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鹿児島大学/2003年度/前期

鹿児島大学 2003年 数学 第3問解答・解説

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1問題

鹿児島大学2003年度第3問

次の3問のうちから1問を選択して解答せよ。解答用紙の所定の欄に解答する問題の番号を記入すること。

3-13\text{-}1 △OAB\triangle OAB において,OA=3, OB=2OA=3,\ OB=2 とし,辺 ABAB の中点を MM,∠AOB\angle AOB の二等分線と辺 ABAB の交点を DD とする。また,直線 ODOD に点 AA から下ろした垂線の足を EE とし,直線 OMOM と直線 AEAE の交点を FF とする。ベクトル OA→=a⃗, OB→=b⃗\overrightarrow{OA}=\vec{a},\ \overrightarrow{OB}=\vec{b} として,次の各問いに答えよ。

(1) OM→\overrightarrow{OM} および OD→\overrightarrow{OD} を a⃗,b⃗\vec{a},\vec{b} を用いて表せ。

(2) OF→\overrightarrow{OF} および DF→\overrightarrow{DF} を a⃗,b⃗\vec{a},\vec{b} を用いて表せ。

3-23\text{-}2 複素数平面上において,次の各々はどのような図形を表すかを答えよ。

(1) 複素数 zz が ∣z∣=1|z|=1 および z≠1z\ne1 を満たすとき,w=11−z\displaystyle w=\dfrac{1}{1-z} が表す点の全体。

(2) 複素数 zz が ∣z∣=1|z|=1 を満たすとき,w=13−z\displaystyle w=\dfrac{1}{\sqrt{3}-z} が表す点の全体。

(3) 複素数 zz が ∣z∣=1|z|=1 および 0∘<arg⁡z<90∘0^{\circ}<\arg z<90^{\circ} を満たすとき,w=13−z\displaystyle w=\dfrac{1}{\sqrt{3}-z} が表す点の全体。

3-33\text{-}3 1,2,3,4,5の番号をつけた5枚のカードがある。カード1枚をでたらめに取り出し,取り出したカードはもとに戻す試行を繰り返す。ただしこの試行は,取り出したカードの番号が4以上であるか,または取り出したカードの番号の和がはじめて4以上になったときに終了する。カードを取り出した回数を XX とするとき,次の各問いに答えよ。

(1) 確率 P(X=1)P(X=1) および P(X=2)P(X=2) を求めよ。

(2) XX の確率分布および平均(期待値)E(X)E(X) を求めよ。

(3) 取り出したカードの番号の和が8である確率を求めよ。さらに,取り出したカードの番号の和が8であるときに,カードを取り出した回数が2回である条件つき確率を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 3−1:OM→=a⃗+b⃗2, OD→=2a⃗+3b⃗5; OF→=35(a⃗+b⃗), DF→=15a⃗.3−2:(1)Re⁡w=12;(2)(x−32)2+y2=14;(3)\displaystyle 3-1: \overrightarrow{OM}=\frac{\vec a+\vec b}{2},\space{}\overrightarrow{OD}=\frac{2\vec a+3\vec b}{5};\space{}\overrightarrow{OF}=\frac35(\vec a+\vec b),\space{}\overrightarrow{DF}=\frac15\vec a. 3-2: (1) \operatorname{Re}w=\frac12; (2) \left(x-\frac{\sqrt3}{2}\right)^2+y^2=\frac14; (3) 同円の上側の開弧。3−3:(1)P(X=1)=25,P(X=2)=1225;(2)(P1,P2,P3,P4)=(25,1225,14125,1125),E(X)=216125;(3)P(\displaystyle 3-3: (1) P(X=1)=\frac25, P(X=2)=\frac{12}{25}; (2) (P_1,P_2,P_3,P_4)=(\frac25,\frac{12}{25},\frac{14}{125},\frac1{125}), E(X)=\frac{216}{125}; (3) P(和=8)=36625,P(X=2∣\displaystyle =8)=\frac{36}{625}, P(X=2\mid 和=8)=2536.\displaystyle =8)=\frac{25}{36}.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

3-1 MMはABABの中点なので OM→=a⃗+b⃗2.\displaystyle \overrightarrow{OM}=\frac{\vec a+\vec b}{2}. 角の二等分線の定理からAD:DB=OA:OB=3:2AD:DB=OA:OB=3:2 であり、内分点の公式より OD→=2a⃗+3b⃗5.\displaystyle \overrightarrow{OD}=\frac{2\vec a+3\vec b}{5}. c=a⃗⋅b⃗c=\vec a\cdot\vec b とおく。E=tOD→E=t\overrightarrow{OD} とすれば(a⃗−OE→)⋅OD→=0(\vec a-\overrightarrow{OE})\cdot\overrightarrow{OD}=0 より t=a⃗⋅OD→∣OD→∣2=(18+3c)/5(72+12c)/25=54.\displaystyle t=\frac{\vec a\cdot\overrightarrow{OD}}{|\overrightarrow{OD}|^2} =\frac{(18+3c)/5}{(72+12c)/25}=\frac54. したがってOE→=2a⃗+3b⃗4\displaystyle \overrightarrow{OE}=\frac{2\vec a+3\vec b}{4}。FFは直線OMOM上なのでOF→=s(a⃗+b⃗)\overrightarrow{OF}=s(\vec a+\vec b) とおける。また直線AEAE上でもあるから、あるλ\lambda により s(a⃗+b⃗)=a⃗+λ(OE→−a⃗)=(1−λ2)a⃗+3λ4b⃗.\displaystyle s(\vec a+\vec b)=\vec a+\lambda(\overrightarrow{OE}-\vec a) =\left(1-\frac\lambda2\right)\vec a+\frac{3\lambda}{4}\vec b. a⃗,b⃗\vec a,\vec b の係数を比べてs=3λ/4=1−λ/2s=3\lambda/4=1-\lambda/2 を得るのでλ=4/5,s=3/5\lambda=4/5,s=3/5。よって OF→=35(a⃗+b⃗),DF→=OF→−OD→=15a⃗.\displaystyle \overrightarrow{OF}=\frac35(\vec a+\vec b),\qquad \overrightarrow{DF}=\overrightarrow{OF}-\overrightarrow{OD}=\frac15\vec a.

