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兵庫医科大学/2023年度/一般

兵庫医科大学 2023年 数学 第3問解答・解説

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1問題

兵庫医科大学2023年度第3問

以下の問いに答えよ。ただし,nn は自然数とし,0!=10!=1 とする。なお,途中の式や考え方等も記入すること。

(1) S1S_1 を S1=∑k=1n(k−1)!(k+1)!\displaystyle S_1=\sum\limits _{k=1}^{n}\frac{(k-1)!}{(k+1)!} とするとき,lim⁡n→∞S1\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}S_1 を求めよ。

(2) S2S_2 を S2=∑k=1n(k−1)!(k+2)!\displaystyle S_2=\sum\limits _{k=1}^{n}\frac{(k-1)!}{(k+2)!} とするとき,lim⁡n→∞S2\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}S_2 を求めよ。

(3) S3S_3 を S3=∑k=1n(k−1)!(k+3)!\displaystyle S_3=\sum\limits _{k=1}^{n}\frac{(k-1)!}{(k+3)!} とするとき,lim⁡n→∞S3\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}S_3 を求めよ。

(4) 次の和 SpS_p を推測し,それを数学的帰納法によって証明せよ。ただし,pp は自然数とする。 Sp=∑k=1n(k−1)!(k+p)!\displaystyle S_p=\sum\limits _{k=1}^{n}\frac{(k-1)!}{(k+p)!}

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

階乗の比を連続する二項の差に分解して和をとったときに途中の項が打ち消し合う形にする。一般式は初項と漸化的な加算を用いた数学的帰納法で証明する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 1
    (2) 14\displaystyle (2)\space{}\frac14
    (3) 118\displaystyle (3)\space{}\frac1{18}
    (4) Sp=1p(1p!−n!(n+p)!)\displaystyle (4)\space{}S_p=\frac1p\left(\frac1{p!}-\frac{n!}{(n+p)!}\right)

4解答

解答を見る途中式つきの解答

一般に (k−1)!(k+p)!=1p((k−1)!(k+p−1)!−k!(k+p)!)\displaystyle \frac{(k-1)!}{(k+p)!} =\frac1p\left(\frac{(k-1)!}{(k+p-1)!}-\frac{k!}{(k+p)!}\right) である。右辺の括弧内は隣り合う項で消去する形になっている。

(1) p=1p=1 の場合、 S1=∑k=1n(1k−1k+1)=1−1n+1\displaystyle S_1=\sum\limits _{k=1}^n\left(\frac1k-\frac1{k+1}\right)=1-\frac1{n+1} だから lim⁡n→∞S1=1\displaystyle\lim\limits _{n\to\infty}S_1=1。

(2) p=2p=2 の場合、 S2=12(12!−n!(n+2)!)=14−n!2(n+2)!.\displaystyle S_2=\frac12\left(\frac1{2!}-\frac{n!}{(n+2)!}\right) =\frac14-\frac{n!}{2(n+2)!}. ここで n!(n+2)!=1(n+1)(n+2)→0\displaystyle \dfrac{n!}{(n+2)!}=\dfrac1{(n+1)(n+2)}\to0 より、lim⁡n→∞S2=14\displaystyle\lim\limits _{n\to\infty}S_2=\frac14。

(3) p=3p=3 の場合、 S3=13(13!−n!(n+3)!)=118−n!3(n+3)!.\displaystyle S_3=\frac13\left(\frac1{3!}-\frac{n!}{(n+3)!}\right) =\frac1{18}-\frac{n!}{3(n+3)!}. n!(n+3)!=1(n+1)(n+2)(n+3)→0\displaystyle \dfrac{n!}{(n+3)!}=\dfrac1{(n+1)(n+2)(n+3)}\to0 だから、lim⁡n→∞S3=118\displaystyle\lim\limits _{n\to\infty}S_3=\frac1{18}。

(4) (1)〜(3)から、有限和は Sp=1p(1p!−n!(n+p)!)\displaystyle S_p=\frac1p\left(\frac1{p!}-\frac{n!}{(n+p)!}\right) と推測できる。これを nn に関する数学的帰納法で証明する。n=1n=1 では 1p(1p!−1(p+1)!)=1(p+1)!=0!(p+1)!\displaystyle \frac1p\left(\frac1{p!}-\frac1{(p+1)!}\right)=\frac1{(p+1)!}=\frac{0!}{(p+1)!} であり成立する。

nn で成立すると仮定すると、 Sp(n+1)=Sp(n)+n!(n+p+1)!=1pp!−n!p(n+p)!+n!(n+p+1)!=1pp!−(n+1)!p(n+p+1)!=1p(1p!−(n+1)!(n+p+1)!).\displaystyle \begin{aligned} S_p(n+1) &=S_p(n)+\frac{n!}{(n+p+1)!}\\ &=\frac1{p p!}-\frac{n!}{p(n+p)!}+\frac{n!}{(n+p+1)!}\\ &=\frac1{p p!}-\frac{(n+1)!}{p(n+p+1)!}\\ &=\frac1p\left(\frac1{p!}-\frac{(n+1)!}{(n+p+1)!}\right). \end{aligned} よって n+1n+1 でも成立し、数学的帰納法によりすべての自然数 nn で成り立つ。

この問題で使う考え方

  • 階差・和の利用
  • 数学的帰納法
  • 数列の極限

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