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東京慈恵会医科大学/2010年度/2/4

東京慈恵会医科大学 2010年 数学 第1問解答・解説

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1問題

東京慈恵会医科大学2010年度第1問

次の□\squareにあてはまる答えを解答欄に記入せよ。

(1) 半径 rr の円に内接する四角形 ABCDABCD が AB=CD3,AB2=BC2=DA4,cos⁡∠BAD=−12\displaystyle AB=\frac{CD}{3},\quad AB^2=\frac{BC}{2}=\frac{DA}{4},\quad \cos\angle BAD=-\frac{1}{2} をみたしている。このとき、AB=(ア),r=(イ)AB=\boxed{(\text{ア})},\quad r=\boxed{(\text{イ})} である。

(2) 袋の中に n−3n-3 個 (n≧8)(n\geq8) の赤玉と3個の白玉が入っている。この袋から7個の玉を同時に取り出すとき、赤玉が5個となる確率 PnP_n を nn を用いて表すと、Pn=(ウ)P_n=\boxed{(\text{ウ})} である。また、PnP_n を最大にする nn を求めると n=(エ)n=\boxed{(\text{エ})} である。

(3) 整数を成分とする2次の正方行列 A=(abba)(b≠0)A=\begin{pmatrix}a&b\\b&a\end{pmatrix}\quad(b\neq0) がある。AP=P(a−b00a+b)AP=P\begin{pmatrix}a-b&0\\0&a+b\end{pmatrix}\quad① をみたすような2次の正方行列 P=(1xy2)P=\begin{pmatrix}1&x\\y&2\end{pmatrix} を求めると、x=(オ),y=(カ)x=\boxed{(\text{オ})},\quad y=\boxed{(\text{カ})} である。さらに、①を用いると A4−6A3+9A2=(106610)A^4-6A^3+9A^2=\begin{pmatrix}10&6\\6&10\end{pmatrix} をみたす整数 a,ba,b の組 (a,b)(a,b) は (a,b)=(キ)(a,b)=\boxed{(\text{キ})} または (a,b)=(ク)(a,b)=\boxed{(\text{ク})} であることが分かる。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

円に内接する四角形の角と余弦定理、組合せ確率の隣接項比較、行列の成分計算を用いて各空欄を高校範囲の計算に還元する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)(1)\quad ア=12, \displaystyle =\frac12,\space{} イ=216;\displaystyle =\frac{\sqrt{21}}6;
    (2)(2)\quad ウ=126(n−7)n(n−1)(n−2), \displaystyle =\frac{126(n-7)}{n(n-1)(n-2)},\space{} エ=10;=10;
    (3)(3)\quad オ=2, =2,\space{} カ=−1, =-1,\space{} キ=(0,−1), =(0,-1),\space{} ク=(3,1).=(3,1).

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) AB=x (x>0)AB=x\ (x>0) とおく。条件から CD=3x, BC=2x2, DA=4x2CD=3x,\ BC=2x^2,\ DA=4x^2 である。四角形 ABCDABCD は円に内接するから、∠BCD=180∘−∠BAD=60∘\angle BCD=180^\circ-\angle BAD=60^\circ となる。対角線 BDBD に余弦定理を用いると、 BD2=AB2+DA2−2⋅AB⋅DAcos⁡120∘=x2+16x4+4x3,BD2=BC2+CD2−2⋅BC⋅CDcos⁡60∘=4x4+9x2−6x3.\begin{aligned} BD^2&=AB^2+DA^2-2\cdot AB\cdot DA\cos120^\circ=x^2+16x^4+4x^3,\\ BD^2&=BC^2+CD^2-2\cdot BC\cdot CD\cos60^\circ=4x^4+9x^2-6x^3. \end{aligned} よって 2x2(6x2+5x−4)=2x2(3x+4)(2x−1)=02x^2(6x^2+5x-4)=2x^2(3x+4)(2x-1)=0 であり、x>0x>0 より x=12\displaystyle x=\frac12 である。このとき BD2=74\displaystyle BD^2=\frac74 なので、正弦定理から BD=2rsin⁡120∘BD=2r\sin120^\circ、したがって r=7/23=216\displaystyle r=\frac{\sqrt7/2}{\sqrt3}=\frac{\sqrt{21}}6 となる。