3-2 (1) w=1/(1−z)w=1/(1-z) からz=1−1/wz=1-1/w であり、∣z∣=1|z|=1 は∣w−1∣=∣w∣|w-1|=|w| と同値。 ∣w−1∣2=∣w∣2すなわちw+w‾=1すなわちRe⁡w=12.\displaystyle |w-1|^2=|w|^2\text{すなわち} w+\overline w=1\text{すなわち}\operatorname{Re}w=\frac12. この直線上の点はw≠0w\ne0 で、逆にz=1−1/wz=1-1/w が条件を満たす。したがって図形は直線Re⁡w=1/2\operatorname{Re}w=1/2。

(2) w=1/(3−z)w=1/(\sqrt3-z) よりz=3−1/wz=\sqrt3-1/w。∣z∣=1|z|=1 は∣3w−1∣=∣w∣|\sqrt3w-1|=|w| と同値だから、w=x+iyw=x+iy として 3∣w∣2−3(w+w‾)+1=∣w∣2すなわち(x−32)2+y2=14.\displaystyle 3|w|^2-\sqrt3(w+\overline w)+1=|w|^2 \text{すなわち} \left(x-\frac{\sqrt3}{2}\right)^2+y^2=\frac14. この円は原点を通らないため逆変換も可能であり、図形は中心(3/2,0)(\sqrt3/2,0)、半径1/21/2の円周。

(3) z=eiθz=e^{i\theta}(0<θ<π/20<\theta<\pi/2)とおくと、(2)の円上にあり w=3−cos⁡θ+isin⁡θ4−23cos⁡θ\displaystyle w=\frac{\sqrt3-\cos\theta+i\sin\theta}{4-2\sqrt3\cos\theta} だからIm⁡w>0\operatorname{Im}w>0。端点の極限は θ→0:w→13−1=3+12,θ→π2:w→13−i=3+i4.\displaystyle \theta\to0:\quad w\to\frac1{\sqrt3-1}=\frac{\sqrt3+1}{2},\qquad \theta\to\frac\pi2:\quad w\to\frac1{\sqrt3-i}=\frac{\sqrt3+i}{4}. 写像は一対一で、像はこの2点を端点とする円の上側の開弧(中心角150∘150^\circの短い方)である。端点はarg⁡z\arg z の不等号が厳密なので含まない。

3-3 取り出したカードの番号が4以上なら直ちに終了し、そうでないときも累積和が初めて4以上になれば終了する。各回は独立に1〜5の5通り。

(1) 1回で終わるのは最初が4または5なのでP(X=1)=2/5P(X=1)=2/5。2回で終わるには初回が1,2,3で、2回目が順に3通り、4通り、5通り。よって P(X=2)=3+4+552=1225.\displaystyle P(X=2)=\frac{3+4+5}{5^2}=\frac{12}{25}.

(2) 2回目まで続く長さ2の列は(1,1),(1,2),(2,1)(1,1),(1,2),(2,1)。その後の1回で終了するカード数は、それぞれ4,5,5通りだからP(X=3)=14/53=14/125P(X=3)=14/5^3=14/125。3回目まで続く列は(1,1,1)(1,1,1)だけで、4回目はどのカードでも終了するからP(X=4)=5/54=1/125P(X=4)=5/5^4=1/125。従って分布は X1234P(X)2/512/2514/1251/125\begin{array}{c|c|c|c|c} X&1&2&3&4\\\hline P(X)&2/5&12/25&14/125&1/125 \end{array} であり、確率の和は1。期待値は E(X)=25+2⋅1225+3⋅14125+4⋅1125=216125.\displaystyle E(X)=\frac25+2\cdot\frac{12}{25}+3\cdot\frac{14}{125}+4\cdot\frac1{125}=\frac{216}{125}.

(3) 合計8で終了するには、最後に5を引き、それ以前の番号の和が3でなければならない。和3の継続列は(3),(1,2),(2,1),(1,1,1)(3),(1,2),(2,1),(1,1,1)。したがって P(和=8)=152+253+154=36625.\displaystyle P(\text{和}=8)=\frac1{5^2}+\frac2{5^3}+\frac1{5^4}=\frac{36}{625}. このうちX=2X=2 なのは列(3,5)(3,5)だけで、その確率は1/251/25。よって P(X=2∣和=8)=1/2536/625=2536.\displaystyle P(X=2\mid\text{和}=8)=\frac{1/25}{36/625}=\frac{25}{36}.

この問題で使う考え方

  • 角の二等分線定理・内分点
  • 内積による垂直条件と係数比較
  • 複素数の逆変換と絶対値平方
  • 円周上の媒介変数と端点判定
  • 場合分け・独立試行・確率分布と期待値・条件付き確率

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