m+2}n(n+1)\cdots(n+m+1) となる。

2-3 (1) θ=∠BPC\theta=\angle BPC とおく。II は △PBC\triangle PBC の内心だから、BI,CIBI,CI はそれぞれ ∠PBC,∠PCB\angle PBC,\angle PCB の二等分線である。よって ∠IBC=12∠PBC,∠ICB=12∠PCB.\displaystyle \angle IBC=\frac12\angle PBC,\qquad \angle ICB=\frac12\angle PCB. 三角形 BICBIC の内角の和と ∠PBC+∠PCB=180∘−θ\angle PBC+\angle PCB=180^\circ-\theta より、 ∠BIC=180∘−12(180∘−θ)=90∘+12θ.\displaystyle \angle BIC=180^\circ-\frac12(180^\circ-\theta)=90^\circ+\frac12\theta. θ\theta は一定なので、∠BIC\angle BIC も一定である。

2-3 (2) s=BCs=BC、MM を BCBC の中点、OO を正三角形 ABCABC の外接円の中心とする。また、OO を直線 BCBC に関して対称移動した点を O′O' とする。正三角形の高さと外心の位置より AM=32s,OM=O′M=s23,OB=O′B=s3.\displaystyle AM=\frac{\sqrt3}{2}s,\qquad OM=O'M=\frac{s}{2\sqrt3},\qquad OB=O'B=\frac{s}{\sqrt3}. 次の二つの弧を定める。 Γ1:中心 O′、半径 s/3 の円の、直線 BC の A 側の弧 BC,Γ2:中心 A、半径 s の円の、直線 BC の A と反対側の弧 BC.\begin{array}{ll} \Gamma_1:&\text{中心 }O'\text{、半径 }s/\sqrt3\text{ の円の、直線 }BC\text{ の }A\text{ 側の弧 }BC,\\[2pt] \Gamma_2:&\text{中心 }A\text{、半径 }s\text{ の円の、直線 }BC\text{ の }A\text{ と反対側の弧 }BC. \end{array} どちらの弧も端点 B,CB,C を除くものとする。

まず必要条件を求める。PP が外接円の AA を含む開弧 BCBC 上にあれば、円周角の定理より ∠BPC=60∘\angle BPC=60^\circ である。(1)から ∠BIC=120∘\angle BIC=120^\circ となり、内心 II は直線 BCBC の AA 側にある。この側で BCBC を 120∘120^\circ に見込む弧は Γ1\Gamma_1 である。実際、元の外接円の AA を含まない小弧 BCBC 上の点では円周角が 120∘120^\circ であり、この小弧を直線 BCBC に関して対称移動したものが Γ1\Gamma_1 となる。円周角の定理の逆より、II は Γ1\Gamma_1 上にある。

PP が AA を含まない開弧 BCBC 上にあれば、∠BPC=120∘\angle BPC=120^\circ、したがって ∠BIC=150∘\angle BIC=150^\circ となり、II は直線 BCBC の AA と反対側にある。中心 AA、半径 ss の円では、∠BAC=60∘\angle BAC=60^\circ は小弧 BCBC に対する中心角である。この小弧は直線 BCBC の AA と反対側にあり、その上の点 JJ に対して ∠BJC=360∘−60∘2=150∘\displaystyle \angle BJC=\frac{360^\circ-60^\circ}{2}=150^\circ となる。この小弧が Γ2\Gamma_2 であり、円周角の定理の逆より II は Γ2\Gamma_2 上にある。

逆に、二つの弧のどの点も内心として得られることを示す。JJ を Γ1\Gamma_1 上の任意の点とし、α=∠JBC\alpha=\angle JBC、δ=∠JCB\delta=\angle JCB とおく。∠BJC=120∘\angle BJC=120^\circ より α>0∘,δ>0∘,α+δ=60∘.\alpha>0^\circ,\quad\delta>0^\circ,\quad\alpha+\delta=60^\circ. BB から BCBC と 2α2\alpha の角をなし、CC から CBCB と 2δ2\delta の角をなす半直線を、いずれも AA 側に引く。二つの角の和は 120∘<180∘120^\circ<180^\circ なので、これらは AA 側の点 PP で交わり、∠BPC=60∘\angle BPC=60^\circ となる。円周角の定理の逆から PP は元の外接円の AA を含む開弧 BCBC 上にある。また BJ,CJBJ,CJ はそれぞれ ∠PBC,∠PCB\angle PBC,\angle PCB の内角の二等分線なので、JJ は △PBC\triangle PBC の内心である。

JJ を Γ2\Gamma_2 上の任意の点とすると、同様に α,δ>0∘\alpha,\delta>0^\circ、α+δ=30∘\alpha+\delta=30^\circ となる。直線 BCBC の AA と反対側に角 2α,2δ2\alpha,2\delta の半直線を引けば、∠BPC=120∘\angle BPC=120^\circ である交点 PP が得られる。PP は元の外接円の AA を含まない開弧 BCBC 上にあり、JJ はこの △PBC\triangle PBC の内心となる。

内心は三角形の内部にあるので、B,CB,C は軌跡に含まれない。以上より、求める軌跡は Γ1\Gamma_1 と Γ2\Gamma_2 を合わせたものである。

座標で確認する場合、B=(−s/2,0)B=(-s/2,0)、C=(s/2,0)C=(s/2,0)、A=(0,3s/2)A=(0,\sqrt3s/2) とおけば、二つの弧はそれぞれ Γ1:x2+(y+s23)2=s23,y>0,Γ2:x2+(y−3s2)2=s2,y<0\displaystyle \begin{aligned} \Gamma_1:&\quad x^2+\left(y+\frac{s}{2\sqrt3}\right)^2=\frac{s^2}{3},\quad y>0,\\ \Gamma_2:&\quad x^2+\left(y-\frac{\sqrt3s}{2}\right)^2=s^2,\quad y<0 \end{aligned} で表される。これを図示すると次のようになる。

頂点Aが上、Bが左、Cが右にある三角形ABCに線分BCが引かれ、BCを両端とする上側の弧にΓ₁、下側の弧にΓ₂と記されている。AからBCを横切り下方のO′へ縦の破線が延び、AとO′は黒点、BとCは白丸で示されている。

太線の二つの弧が軌跡である。白丸で表した端点 B,CB,C は含まれない。図は模式図である。

この問題で使う考え方

  • 対偶・背理法による証明
  • 円の方程式
  • 軌跡
  • 約数・倍数
  • 三角形の性質
  • 三角形の中心
  • 角の二等分線の性質
  • 円の性質

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