(2) 赤玉5個・白玉2個を選ぶ場合の数は (n−35)(32)\displaystyle \binom{n-3}{5}\binom32、全体は (n7)\displaystyle \binom n7 だから Pn=(n−35)(32)(n7)=126(n−7)n(n−1)(n−2)(n≧8).\displaystyle \begin{aligned} P_n&=\frac{\binom{n-3}{5}\binom32}{\binom n7}=\frac{126(n-7)}{n(n-1)(n-2)}\qquad(n\ge8). \end{aligned} 隣り合う項の比は Pn+1Pn=(n−6)(n−2)(n+1)(n−7)\displaystyle \begin{aligned} \frac{P_{n+1}}{P_n}=\frac{(n-6)(n-2)}{(n+1)(n-7)} \end{aligned} であり、分子と分母の差は (n−6)(n−2)−(n+1)(n−7)=19−2n(n-6)(n-2)-(n+1)(n-7)=19-2n である。従って n=8,9n=8,9 では比が1より大きく、n≧10n\ge10 では1より小さい。よって最大値をとるのは n=10n=10 である。

(3) 行列を直接掛けると AP=(a+byax+2bb+aybx+2a),P(a−b00a+b)=(a−bx(a+b)y(a−b)2(a+b)).AP=\begin{pmatrix}a+by&ax+2b\\ b+ay&bx+2a\end{pmatrix},\qquad P\begin{pmatrix}a-b&0\\0&a+b\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}a-b&x(a+b)\\y(a-b)&2(a+b)\end{pmatrix}. 左上成分と右下成分を比較し、b≠0b\ne0 を用いると y=−1, x=2y=-1,\ x=2 である。残りの成分もこの値で一致するので P=(12−12)P=\begin{pmatrix}1&2\\-1&2\end{pmatrix} となる。

ここで t=a−b, u=a+b, D=diag⁡(t,u)t=a-b,\ u=a+b,\ D=\operatorname{diag}(t,u) とする。AP=PDAP=PD から、繰り返し掛けることにより AkP=PDk (k=1,2,3,4)A^kP=PD^k\ (k=1,2,3,4) が従う。従って R=A4−6A3+9A2R=A^4-6A^3+9A^2 とおけば RP=Pdiag⁡(t2(t−3)2,u2(u−3)2).RP=P\operatorname{diag}\bigl(t^2(t-3)^2,u^2(u-3)^2\bigr). 一方、 RP=(106610)(12−12)=(432−432).RP=\begin{pmatrix}10&6\\6&10\end{pmatrix}\begin{pmatrix}1&2\\-1&2\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}4&32\\-4&32\end{pmatrix}. 両辺を比較して t2(t−3)2=4, u2(u−3)2=16t^2(t-3)^2=4,\ u^2(u-3)^2=16 を得る。t(t−3)=±2t(t-3)=\pm2 より整数 tt は 1,21,2、u(u−3)=±4u(u-3)=\pm4 より整数 uu は −1,4-1,4 である。a=(t+u)/2, b=(u−t)/2a=(t+u)/2,\ b=(u-t)/2 が整数になる組合せは (t,u)=(1,−1),(2,4)(t,u)=(1,-1),(2,4) に限られ、それぞれ (a,b)=(0,−1),(3,1)(a,b)=(0,-1),(3,1) となる。いずれも b≠0b\ne0 を満たし、対応する t,ut,u で多項式値は (4,16)(4,16) だから元の行列等式を満たす。

この問題で使う考え方

  • 余弦定理
  • 正弦定理
  • 円に内接する四角形
  • 組合せ
  • 確率の基本法則
  • 行列を用いた表現

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